ジャパネット杯「春の高校バレー」第76回全日本バレーボール高等学校選手権大会第1日(4日、東京体育館)男女の1回戦が行わ…

ジャパネット杯「春の高校バレー」第76回全日本バレーボール高等学校選手権大会第1日(4日、東京体育館)男女の1回戦が行われ、今大会女子で最多の49度目の出場だった金沢商(石川)は、初出場の今治精華(愛媛)に0-2のストレート負け。1日に発生した能登半島地震で被災したものの、被災地に勇気と元気を届けるために全力を尽くしたが及ばず、2020年大会から5年連続の初戦敗退となった。

5年ぶりの初戦突破はならなかったが、金沢商には満員の観客から惜しみない拍手が送られた。

「今年こそは結果を残したい、残さなきゃいけないという共通意識でやってきたけど、結果を残せなくて率直に悔しい」

主将の南桃花(3年)はがっくりと肩を落とした。第1セットは中盤に7連続得点を挙げ、16-13とリードしたが、後半に追い上げられて逆転され、23-25で落とした。タイムアウト時の円陣では小坂慎吾監督(47)が「いくぞ、石川県のためにー」と声をかけ、第2セットも中盤までは接戦だったが、終盤に6連続失点を喫するなどして18-25。警戒していた今治精華のビーチバレーU21日本代表2年生コンビ、矢田和香と森川仁湖を止められなかった。

3日前の午後4時10分に最大震度7を観測した能登半島地震が石川県を襲った。小坂監督はすぐにマネジャーへ22人の部員の安全確認を命じ、「何人かと連絡がつかずにすごく心配した」。1日夜に選手全員と家族の無事が確認され、一安心したが「出られないかもしれない」と思ったという。2日の午前は自主練習にし、午後練習に遅れて2人が合流して、何とか試合モードに切り替えることができた。3日の午前5時に観光バスで金沢市を出発し、新潟経由で約7時間かけて東京入りした。

1日は午前練習を行い、午後はオフ。出場機会がなく、ベンチから声を張り上げた中野葉月(2年)は輪島市にある祖父母の家を新年のあいさつのために訪れていた。その際に地震が起き、被災。祖父母の家はガラスが割れるなど、家の中がぐちゃぐちゃになり、取り壊すことになった。「避難所にも行って、ご飯とかも十分になくて、ご飯を作ってくれる人がいて、おうちに帰ったらお風呂に入れて、寝れることが当たり前じゃなかったんだなと思った」と涙ぐんだ。

1年生ながらスタメンで出場し、決定率チームナンバーワンの福島礼は金沢市内の自宅でひびが入り、1日は避難所となった中学校に泊まり、2日からは別の家に避難している。会場で観戦予定だった両親は来られなくなった。「石川県の人に今、こういう状況だから喜びを与えてあげたいのに、全然伝えきれなかったのが悔しい」と涙を流した。主将の南も母方の祖母の自宅が中能登町にあり、被害は大きく、近くの親戚の家に避難している。

当初は学校から約150人、保護者を合わせると約200人の応援団が来場する予定だったが、能登半島地震により、学校応援は中止となり、来場できた保護者は約40人。同じAコートの前の試合で敗れた明秀日立(茨城)の吹奏楽部とチアリーダー、応援団の約50人が残って応援してくれた。応援席には「力をあわせてがんばろう石川」のボードが掲げられた。

明日は白山市の実家の片付けに行くという小坂監督は「みんなよくがんばったと思う。余震が続き、100%(の状態)ではなかったけど、この状況でできることはしっかりと頑張ってくれた」と教え子をねぎらった。