8月4日、「バスケットボール男子日本代表国際強化試合2023 太田大会」第2戦が行われ、男子日本代表は男子ニュージーランド代…

 8月4日、「バスケットボール男子日本代表国際強化試合2023 太田大会」第2戦が行われ、男子日本代表は男子ニュージーランド代表と対戦した。

 第1戦を79ー72と勝利した日本だったが、この試合では序盤からニュージーランドに先行を許す展開に。41ー50と9点ビハインドで迎えた後半は、アグレッシブなディフェンスから反撃を試みたものの、追いつくことはできずに75ー94で敗れた。

「第4クォーターから少しずつ自分たちのディフェンスが戻ってきたのですが、第1クォーターから第3クォーターまではディフェンスがソフトだったと思います。ニュージーランドは第1戦とは違いフィジカルに戦ってきて、そこでチーム全体として受け身になってしまいました。ニュージーランドがやってきたことを僕たちが本当はやらないといけなかったと思います」

 このように試合を振り返ったのは第2戦でスターターのポイントガードを務めたのが河村勇輝(横浜ビー・コルセアーズ)。試合開始約3分前にトム・ホーバスヘッドコーチからスターターを伝えられたという河村は、「(チームの)エナジーが足りないというのは言われていたことだったので、そのときに直接言われたわけではないですがエナジーの部分を出してほしいのかなと感じました。それと、ここ何試合か第1クォーターの入りが良くないというところで起用されたのかなとも思いました」と、先発出場の理由についてこのように語った。だからこそ、試合後は「ゲームコントロールやエナジーを持ってくることなど、期待に応えられなかったことはすごく悔しいです」とも発した。

 河村はBリーグ期間中に負った足のケガの影響で別調整をしていたこともあり、今回のニュージーランド戦が約2カ月ぶりの実戦復帰となった。出場時間は、1戦目は18分8秒で2戦目は19分45秒。2試合を通して、「シュートタッチ、特に3ポイントシュートのシュートタッチはまだまだ戻ってきてないと感じました」と、成功本数1本に終わった3ポイントシュートについて言及する。「シューティングは重点的に行ってきましたが、ゲームと練習とでのプレッシャーや感覚というのは全然違うということをよりこの2日間で感じました」と、河村。それを踏まえたうえで、「だからといって消極的になればなるほど自分のプレーは悪くなるので、強化試合を含めたゲームの中でのショットを戻していくこと。それが今後に向けて一つのいい収穫だったかなとは思っています」と、力強く語った。

 第2戦ではニュージーランドが河村に対してボールを持たせないようなディフェンスを施してきた。「2番や3番ポジションの選手にボールを運ばせて、ゲームコントロールを少しずつ変えさせていくというのが(相手の)プランだったと思います。そこでもっと僕がしっかりボールをもらいにいってゲームを作るべきだったと思うし、そこのボール運びでの時間やコールをうまくできなかった部分は、ハーフコートでのオフェンスのエクスキューション(遂行)のミスにつながったと感じます」と、河村は冷静にそこでの反省点を挙げた。

 それでも、この試合は第1戦目では4つだったターンオーバーが0(ゼロ)。「今日はアシストが3。第1戦は7だったので、そこのバランスというのはすごく難しい問題」としながら、「本当にベストシナリオはアシストが多くなった中で精度を高めてターンオーバーを減らすのがより理想的かなとは思います」とも言う。

 体も試合勘も「まだまだ」という河村。「改善点もあるし、実戦が増えれば増えるほど自分の中でやれることも増え、もっとできることもあるだろうなという感覚は強いです」と、若き司令塔は8月15日から始まる国際強化試合、そしてその先に続くワールドカップをしっかりと見据えていた。

文=田島早苗