7月20日に女子ワールドカップが開幕する。女子日本代表も、かつて世界一を獲得した大会に参加する。W杯での躍進に向け、必…

 7月20日に女子ワールドカップが開幕する。女子日本代表も、かつて世界一を獲得した大会に参加する。W杯での躍進に向け、必要なものは何なのか。14日のパナマ戦などからサッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。

■ようやく決まった大会放映

 7月20日に開幕する女子ワールドカップ。FIFAとの放映権交渉がなかなか進まず、日本ではワールドカップでの模様を見ることができないのかと思われたが、大会開幕のちょうど1週間前の13日になって、ようやくNHKでの放映が決まった。

 放映されるのは日本戦を中心の数試合だけのようだが、いずれにしても日本代表の戦いぶりを見ることができるようになり、しかもグループリーグ3戦目のスペイン戦は地上波での中継が実現したことで、結果的には満足すべき落ち着きどころになったと言えそうだ。

 日本戦以外が視聴できないことなど問題点はあるが、女子サッカーへの一般の関心の醸成、そして観客動員に苦しむWEリーグのてこ入れなどにつながるといいのだが……。

 そのためにも、代表チームの活躍が期待されるところである。

■最後の準備

 その、ワールドカップに出場する女子日本代表(なでしこジャパン)は、7月14日に行われた最後の準備試合でパナマを相手に5対0で大勝。翌15日にはチャーター便でニュージーランドに向かい、16日午前に大会期間中の拠点となるクライストチャーチに入った。

 クライストチャーチはニュージーランド南島中部の都市。日本の試合地は、2試合目のコスタリカ戦(ダニーデン)以外はすべて北島なので、試合前日にはクライストチャーチから空路で南島から北島に向かうことになる。

 南半球にあるニュージーランドの7月から8月は冬の寒さが最も厳しい時期。暑さの中で国内合宿を行ってきた日本代表にとって、まず最初の課題は気候への馴化ということになる。

 最後の準備試合となった14日のパナマ戦は内容的には日本の完勝だった。しかも、「得点力不足」を指摘されていたチームが大量5得点したこともポジティブな結果だった。そして、その5得点がすべて異なるパターンのゴールだったこともプラス材料だった。

 だが、対戦相手のパナマとは実力差は大きく、評価は難しい。

■本大会を見据えた戦い方

“格下”のパナマとの対戦だったが、池田太監督は「中盤でブロックを組んで手堅く試合に入った」という。このあたりは、ワールドカップ本大会を控えた時期らしい指示だ。

 グループリーグ最終のスペイン戦、そしてラウンド16以降の強豪相手の試合では1点を争う接戦の連続となるだろうし、“格下”(ザンビア、コスタリカ)との対戦でも、一発のカウンターで失点する危険はあり、慎重に戦って確実に勝点3を積み重ねることが重要になる。

 こうして、慎重な入り方をした日本はすぐにゲームをコントロールすることに成功。ボールを保持して攻撃の形を作るのだが、選手たちの意識は少し慎重すぎたようで、なかなか決定機まではいけないまま時間が過ぎていった。

 ボールは保持して、優勢に試合を進めているのだが、なかなか決定機を作れず、ズルズルと時計の針が進んでいってしまう……。こうした現象は、どんなカテゴリーのどのようなゲームでもありがちなことだ。

 しかし、日本チームは次第にパス回しのテンポを上げて圧力を強めることに成功した。「相手のミスに乗じて」ではなく、自分たちの意思で試合のテンポを上げていったあたりは評価されていい。その中心となったのが、現在の女子代表の攻撃を引っ張っている長谷川唯と今大会で「10番」を託された長野風花の2人のセントラルMFだった。

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