【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】 ◆血統で振り返るスプリンターズS 【Pick Up】ママコチャ:1着  好位を追走したママコチャが直線半ばで先頭に立ち、マッドクールの猛追をハナ差抑えました。重賞初勝利がGI制…

【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆血統で振り返るスプリンターズS

【Pick Up】ママコチャ:1着

 好位を追走したママコチャが直線半ばで先頭に立ち、マッドクールの猛追をハナ差抑えました。重賞初勝利がGI制覇です。

 桜花賞、ヴィクトリアマイル、阪神ジュベナイルフィリーズなど6つの重賞を勝ったソダシの全妹。双方に騎乗経験のある川田騎手は「まったく違うタイプの馬」と評しています。ただ、能力の高さは共通しており、二度目の1200m戦でGIを勝ってしまうのですから、スプリンターとしてはかなりの器といえます。

 クロフネ牝馬はスプリントレースに対する適性が抜群で、スプリンターズSは、スリープレスナイト、カレンチャンに次いで3頭目の勝利。レース当日の中山芝は、良馬場とはいえ時計の掛かるコンディションでしたが、ママコチャが属するウェイブウインドのファミリーは、ダートを苦にしないパワーが持ち味なので、これも追い風だったといえるでしょう。

 奇しくもレース当日、全姉ソダシの引退が発表されました。いま最も勢いのあるファミリーですから、姉妹ともどもいずれは母としても成功しそうです。

◆血統で振り返る凱旋門賞

【Pick Up】スルーセブンシーズ:4着

 日本馬は過去2着が最高着順(1999年エルコンドルパサー、2010年ナカヤマフェスタ、2012、13年オルフェーヴル)。スルーセブンシーズの4着はそれに次ぐ成績で、2013年のキズナと並ぶ歴代5位タイです。

 ナカヤマフェスタ、オルフェーヴルと同じくステイゴールドの直系で、この血統の凱旋門賞適性をあらためて証明しました。これまでGIを勝った経験がなかったにもかかわらず、これだけのパフォーマンスを披露したわけですから、明らかに適性面のアドバンテージがありました。今年は好天続きで勝ち時計が2分25秒50と速かったのですが、多少渋っても対応できたはずです。有馬記念に出てくるようなら楽しみです。