【連載企画】上村愛子さん独自の健康プログラム食事編 -食事を通してカラダとココロの栄養を補給しよう！-

忙しい毎日を生きるビジネスパーソンにとって、健康管理には何が重要で、毎日どのようなことに気をつけながら健康を維持していくことが必要なのでしょうか。今回の企画では、健康管理のメソッドを知るため、女子フリースタイルスキー・モーグル元選手で、オリンピアンの上村愛子さんからお話を伺いました。

全5回のうち第1回目の今回は「食事編」として、私たちの毎日に欠かせない食事についてお話しいただきます。

上村さんが大切にしているのは、毎日の栄養の摂り方。1日単位でバランスを整えることが難しければ、1週間単位で調整しても良いそうです。

正しくバランスよく栄養を摂取するため、上村さんは1日の始まりの朝ごはんの習慣を大切にしているのだそう。

「時間のある時にはバランスの取れた食事を丁寧に作ることもありますが、忙しいときはワンボウルで済むものにすることもあります。まずは無理せず継続して朝食をとる癖をつけることが大切です」。

また、シンプルな朝食でも、手軽にひと手間加えるだけで効果的なメニューになる、と語る上村さん。

「朝は腹持ちの良い食事内容がおすすめです。スムージーやヨーグルトなどにMCTオイルなどの良質の油を少量取り入れるだけでも腹持ちはアップします。効率よくエネルギーも消費してくれますね」。

上村さんによれば、”どんな身体を目指し、何を食べるのか”が重要なのだそう。
「運動量や消費カロリーには個人差があるのですが、自分の理想とする体重や体型を目指したい人には、自分が1日にどれだけの栄養、カロリー、糖分などを口にしているかを把握することがすごく大切です。1日や1週間単位で食べたものを記録することで、翌日、翌々日に食べるバランスを変えていくことができますね」。

　また上村さんは、”何を食べるか”は心にも影響すると話します。

「現役時代、栄養士の先生といろいろ相談して、『1週間単位で栄養を摂り切れていればOK』と決めて栄養を管理してきたことで、必要以上のプレッシャーをかけずに食事を摂れるようになりました。口にしたものの中身を理解していくと、『この栄養素を摂りすぎてしまったからこっちを減らそう、あの栄養素が全然摂れていないからこれを食べよう』と、自分で答えを出すことができるようになると思います」。
多忙で時間がない方も、上村さんのアドバイスをもとに食事内容を把握することから始めてみましょう。

多忙な日々を過ごしていると、食事をファストフードで済ませてしまう日も多いのではないでしょうか。
　「栄養が偏っている」というイメージを持たれがちなファストフードですが、少しの工夫で健康的な食事に変えることができる、と上村さんは話します。

「私も現役時代、食事をファストフードに頼ることもありました。そんなときでも、たとえばセットメニューのポテトをサラダに変える、飲み物は炭酸飲料ではなくではなく果汁100%のジュースを選ぶなど、メニューを工夫してバランスを意識してみることが重要です」

ファストフードは、忙しい生活を送る現代人の強い味方。たまに食べるのであれば罪悪感を持たず、できるだけ身体のことを考えたメニュー選びを実践してみましょう。

さまざまなメディアで“1日に飲料水を1.5リットル以上飲もう”というアドバイスを目にしますが、意識しないとなかなか難しいもの。飲料水を無理なく摂取するポイントについて、上村さんに話を伺いました。

「選手の頃は、1日2Lの水を飲むようにしていました。、現役を引退した今でもその習慣は続けていて、少し飲むのを忘れてしまうと肌の乾燥を感じたり、お腹の調子が崩れたりするなど、水分が足りていないな、身体に不具合が出ているな、という感覚があります。やはり、水は毎日一定の量を飲むように心がけていますね」

とはいえ、慣れない人にとって1日にたくさんの水を飲むのはハードルが高く感じることも。

「冷たい物や炭酸水だと口に含んだだけで気分がスッキリしてしまうので、常温の水が身体に入っていきやすく、私はおすすめですね。水って、飲み慣れると結構おいしく感じるようになるんです。飲んでいるうちに水の種類ごとに味が違うことや、体にスルスルと入っていく感覚を楽しめるようになってくるのがおもしろいんです」と上村さん。

　また、いきなりたくさんの水を飲むのは難しくても、ひと工夫で手軽に摂ることができるそうです。

「2Lのペットボトルを買って街中やオフィスでぐびぐびと飲むのは難しいと思いますし、いきなりたくさん飲むのは苦しいので、私はストローを使ってペットボトルの水を飲むのをおすすめします。普通に口をつけて飲むよりもスッと身体に入っていって飲みやすいですよ」

「私は常温のまま飲むのが好きですが、暑いときは氷を入れても良いですし、味に飽きてしまったらコンビニでも売っているレモン汁を入れて変化を楽しむのも良いと思います」

まずは自分が無理なく飲めるペースと方法を探ってみてはいかがでしょうか。

現代人に不足しがちな栄養素と言われるのがビタミン。上村さんに、ビタミンの重要性について話を伺いました。

「私は朝にビタミンを摂ることを大事にしていましたね。タンパク質がアミノ酸に変化する際にビタミンが消費されるのは有名ですが、『緊張する』ときにもビタミンが消費されるそうなんです。それを知ってから、必ず毎朝1杯飲むようにしていました」

「栄養バランスをきちんと管理していた現役時代は、風邪をひくこともほとんどありませんでした。ビタミンは意識して積極的に摂ることをおすすめします」と教えてくれました。

食事ですべてのビタミンをバランス良く摂取することが難しければ、サプリなどで補っても良いでしょう。まずは自身のビタミン摂取量を知るためにも、FiNCアプリでの食事記録を習慣化してみましょう。

上村さんとお送りしてきた本連載第１回。元オリンピアンならではの金言揃いな初回となりました。アスリートだけでなく日々を戦うビジネスパーソンにとっても、毎日の食事はココロとカラダの重要な栄養であること間違いなしです。
今回紹介した５つのノウハウは、健康状態を可視化し、健康な毎日をサポートするヘルスケアサービスFitStatsの健康プログラム『食事編』として公開中！ぜひ実践してみましょう！

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■プロフィール
上村愛子（うえむら・あいこ）。スポーツビズ所属。1979年12月9日生まれ。
兵庫県伊丹市出身、長野県北安曇郡白馬村育ち。
冬季オリンピックでは、5大会連続（1998年長野・2002年ソルトレークシティ・2006年トリノ・2010年バンクーバー・2014年ソチ）で女子モーグル日本代表として出場し、いずれも4～7位の入賞を達成する。さらに日本人では史上初めてのワールドカップ年間総合優勝も成し遂げた。2014年4月に現役引退。現在はスキーや雪との触れ合いの楽しさを伝えるため、広くメディアやイベント等で活動を行っている。