ジャパネット杯「春の高校バレー」第76回全日本バレーボール高等学校選手権大会第4日(7日、東京体育館)準決勝が行われ、男…
ジャパネット杯「春の高校バレー」第76回全日本バレーボール高等学校選手権大会第4日(7日、東京体育館)準決勝が行われ、男子は駿台学園(東京)と福井工大福井が8日の決勝に進んだ。2連覇を狙う駿台学園は昇陽(大阪)に3-0で、福井工大福井は前回大会準優勝の鎮西(熊本)に3-0で勝ち、福井県勢初の決勝進出となった。
福井県勢初の快挙まであと1勝だ。福井工大福井が前回大会準優勝の鎮西にストレート勝ち。センターコートの中心で歓喜の輪をつくった。
「勝ったことは本当にうれしいですけど、自分たちが目指しているところは日本一。正直喜べないというのが現状です」
決勝進出も県勢初。14得点を挙げた、主将でエースの堤凰惺(おうせ、3年)は8日の決勝へ、気持ちを切り替えた。
堅固な守備を武器に、試合の主導権を握った。チームで計13のブロックポイントを記録し、鎮西のエース井坂を止めた。最後のポイントもブロックで締め、堤は「ディフェンスがよくて、予測がハマった。ブロックには自信をもってやっている」とうなずいた。
特別な思いを胸にコートに立つ。1日に最大震度7を観測した能登半島地震が発生した。福井・越前町出身の堤は沿岸部に位置する実家に帰省中だった。「震度5弱ぐらいで、津波が来る可能性があったので、5時間くらい高台に避難していた」と東京入りの前日に不安な時間を過ごした。実家や家族は無事だったが、「石川県や富山県は、自分より大きな被害を受けていると思う。北信越の代表として、絶対に日本一を取って勇気づけたい」と熱い思いを胸に秘めている。
決勝の相手は大会連覇を狙う駿台学園。堤は「歴史をつくりたい」と誓った。被災地に最高の笑顔と明るいニュースを届ける。(原田優介)
■福井工大福井(ふくいこうだいふくい) 1959(昭和34)年に福井実業高等学校として創立。65年に福井高等学校に改称。78年から現校名となった私立共学校。生徒数は1457人。男子バレー部は60年創部で部員数は27人。春高は6年連続47度目の出場で、過去最高成績は2023年の8強。主なOBはバレー男子元日本代表の荻野正二、清水邦広(パナソニック)や津田寬治(俳優)ら。学校所在地は福井市学園3-6-1。佐々木栄秀校長。