「ジャパネット杯 春の高校バレー」第76回全日本バレーボール高等学校選手権大会(来年1月4日開幕、東京体育館、サンケイス…

「ジャパネット杯 春の高校バレー」第76回全日本バレーボール高等学校選手権大会(来年1月4日開幕、東京体育館、サンケイスポーツなど主催)の注目選手を紹介する連載の第5回は女子で3冠を目指す下北沢成徳(東京)のエース、イェーモン・ミャ(2年)。元ミャンマー代表の父の血を受け継いだパワーヒッターは、春高の栄冠から将来の日本代表入りを目指す。

夏の高校総体と単独チームで出場した秋の国体を制した。伊藤崇博監督就任初年度の今季は、3月の全国私学大会準決勝で金蘭会(大阪)に敗れた以外、負けなしだ。

「(ここまでの)すべての大会が通過点。春高へ向けて向上しないといけない気持ちが強い」とイェーモン。高い身体能力から繰り出すパワフルなアタックはチームの最大の得点源だ。

チームは北沢中3年時に全国準優勝の2年生が中心。息の合ったプレーに加え、180センチ台3人を擁する大型ながら守備も堅い。チームメートに〝イエモン〟〝モンちゃん〟と呼ばれるイェーモンを伊藤監督は「チームを引っ張る力があり、難しい場面で力を発揮する、模範となる選手」と評価する。

父のマウン・ミャトゥさんは元ミャンマー代表で、1991年の東南アジア大会で選手団旗手も務めたが、当時の軍事独裁政権を批判するデモに参加するなどして監視され、逮捕直前に脱出。逃れた先の日本で出会った母国女性と結婚、一家は難民認定を受けている。

4歳上の兄、カウンゼン・マラはサッカー東京Vユース出身の190センチGK。兄妹で日本代表を目指す。「卒業後はVリーグに入りたい。成人したら日本に帰化して、日本代表を目指します」とイェーモン。まずは3冠で力を示す。(只木信昭)

■イェーモン・ミャ 2006(平成18)年12月17日生まれ、17歳。東京都江東区出身。アウトサイドヒッター。小2でバレーを始め、世田谷区立北沢中3年で全日本中学選手権準優勝。下北沢成徳高2年で高校総体、国体優勝。高校総体ベスト6。父はバレーの元ミャンマー代表。兄のカウンゼン・マラはサッカー・東京Vユースから産業能率大でGK。175センチ、63キロ、最高到達点300センチ。