第37回関東大学女子サッカーリーグ早大11-0(前半)0-0(後半)0十文字学園女子大【得点】(早大)11分:築地育(十…

第37回関東大学女子サッカーリーグ
早大1-0(前半)
0-0(後半)
十文字学園女子大
【得点】
(早大)11分:築地育
(十文字学園女子大)なし

 関東大学女子リーグは、この日後期日程がスタート。ア式蹴球部女子(ア女)は後期第1節、十文字学園女子大(十文字)戦に臨んだ。序盤からア女が主導権を握ると、11分にMF築地育(スポ3=静岡・常葉大橘)が見事なロングシュートで先制。後半に入ると、終盤こそ押し込まれたもののほとんどピンチを作らず守り切り、後期開幕戦を勝利で飾った。

 


先制点の築地。早慶戦に引き続き、抜群の得点力をこの日も発揮

 なでしこJAPANが女子W杯初戦を快勝で飾った翌日、ア女は関カレ後期開幕戦に臨むべく十文字学園サッカーグラウンドに乗り込んだ。前期対戦では痛み分けとなった十文字を相手に、序盤からア女がペースを握る。試合が動いたのは開始11分。相手の中盤でのパスをカットした築地が、そのまま左足を振り抜き見事なロングシュートで先制に成功した。「キーパーが前に出ているのも分かっていたし、立ち上がりだったのでシュートの意識もあった」(築地)と、状況判断と思い切りの良さが光る好プレーだった。続く14分、DF後藤若葉主将(スポ4=日テレ・メニーナ)の針の穴を通すようなくさびのスルーパスを、FW千葉梨々花(スポ1=東京・十文字)が体を張ってキープ。パスを受けたMF白井美羽(スポ3=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)が距離のある位置からゴールを狙ったが、惜しくも枠上に外れた。45分にもア女のチャンスシーンが。MF笠原綺乃(スポ4=横須賀シーガルズJOY)がロングボールで、FW﨑岡由真(スポ1=埼玉・浦和レッズレディースユース)へ展開。エリア内で白井が受け、落としたところにDF田頭花菜(スポ3=東京・十文字)が走りこんだが、シュートは枠を外れた。

 


ライン際の守備で体を張る夏目歩実(スポ4=宮城・聖和学園)。前期国際武道大戦(5月21日、〇3-0)でのポジションチェンジ然り、夏目の起用法は今後も有効なオプションとなりそうだ

 試合は1点リードのまま後半に突入。ハーフタイムにMF三谷和華奈(スポ4=東京・十文字)を投入し、追加点を狙う。71分には築地の右サイドへの展開から、その三谷がサイドライン際を突破。グラウンダーのクロスを白井がスルーし、中でフリーになったMF宗形みなみ(スポ2=マイナビ仙台レディースユース)が狙ったがミートせず枠左にそれた。リードを広げたいア女だったが、試合は徐々に十文字ペースに。79分には十文字の後方からロングパスが、ディフェンスラインの頭上を越えア女のゴール前へ。キーパーと1対1の冷やりとするシーンだったが、シュートは枠外へ飛び事なきを得た。83分には好位置から十文字のフリーキックとなったが、選手が密集するゴール前でがっちりとGK石田心菜(スポ3=大阪学芸)がキャッチした。結局そのままア女が1点のリードを守り切り、試合は終了。関カレ後期開幕戦をア女が白星で飾り、公式戦では5試合ぶりの勝利となった。

 


90分間集中したプレーを見せた石田。際どいハイボールもほとんどキャッチで抑えてしまうところに、石田のストロングが詰まっている

 この日の最終ラインを構成した4人は皆、ここまでセンターバックでの出場が多いメンバー。見方によれば守備的にも思える人選だが、結果として徹底したリスク管理が上手く機能した。結果だけを見ても、得点を奪えなかった前期対戦、またリードを守り切れなかった前節からの成長は、選手たちも自信にして良い部分だろう。とはいえ後藤史監督(平21教卒=宮城・常盤木学園)は「結果を出すことは大前提」としたうえで、「結果だけ追い求めるとガチガチになってしまう」と語る。前期勝利したとはいえ侮れない相手との試合が続く、ここからの2戦。結果が前提として求められるカップ戦を前に、内容にはこだわりたいところだ。「最後に笑顔で終われるリーグ戦にしたい」(夏目)。後期関カレは、ア女の逆襲で締めくくる。

(記事、写真 大幡拓登)

 


スターティングイレブン

 

早大メンバー
ポジション背番号名前学部学年前所属
GK石田心菜スポ3大阪学芸
DF夏目歩実スポ4宮城・聖和学園
MF◎後藤若葉スポ4日テレ・メニーナ
DF堀内璃子スポ4宮城・常盤木学園
DF田頭花菜スポ3東京・十文字
MF笠原綺乃スポ4横須賀シーガルズJOY
MF白井美羽スポ3ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ
MF10築地育スポ3静岡・常葉大橘
MF11宗形みなみスポ2マイナビ仙台レディースユース
FW28﨑岡由真スポ1埼玉・浦和レッズレディースユース
→HT三谷和華奈スポ4東京・十文字
FW26千葉梨々花スポ1東京・十文字
→84分13木南花菜スポ3ちふれASエルフェン埼玉マリ
◎=ゲームキャプテン
コメント

後藤史監督(平21教卒=宮城・常盤木学園)

――関カレ後期が開幕しましたが、勝利ということで良いスタートかなとおもいます。振り返っていかがですか

 中断期間に取り組んでいたこと、アタッキングサイドの最後の部分でもっとラインの裏に連動して飛び出していくような、もっと怖い攻撃をしたいというところでやってきた中で、今日は良い部分が見えたと思います。そこの積み重ねが見えたことが、まず一つ収穫だったと思います。もうひとつは守備陣が、本当に危ないシーンはまずなかったですし、チャレンジ&カバーをしっかりして守り切ってくれたことが二つめの収穫です。勝利はもちろん、内容としても収穫のある試合になったかなと思います。

――攻撃の作り方としては、右サイドではスペースを大胆に使って、左サイドでは後ろから作るという差別化がされていた印象です

 相手が引いて5バックだったのですが、意外と前半は裏が狙えるシーンが多く、それぞれのサイドの特徴を活かして攻撃できていたと思います。崎岡は裏の抜け出しも上手いですが、足元の技術がとてもありますし、田頭がゴール前まで来て惜しいシュートを狙うシーンもありました。サイドバックとウイングで回しながら、特徴を活かしつつ戦うことができたと思います。

――守備の部分は関カレ前期最終節の大東文化大戦から、良い意味で明暗分かれたのかなと思いますがいかがですか

 守備陣に関して言うと、歩美(夏目)をサイドに持ってきたのは攻撃の活性化というのも目的なのですが、サイドの守備面で貢献してくれるかな、というところがありました。田頭も久しぶりのサイドバックでしたがしっかりとプレーしてくれて、若葉、璃子(堀内璃子、スポ4=宮城・常盤木学園)を含めたこの4枚に加え、中盤の3枚がセカンドボールの回収など本当によく頑張ってくれたと思います。ディフェンス陣が弾いたところを中盤で拾ってというところができて、全員で守ることができたと思います。

――リーグ終盤に強豪校との対戦が続く中で、ここからは勝たなければいけない相手との試合が続きます。どのように戦っていきたいですか

 リーグ戦にしろ皇后杯やインカレにしろ、結果というのはずっと求める必要があって、「私たちは勝っていかなければならない」というプライドを持って試合をするという前提があります。そのことは全員が理解していると思いますし、だからこそ内容にこだわらなければいけないと思います。日々積み重ねているところを試合に出せるかというところ、今日は中断期間に積み重ねたところを試合に出せた、なら次の試合までに何を積み重ねられるか、といったところですね。その結果勝ち点もついてくる、という流れにしていくことが皇后杯予選とかにもつながってくると思います。結果を出すことは大前提になるので、そういう時に自分たちが「こうやるんだ」というものを持っていないと、結果だけ追い求めてガチガチになってしまいますし。そこを意識しながら後期は戦っていきたいです。

 

夏目歩実(スポ4=宮城・聖和学園)

――早慶戦も含めて、しばらくぶりの試合出場でした。教育実習はどのような経験になりましたか

 リフレッシュしたいという時期でもあったので、ちょうど良い時期に母校である清和学園に行くことができましたし、練習もほぼ毎日参加させてもらいました。(聖和学園は)インターハイに出場することが決まっているので、選手たちのモチベーションも技術も上がってきている中で練習試合にも混じらせてもらって、技術に関しては自分より上手い子たちだと思っているので、そういう意味では自分自身の学びの機会にもなりました。高校は1番私が成長した場所でもありましたし、恩師にも会うことができて、「シンプルにサッカー楽しいな」と感じられました。充実した教育実習になったかなと思います。もちろん早慶戦には出たかったですが(笑)。

――チームのシステムも、ご自身のポジションも前節から変更がありました。90分間を振り返って率直にいかがですか

 今週はみんなとやるのが久しぶりでもありましたし、90分のゲームも私自身久しぶりでした。多少不安はありましたが、今週の練習でサイドバックに良い感触をもっていたので、そこに関してはどんどんチャレンジしていこうというモチベーションでプレーできました。センターバックも安心しきっている2人で、前も綺乃(笠原)がいて中盤にも頼れる選手がいて、そういう環境だからこそチャレンジできたのかなと思います。

――練習の時の良い感触というのは具体的にどういった部分ですか

 守備の選手でありながら、攻撃に関わるのは好きなタイプでもありますし、教育実習期間も清和学園は細かい崩しの部分にこだわっているチームで、やっぱりそういった部分が楽しいと感じていたものを持って帰ってきました。綺乃や宗ちゃん(宗形)もそういった部分のイメージが合うので、練習でも感触は良かったのかなと思います。

――試合展開としては後半押し込まれる時間も長かったように思いますが、どのようなことを考えていましたか

 不思議と点を取られそうという感触はあまりなくて、押し込まれている中でネガティブにならなかったのが良かったのかなと思います。あとはさっきも言ったようにディフェンスラインは信頼していましたし、フォワードと中盤の選手も今日はセカンドボールが大事だということを理解して、頑張ってくれたことが、後半耐える時間の中でもチャンスを見出すことができた要因だったのかなと思います。

――十文字には前期引き分けているというところで、どのような印象を持っていたのでしょうか

 ある程度縦に速いサッカーというか、フォワードが粘り強くて上手くて、という印象がありました。前に勝負強い選手も置いていますし、最終ラインにも蹴れる選手がいるので、一つ一つ気を引き締めてプレーしようという意識でやっていた中、ほとんど危険なシーンを作らずに試合を終えることができたのは一つの成果かなと思います。

――今後に向けての意気込みをお願いします

 後期が始まってまず勝ちで終われたというところは一つ自信にしたいです。今後も勝負の部分が求められてくると思うので、4年生として、後ろの選手として守備を支えながら、得点にもこだわっていきたいです。勝ち点を積み重ねて、最後に笑顔で終われるリーグ戦にしたいので、また練習からみんなで積み上げていきたいと思います。

 

築地育(スポ3=静岡・常葉大橘)

――ナイスゴールでした。得点シーンを振り返ってください

 キーパーがクリアした後、相手のパスを拾ってすぐだったので、キーパーが前に出ているのも分かっていましたし、立ち上がりだったのでシュートの意識も強くありました。狙いにいって良かったと思います。

――前半は特に、中盤でセカンドボールを拾いまくりという感じでしたが狙っていた部分ですが

 スカウティングの時点で中盤が3枚同数になるから大事になってくるというのは言われていましたし、自分の強みの部分でもあるので高い位置で競り勝ってゴールまで行くというのは、意識できたのかなと思います。

――大東文化大戦以来の公式戦でしたが、すんなりと入れましたか

 早慶戦が間にあったのもあって、そんなに空いた感じはしなかったです。試合がない週はみんなかなり走ったので、そういう部分でも気持ちの面でもチームは強くなれていたかなと思います。

――前期は引き分けた相手に今日は勝利と、結果だけ見ても成長が見られたのかなと思いますがいかがですか

 とりあえず後期開幕で勝ち点3を取れたのは大きかったのかなと思いますが、やっぱりまだ内容自体に納得していてはダメかなと思う試合でした。後半は特に相手がやり方を変えてくるだろうということは理解した上で入った中で押し込まれましたし。前から圧をかけてくる相手に対して、自分たちはどういうプレーをするのかというところや、個人の技術、判断の部分を磨いていかないと、日本一という目標は遠いままになってしまうと感じました。

――今日の相手はどちらかといえばフィジカル寄りの、今季負けている山梨学院大や帝京平成大に近い部分もあったのかなと思います。参考になったところはありますか

 プレスが早くなったところでの判断スピード、(パスの)最善の場所を選べるのかというところは自分たちの課題でもあるので、そこははっきり見えたかなと思います。ただ山梨学院大や帝京平成大はもっと球際の強さや技術が高いレベルでやってくると思うので、今日は「良い試合だった」とはなっていますが、現状に満足せずにやっていきたいと思います。

――今後に向けて意気込みをお願いします

 自分たちは日本一を掲げてずっとやっているのでそこはぶらさずにしっかりやるというところを意識していきたいです。また自分は毎試合安定したプレーができるように、やるべきことやできることを変えず、ひとつひとつのプレーにこだわっていけたらなと思います。