「ジャパネット杯 春の高校バレー」第76回全日本バレーボール高等学校選手権大会は7日、東京体育館(渋谷区)で準決勝が行わ…

「ジャパネット杯 春の高校バレー」第76回全日本バレーボール高等学校選手権大会は7日、東京体育館(渋谷区)で準決勝が行われた。都勢は、男子の駿台学園が昇陽(大阪)、女子の下北沢成徳は旭川実(北海道)を破ってともに決勝進出を決めた。8日の決勝で、駿台学園が福井工大福井(福井)、下北沢成徳は就実(岡山)と顔を合わせる。

駿台学園、攻守に粘り

駿台学園が充実の内容で決勝へ駒を進めた。

第1セット序盤、三宅雄のライト攻撃を中心に組み立て、主導権を握る。梅川大介監督が「一番最初のディフェンス」と重要視するサーブで相手を崩し、思うように攻めさせなかった。

第2セットでも長いラリーを制するなど、相手に流れを渡さない。相手エースの活躍で食らいつかれるも、中盤以降着実にリードを広げた。そのまま第3セットも奪い、準決勝をストレート勝ちした。

この試合で光ったのは三宅雄の攻撃力と主将・亀岡の守備力だ。三宅雄は身長177センチながら、体のばねを生かした強烈なスパイクで得点を重ねた。目を奪ったのは自身も「持ち味で武器」と語る〝空中での粘り〟だ。トレーニングで培った体幹の強さを生かし、トスがずれても鋭く打ち切った。

亀岡も粘り強いレシーブを幾度も見せた。立ち上がりに「相手の得意コースや攻撃方法を把握する」といい、重心を低く保ちながら機敏なステップで相手のスパイクやこぼれ球に反応した。

攻守とも隙はなく、チームは一丸になっている。決勝では強敵、福井工大福井と激突するが、「春高」王者の座を譲るつもりはない。(山本玲)

○駿台学園・梅川大介監督「昨日の2試合がしんどかったというのがあったが、そこを乗り越えて、いいモチベーションでゲームに入れた」

熱戦に800人声援

駿台学園の応援席では、選手の家族や在校生ら約800人が好プレーに沸いた。チアリーディング部の加藤美沙部長(2年)は「優勝できると思っているので、頑張ってほしい」とスタンドを盛り上げ、選手たちのプレーを後押しした。

亀岡聖成(せな)主将の父、竜介さん(50)は「駿台のやるべきプレーができていた。(決勝は)プレッシャーを感じずに楽しんでいつも通りに」。勝利に貢献した三宅雄大の母、聖子さん(48)は「今までにない力強いプレーだった。最後まで仲間と楽しんでほしい」とエールを送った。(村田幸子)

下北沢成徳、冷静さ光る

下北沢成徳は冷静に持ち前の攻撃力をいかし、ストレート勝ちで7年ぶり5度目の優勝に王手をかけた。

第1セット、序盤から点の取り合いになる。セッター小山が「レフトからの本数を多くした」と上げたトスを後藤がスパイクを決めるなどして得点を奪う。レフトに相手ブロックの意識がいくとミドルやライトを使って空いたスペースに速攻で攻撃をしかけるなど相手をよく見て攻撃パターンを変える冷静さがあった。

第2セットは伊藤崇博監督が「自分たちのやりたいことができた」と評したように、鋭いスパイクだけでなくフェイントも使って相手を翻弄した。第3セット、ここまで攻撃を封じていた相手エース笠井が勢いづき会場の雰囲気も盛り上がったが選手は冷静だった。強烈なスパイクも執念で拾い、ダブルエースの1人、イェーモンミャが打ち返す。一進一退の攻防が続く中、柳や河俣のスパイクも決まり流れを渡さず勝ち切った。

決勝の相手となった就実には昨年の全国高校総体準々決勝でストレート勝ちしているが、河俣は「(高校総体とは)別のチーム。明日は挑戦していきたい」。「3冠」が懸かる試合でもチャレンジャーとして臨む。(梶原龍)

○下北沢成徳・伊藤崇博監督「3セット目のような展開(接戦)に最初からなると思っていたが、うまく我慢しながら先にセットを取って勝つことができた」

岩手からも駆けつけ応援

下北沢成徳の応援席では家族や控え選手、在校生ら約500人が、おそろいの黄色のメガホンを手に「イケイケ、成徳」の大声援で選手を後押しした。

岩手県軽米町から駆け付けた内沢明未(あみ)主将の父、修さん(54)は「生で試合を見るのはこれが初めて」。盛岡誠桜でも指揮を執った伊藤崇博監督の誘いに「行きたい学校なら」と娘を送り出した、という。

「普段はLINE(ライン)する程度で返事は『うん』とかぐらいですが、今回は『3年間、会話してくれてありがとう』と。精神的にも成長してくれたようです」と修さん。チームを引っ張る姿に目を細めていた。(石田征広)