「ジャパネット杯 春の高校バレー」として行われるバレーボールの第76回全日本高校選手権(フジテレビ、産経新聞社など主催)…

「ジャパネット杯 春の高校バレー」として行われるバレーボールの第76回全日本高校選手権(フジテレビ、産経新聞社など主催)は4日、東京体育館で開幕して1回戦が行われ、女子は一昨年まで2連覇した就実(岡山)が2―0で東九州龍谷(大分)に勝ち、2回戦に進出した。

1年前の「忘れ物」を就実が取り戻した。前回の初戦前、新型コロナウイルスの抗原検査で選手の陽性が判明。規定で欠場を余儀なくされた。2大会ぶりのコートで勝利し、西畑美希監督は「去年の3年生のためにも1回戦敗退でやすやすと帰るわけにはいかなかった」と安堵した。

7度の優勝を誇る東九州龍谷を圧倒した。鋭いサーブを繰り出してレシーブを乱し、相手が得意とする「高速バレー」を封じた。エース福村心優美(こゆみ、2年)は敵の守備陣形を的確に見極め、コースを突いた攻撃で面白いように得点を重ねた。「エースという立場。どんな状況でも一本で決め切ることを意識してきた」と福村。会心のストレート勝ちだった。

前回は3連覇を狙った舞台だった。陽性とされた抗原検査後に行った再検査では陰性と診断されたが、コートに立てなかった。「試合できるかな…。やりたいな」。セッターの河本菜々子(3年)は、出場可否の判断を待つバスの中で聞いた、当時の3年生のつぶやきが耳に残っている。

昨年末、思いを強くする時間があった。欠場した当時の3年生が練習に顔を出し、「自分たちの分まで春高を戦ってほしい」と伝えてくれた。河本は「去年、経験した悔しさを明日からの試合にもぶつけていく」と力を込めた。〝2年分〟の思いを胸に、コートで躍動する。(石原颯)