目標とする国内大会ベスト4進出を目指して奮闘中の、坂口佳穂(21歳/マイナビ)&藤井桜子(26歳/市進ホールディングス)ペア。本格的な夏を迎え、ツアー第3戦のジャパンビーチバレーボールツアー2017 南あわじ大会(7月1日~2日/兵庫県南あわじ市)に挑んだ。



ツアー第3戦の南あわじ大会に挑んだ坂口佳穂

 ここまでの坂口&藤井ペアは、ツアー2戦を終えて1勝4敗。いまだプール戦(グループリーグ戦)を勝ち上がれず、4強入りは果たせていない。思うような結果を出せず、もどかしい状況が続いているが、藤井は前向きにこう話していた。

「負けている中でも何かを仕掛けていこう、という考えが2人とも大きくなっている。少しずつだけど、成長できていると思う」

 予選ラウンドからのスタートとなった第3戦。柳希(28歳)&山口茜(24歳)ペアに2-0(21-10、21-19)とストレート勝ちを収めて、難なく本戦出場を決めた。

 続く本戦のプール戦、第1試合の相手は松山紘子(31歳)&坂本実優(25歳)ペア。同ペアとはツアー第1戦東京大会でも対戦していて、その際はフルセットの末、勝利を収めている。

 第1セットはシーソーゲームとなった。序盤はリードされたが、相手の軟打中心の攻撃を我慢しながら中盤に逆転した。主導権は二転三転しデュースまでもつれ込む展開のなか、要所で坂口のスパイクが決まって、最後は24-22でセットをものにした。

 第2セットに入ると、坂口の勢いが加速。「できることを100%でプレーすることが目標」という坂口が、序盤に強打を立て続けに決めていく。加えて、前回対戦時と同様、相手の松山にボールを集める戦術で敵ペアの攻撃力を削いだ。

 中盤以降は相手のミスにも助けられたが、一気にスコアを重ねて21-12と2セット目も奪取。セットカウント2-0で快勝した。

 パス、トスが正確に上がったときの、坂口のスパイクの攻撃力は高く、ときに軟打を交える余裕もあった。その活躍に坂口自身も、「相手のブロックを弾くスパイク、コースへ決めるスパイクも打つことができた」と笑顔を見せた。

 また、ブロックのタイミングもよく、チームディフェンスも機能。「(チームの)ベストパフォーマンスが出せたと思う」と藤井も満足気だった。

 ただし、坂口&藤井ペアにとって大きなヤマとなるのは、プール戦の第2試合だ。

 対戦相手は、今大会第1シードの石井美樹(27歳)&村上めぐみ(31歳)ペア。世界ランキングは国内最上位のチームで、リオデジャネイロ五輪アジア予選では日本代表でもあった。さらに、昨シーズンのワールドツアー・ロングビーチ大会(アメリカ)では5位に入った実績を持つ。

 その強豪ペア相手に、坂口&藤井ペアがどこまで迫れるか注目が集まったが、試合開始と同時に坂口&藤井ペアには試練が待っていた。村上が放つサーブが坂口を襲ったのだ。

 アジアでも評価の高い村上のサーブは、正確性とスピードがあってボールが”重い”。そんなトップレベルの強いサーブを受ける経験が少ない坂口は、エンドラインぎりぎりを狙ってくるサーブに対して、腕に当てることはできてもボールをコントロールすることはできなかった。

 その結果、サービスエースを連続して許してしまう。やっとの思いでレシーブを上げてもいい攻撃にはつなげられず、ズルズルと失点を重ねて0-6となったところで、たまらずタイムアウト。しかし、その後もディフェンスを修正することができず、さらに坂口のブロックの後ろにボールを執拗に落とされるなど、ウイークポイントをことごとく突かれて9-21で第1セットを失った。

 第2セットに入り、坂口&藤井ペアはレシーブのポジションで変化を試みるが、一向に立て直すことはできなかった。村上だけでなく、石井のサーブでも何度となくサービスエースを献上。強力ペアの前に何もさせてもらえず、8-21と再びセットを奪われてセットカウント0-2と完敗した。

 試合後、「実力差を感じさせられた」と藤井が肩を落とせば、坂口は「悔しいです。サーブキャッチができない、サイドアウトが切れないでは、第1シード相手には戦えない。これが(自分たちの)実力です」と言って唇を噛み締めた。

 だが、ふたりに落ち込んでいる暇はない。藤井が語る。

「トップとは差があるが、まずは焦らずにやっていくことが大事。本当に一歩、一歩、できることを増やしていきたい。そして、坂口の攻撃力をもっと生かすことができたら、トップレベル相手にも戦うことができると思う」

 坂口も藤井の言葉に頷いて、こう語った。

「スパイクを打つためには、その前のサーブキャッチ、パス、トスが重要になってくる。もう一度基本に戻って、その形を作っていきたい」

 強豪相手に、改めて課題が浮き彫りになった坂口&藤井ペア。それでも、「練習していることは、試合でも出せるようになってきている」(坂口)と、着実に力はついてきている。その成長の跡が結果に表れる日は確実に近づいているはずだ。

 いよいよ迎えるシーズン本番、その日が訪れることを期待したい。

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