サンティアゴに屈したドネア。引退が囁かれるなかで、父親への複雑な思いをXで明かした(C)Getty Images 百戦錬磨のベテランはまたも大一番で敗れた。去る7月29日(現地)に米ラスベガスで開催されたボクシングの世界バンタム級W…

サンティアゴに屈したドネア。引退が囁かれるなかで、父親への複雑な思いをXで明かした(C)Getty Images

 百戦錬磨のベテランはまたも大一番で敗れた。去る7月29日(現地)に米ラスベガスで開催されたボクシングの世界バンタム級WBC王座決定戦で、同級3位アレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)に0-3の判定負け(113-115×2、112-116)を喫したノニト・ドネア(フィリピン)である。

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 決して戦前の下馬評が高かったわけではない。それでも加齢によるフィジカルへの影響を露呈してしまったドネアの敗北には衝撃とともに嘆きの声が広まった。一部では「現役を続行する姿は見たくない」(米専門メディア『Boxing Scene』のクリフ・ロルド氏)とも揶揄された。

 ただ、当人にとって何よりもショッキングだったのは身内からのネガティブな意見だったようだ。現地8月1日に自身のX(旧ツイッター)を更新したドネアは「ワオ。私は自分の父がサンティアゴにKOされると予測していたことを今知ったよ。違った意味で刺さった」と投稿。関係が悪化したとされる実父がYouTubeのライブ動画で自身の惨敗を予測していた事実を嘆いた。

 かつては自身のトレーナーでもあったドネアSr.氏。恩師とも言うべき父の信じがたい言動に「これがあの人の願望だ。彼は以前に僕を倒して教訓を与えるために違うファイターをトレーニングしているとも言っていた」と困惑した様子のドネア。だが、彼はこうも続けている。

「私はこのトラウマを断ち切りたいと思っている。このプロセスが痛みを伴うものであったとしても、自分の子どもたちが、私が感じたような想いをしなくて済むようにするためにやる。父が、私に教訓を与えるために戦士を訓練しているというのを聞くのは苦痛だ。そして、父が私を指差して笑うために殴られるのも苦痛だ」

 それでも「成長と愛を施すために、私は理解のある安全な空間を保つ」と続けた40歳の名手は、「繰り返しになるが、私の子どもや、その子どもたちが、私が感じている想いを決して感じなくてすむようにする。父さん、私はあなたの幸せを願っている。あなたの心が安らぐように」とも投稿。父への複雑な胸中を記した。

 これまで幾度となく不屈の闘志を見せつけてきたドネア。はたして、今回はいかなる決断を下すだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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