ジャパネット杯「春の高校バレー」第76回全日本バレーボール高等学校選手権大会第1日(4日、東京体育館)男女の1回戦が行わ…

ジャパネット杯「春の高校バレー」第76回全日本バレーボール高等学校選手権大会第1日(4日、東京体育館)男女の1回戦が行われ、男子で2年連続3度目の出場だった小松大谷(石川)は、2年連続27度目の出場の西原(沖縄)に1-2で逆転負け。1日に発生した能登半島地震で石川県が甚大な被害を受ける中、「笑顔で」をテーマに戦い、被災者を勇気付けた。

フルセットの大熱戦で競り負けたが、最後まで全員が笑顔でプレーした。「いろんな人の思いを背負って、みんなで石川を少しでも盛り上げたくて、『石川に少しでも元気を与えられるようなプレーを』と、1日通して笑顔で楽しく、自分たちらしいバレーを見せることだけを考えた。その先に石川県の皆さんに、被災された方々に元気を与えて勝利を届けたかったけど、やっぱりそう簡単じゃなかったし、全国での一勝っていう難しさを感じた」。チーム最長身の身長185センチのアタッカー、越中秀地(2年)は素直な心境を述べた。

タイムアウト時に「元気を届けるよ。笑顔でいこう」などと常に声を掛け合い、第1セットは1年生エースの藤野鼓巳が躍動。梅田麻人(2年)のクイック攻撃もおもしろいように決まるなど、得意のコンビバレーで25-22と先取した。第2セットは中盤に8連続失点を喫するなどして抜け出され、最終第3セットは中盤に最大4点差でリードしたが、終盤に西原のエースの田崎憲斗(3年)を止められずに5連続得点を奪われて逆転され、最終盤には粘りを見せたものの敗れた。

春高バレーメンバーは1日の朝、最終調整地の神奈川県に向かって観光バスで石川県を出発しており、地震発生時には埼玉県辺りを走行中だった。Bチームメンバーを含め、部員や家族は全員無事だったが、桂孝則監督(41)をはじめ、能登半島の七尾市出身の部員が複数人おり、越中は同市の実家の家の中のものがぐちゃぐちゃになり、近所の道路は陥没している部分もあると明かした。それでも「自分たちが楽しくバレーをして、笑顔で楽しんでいる姿は少しでも届けられて、それで少しでも多くの人が笑顔になってくれたら、自分たちはそれでいい。(石川県に)帰ったあとも大変だと思うけど、被災した方々に少しでも元気を与えられるような活動をしていきたい」と気丈に語った。

「1、2年生で試合に出ているメンバーも多い。今回経験したことを生かして来年ここに帰ってきて、全国での一勝を達成したい」と来年こそはの悲願達成を誓った。七尾市出身でリベロの久保亘輝(3年)は両親が応援に来られなくなったといい「直接見てもらいたかった。有観客でやっと親に自分のバレーをしている姿、集大成を見せられると思っていた。残念です」とうつむいた。それでも「いろんなことがあり、自分たちのバレーができない中、よくここまでがんばったなと思う」と前を向いた。桃山学院大に進学してバレーを続ける。

実家に穴が開くなどした桂監督は「生徒たちは1日、2日はかなり動揺があった。自分たちはこの日のためにやってきたので、下を向いていても駄目だと思った。いろんな方からすごくたくさんの応援メッセージをいただいて、やるしかないなと思った。勝たせてやりたかった」と3度目の春高でも初勝利を逃し、涙ぐんだ。