「ジャパネット杯 春の高校バレー」として行われる第76回全日本バレーボール高等学校選手権大会が来年1月4日に東京体育館(…
「ジャパネット杯 春の高校バレー」として行われる第76回全日本バレーボール高等学校選手権大会が来年1月4日に東京体育館(東京都渋谷区)で開幕する。神奈川県予選の激戦を勝ち抜いて代表校として出場する男子2チームを紹介する。
橘 「目標は優勝」
2年ぶり20度目の出場となる橘は大会2日目の5日、2回戦で弘前工(青森)と開智(和歌山)の勝者と対戦する。主将の楠本瑛士(3年)は「目標は優勝」と意気込む。
とにかく元気にコートを走りまわり、試合を楽しむのが今年度のチームの特徴という。
昨年度は春高出場を逃した。「あれだけ頑張っていた先輩たちが出場できないのかとみんなが思った」と楠本。何が足りなかったのかを考え「大事なところでの勝負強さ」という点に行きついた。欠けているものを補うため、試合の流れを少しでも引き寄せようと、気持ちを前面に出すことを意識した結果だった。
その甲斐あって、昨年度の雪辱を晴らし、神奈川王者として春高の舞台に立つことになった。
正確なレシーブからのコンビバレーが持ち味だ。シーズンの深まりとともに、身長192センチの主砲、蟹井悠河(3年)も急激に成長を遂げ、攻撃の幅が広がってきたのも心強い。
精神面での成長も見逃せない。10月からは毎朝、学校内外の掃除をするようになった。部員で話し合って決めたという。楠本は「心からみんなに応援してもらえる部になりたいと思い、やることにした」と明かす。大野勝弘監督は「びっくりした。そういう(人との触れ合いの)ところを大切にしているのを感じる」と目を細める。
2回戦で対戦する可能性がある開智は、今年の全国高校総体で敗れた相手でもある。大野監督は「全員がリベンジの気持ちしかない。俄然(がぜん)、気合が入っている」と闘志を燃やす。(橋本謙太郎)
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川崎市立橘高等学校(川崎市中原区中丸子) 昭和17年に設立。普通科のほか、スポーツ科、国際科がある。部活動が活発で、アリーナやトレーニング施設など充実した設備が整っている。
東海大相模 攻撃「全国大会仕様」
4年連続7度目の出場となる東海大相模は大会初日の4日、常連校の市尼崎(兵庫)と対戦する。田路尚紀監督は「全国で勝てるチームになっている」と胸を張り、目標としてベスト8を掲げる。
チームの大黒柱は〝2人の主将〟。「チームキャプテン」の古張一輝(3年)と「ゲームキャプテン」の中野晴斗(3年)だ。
熱血漢の古張と沈着冷静な中野。バレーにかける思いから時にぶつかることもあるが、互いに理解し、補い合いながら3年生主体のチームをまとめあげる。練習や試合で弱気や緩みがどちらかに出ると、もう一方が奮い立たせてきた。
中野は「私生活も含めて、ささいなこともしっかり話し合ってきた」といい、田路監督は「2人が入学したときから、ダブルキャプテンで全国を戦うチーム構想を持ってきた」と打ち明ける。
攻撃の爆発力に定評があるが、11月の県予選決勝では第1セット序盤にミスが出て、流れに乗り切れなかった。古張は「課題が明確になった」と振り返る。大会に向けて攻守で最初の動きとなるサーブとレシーブの質を高めることを重点課題として基礎の底上げに力を入れ、自慢の攻撃力に磨きがかかった。
コンビネーションは「(練習を)やればやるほど上がっていく」(田路監督)。攻撃パターンを増やし、「全国大会仕様」に進化させた。
屈指の高さを生かし、東京体育館のセンターコートを目指す。(高木克聡)
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東海大学付属相模高等学校(相模原市南区相南) 昭和38年に設立。勉学とともにスポーツ教育にも力を入れる。全国優勝を目指す部活動も多く、野球部のほか、ラグビー部などが活躍している。