関東大学春季大会兼招待試合となる春の早明戦は、熊本・えがお健康スタジアムにて開催された。両校の校歌がスタジアムに鳴り響…

 関東大学春季大会兼招待試合となる春の早明戦は、熊本・えがお健康スタジアムにて開催された。両校の校歌がスタジアムに鳴り響き、晴天の下で試合はスタート。試合開始9分、ゴールライン左隅へのCTB岡﨑颯馬(スポ4=長崎北陽台)のトライで早大が先制点を挙げる。しかし以降は、明大の猛攻から一気に4トライを献上し、5ー28で前半終了。迎えた後半は序盤からトライを重ね、巻き返しに出る。中盤には互角の戦いを見せたが、たちまち点差を広げられ、最終スコア24ー45で終戦。早大の第2節は、黒星で終えることになった。


先制トライを決める岡﨑

 試合序盤は両校共にノックオンを重ねてしまう。だが前半9分、フランカー栗田文介(スポ2=愛知・千種)のブレイクから左サイドでラックを形成。SH宮尾昌典(スポ3=京都成章)が抜け出し前へ進むと、こぼれ球に反応した岡﨑が隙を抜け出しFB守屋大誠(政経3=東京・早実)にボールをつなぐ。守屋が外側に押し出される寸前、再びアシストした岡﨑がそのままインゴール左隅に滑り込み、先制に成功した。しかし、19分、23分とディフェンスラインの綻びから明大にトライを奪われる。ショートサイドを攻め入るなどと幾度も好機を生み出したものの、パスやフィニッシュに精彩を欠き、大きくリードを広げられてしまう。粘り強く食らいついたが4連続失点となり、5ー28で試合を折り返した。

 後半の滑り出しは、早大が優勢となった。後半5分、敵陣22メートル内でスクラムを獲得。FWを中心に右、左と順にフェーズを重ね、最後はCTB岡本大輝(スポ4=東京・本郷)が相手をかわすと、左腕を伸ばしてトライを奪い返す。直後には明大FWの猛進から得点されるが、続く18分、敵陣深い位置でのマイボールスクラムからNO・8村田陣悟(スポ4=京都成章)が一気にゴールライン手前へ。2度目の攻撃でFW陣が押し込み、追加点を挙げた。試合中盤は拮抗(きっこう)した展開が続いたものの、30分、再び早大にチャンスが到来。ハーフライン付近でSO伊藤大祐主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)のハイパントキャッチから、岡﨑、村田へと細かくオフロードパスを繋ぎ、最後はWTB磯崎錬太郎(商4=徳島・城東)がインゴールを駆け抜けた。一時は24ー33と点差を縮めたが、以降は激しい攻防から苦戦を強いられる。最後まで攻勢を保つものの、なかなか得点に結ぶことができない。終盤にはスピードあるアタックで隙を破られ、失点。明大の追加得点を最後に試合は終了し、24ー45で悔しい敗戦となった。


果敢に攻める細矢聖樹(スポ3=国学院栃木)。前に出るプレーで好機演出に貢献した

 「BKにイージーなミスが多かった」(伊藤主将)、「(トライを)取り切る部分での精度を上げていかなければならない」(宮尾)とBK陣が振り返るように、勝負どころでの細かいミスから得点機をものにできなかったことが敗因となってしまった。しかし、接点の攻防でも臆することなくタテに攻め込み、個々の練習成果が随所で発揮されたことや、宿敵との対戦で課題を見つけられたことは大きな収穫。「やるべきことをもう一度見直して、さらにレベルアップしていく」(大田尾竜彦監督、平16人卒=佐賀工)。多くの選手が口にした「修正力」の課題をクリアにし、後半戦に向け、チーム伊藤はより一層結束を高めていく。

(記事 谷口花、写真 川上璃々)

コメント

大田尾竜彦監督(平16人卒=佐賀工)

――試合を振り返っていかがでしたか

 このような素晴らしい会場で、明治さんと試合ができたことは、非常に良い経験となりました。内容については、今力を入れていることを選手たちはきちんとやろうとしてくれたと思いますし、課題ももちろんありましたが、収穫もあっていい試合になったかなと思います。

―― ゲームテーマを教えてください

 この試合のゲームテーマは、僕から与えてないというか、掲げていません。選手各々が決めたことをやり遂げればいいと思い、あえて僕からは伝えていません。

――具体的に課題はどんな点にありましたか

 試合中に何回も同じようなミスをしたり、(随所で)同じようなシチュエーションがあったりしました。そこに対しての修正力が足りなかったと思いますし、ブレイクダウンの部分でも、少し意識を変えるだけでよりいいものになると思うので、そこが課題かなと思います。

――後半、初赤黒デビューの選手がたくさん出場したと思いますが、プレーを見ていかがでしたか

 (関東大学)春季大会は選手がどれだけやれるかというのを見極める機会にもなるので、そういった意味では、準備した選手たちが自分のプレーをできていたのかというのを、後から振り返りたいと思います。

――昨季以来の明大との対戦でしたが、体を当てる部分など予想との違いはありましたか

 やはり数字を見ないと正直分からない部分はありますが、体を当てるコリジョンの部分や、スクラムの部分で行かれたなという感覚はあまりないです。明治さんの方が一個一個のプレーに対するしつこさがあったと思います。自分たちはケガしていたメンバーも戻ってきたりして、チーム力も上がってきているので、やるべきことをもう一度見直して、さらにレベルアップしたいなと思います。

――セットプレーを振り返って、具体的に課題点などはありますか

 左に逃げていくスクラムに対して、今季2試合目の下村(プロップ下村勇貴、文3=東京・早実)はいい経験ができたと思います。前半は同じやられ方がずっと続いていたので、それは経験値として彼らの中に刻まれたのではないかなと思います。また、後半は亀山(プロップ亀山昇太郎、スポ3=茨城・茗溪学園)が入り、非常に安定しましたので、あんまり心配はいらなかったです。ですが、恐らく明治さんのハンドリングエラーが多かった中で、チャンスの機会をなかなか生かせなかったなと思います。

――監督は九州出身ですが、九州で今大会が開催され、負けてしまったという点に関していかがですか

 なかなか九州の子供たちと触れ合う機会や、子供たち自身が都心の試合をみる機会は少ないと思います。地方の子供たちが大学生のプレーを見てラグビーが広がっていくというのが大学ラグビーの醍醐味でもありますので、赤黒ジャージーを着る者たちの責任は大きいと思います。また、昨日、今日と熊本県協会の方々や関係者各位様のホスピタリティというか、この試合をいいものにしようという思いが伝わってきて、非常に感謝しています。

SO伊藤大祐主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)

――試合の総括をお願いします

 やっぱり負けたことが悔しいです。次はもっと自分たちでやることを明確にしてプレーしなければいけないなと思います。

――ご自身のプレーを振り返っていかがですか

 僕自身、今回は一貫性がありませんでした。相手が強いとか関係なく、ミスした部分があったので、もう少し僕自身にベクトルを向けて春の1試合1試合に向けて練習をたくさんして頑張りたいと思います。

――キックについてはいかがですか

 フィールドに関しては何点かいいシーンもあったり、悪いシーンもあったりして。僕はコンバージョンキックを2本外したので、僕が一本決めてもう少し勢いをつけれたら、みんなの状況も少しは良くなったかなと思います。なので、僕の責任は大きいです。

――セットプレーに関していかがでしたか

 FWは本当によくやってくれてるなという感覚です。BKにイージーなミスが多かったので、それが主な敗因ではないですかね。ミスをしてはいけないプレーでミスをしてしまったというのが今試合印象に残っています。

――九州出身の伊藤選手ですが、九州で開催されたことに関していかがですか

 僕たちのためだけというわけではないですが、知らないところでたくさんの人々が動いてくださって本当に感謝しています。小さな子供たちに少しでもラグビーを見てもらえて良かったです。

フランカー永嶋仁副将(社4=東福岡))

―― 今日のプレーを振り返っていかがでしたか

 『ゲインラインバトル』を目標にしていたのですが、アタックのところで2人目の寄りであったり、インパクトの部分で明治に負けていたなと思います。

――セットプレーに関して、具体的にどこが課題ですか

 試合最初からモールもスクラムも相手のいいようにされてしまいました。それを80分間を通して修正することができなかったです。試合中に自分たちで修正する力をつけられなかったことが課題です。

――明大FWは対戦してみていかがでしたか

 体も大きくてスピードもある選手が揃っていました。早稲田のディフェンスも全然負けてはいなかったのですが、FWの部分で負けてしまったことが、試合の敗因かなと思います。

――次回に向けて意気込みをお願いします

 セットプレーの精度であったり、試合中に修正する力を改善していけるようにしたいと思います。

SH宮尾昌典(スポ3=京都成章)

――今日の自身のプレーを振り返っていかがですか

 表のプレーか裏のプレーかという判断の部分で、思うようなプレーができていなかったなと思います。

――セットプレーはいかがでしたか

 前の試合よりもスクラムは安定していなかったのですが、僕自身のスクラムからのセットプレーアタックの考え方は前の試合よりも整理することができていたので、悪くなかったかなと思います。

――明治大学と対戦してみていかがでしたか

 (明大は)非常にまとまっていて、実際試合をしていてもディフェンスを含め、勢いのあるチームだと思いました。これから次の早明戦に向けて、今日気づくことができたダメなところや良かったところを次に生かしていきます。

――次戦に向けた課題を挙げてください

 FWは毎試合ごとに成長してきていると思いますが、BKは外の部分のアタックであったり、取り切る部分での精度をもう少し上げていこうというのはあります。

CTB岡本大輝(スポ4=東京・本郷)

――ご自身のプレーを振り返っていかがでしたか

 前半はBKのアタックのところでミスが多く、自分のプレーでもミスをしてしまい、トライを取られてしまいました。その点については、かなり反省しなければいけないと思います。後半は、シンプルにしっかり縦に攻めるプレーができたかなと思うので、そこはうまく切り替えができたと思います。

―― ご自身のトライシーンを振り返っていかがでしょうか

 前半も同じようなシーンがあって、大祐(伊藤)からのパスをノックオンしてしまったので、次はしっかり取り切ろうという思いがありました。縦に真っ直ぐ相手をずらしていければトライが取れると思っていたので、そこは思い切っていって良かったです。

――今回のチーム全体の収穫点をお願いします

 修正力が低いということに気づけたことが収穫点かなと思います。特に前半、ずっと同じことをやられ続けていた中で、そこの修正能力が足りなかったと感じました。

――次戦の東洋戦に向けて意気込みをお願いします

 今日の試合は前半の結果が全てでした。今回は前半に結構点を離されてしまったので、『WASEDA FIRST』というテーマもありますが、次戦は前半しっかり出し切っていい流れを試合の80分間通してもっていけるようにしたいです。

 

関東大学春季大会
早大スコア明大
前半後半得点前半後半
192817
24合計45
【得点】▽トライ 岡﨑、岡本、栗田、磯崎▽ゴール 伊藤(2G)
※得点者は早大のみ記載
明大戦早大メンバー
背番号名前学部学年出身校
門脇 浩志スポ3神奈川・桐蔭学園
後半28分交代→17山口
佐藤 健次スポ3神奈川・桐蔭学園
後半31分交代→16安恒
下村 勇貴文3東京・早実
後半0分交代→18亀山
細川 大斗社4東京・早実
後半41分交代→19若松
池本 大喜文構4東京・早実
栗田 文介スポ2愛知・千種
後半31分交代→24鈴木
永嶋 仁社4東福岡
後半17分交代→20田中
村田 陣悟スポ4京都成章
宮尾 昌典スポ3京都成章
後半27分交代→21島本
10◎伊藤 大祐スポ4神奈川・桐蔭学園
後半39分交代→22慶山
11磯崎 錬太郎商4徳島・城東
12岡本 大輝スポ4東京・本郷
後半39分交代→25仲山
13岡﨑 颯馬スポ4長崎北陽台
後半39分交代→23金子
14細矢 聖樹スポ3国学院栃木
後半18分交代→26矢崎
15守屋 大誠政経3東京・早実
リザーブ
16安恒 直人スポ3福岡
17山口 湧太郎スポ2神奈川・桐蔭学園
18亀山 昇太郎スポ3茨城・茗渓学園
19若松 泰佑文構3東京・早実
20田中 勇成教2東京・早実
21鈴木 風詩社3国学院栃木
22島本 陽太スポ4神奈川・桐蔭学園
23京山 秀勇人4福岡・東筑
24仲山 倫平法2ニュージーランド・ウェリントン・カレッジ
25金子 礼人法2福岡・西南学院
26矢崎由高スポ1神奈川・桐蔭学園
※◎はゲームキャプテン、監督は大田尾竜彦監督(平16人卒)
関東大学春季大会Aグループ星取表
 帝京大明大早大東海大東洋大流通経大
帝京大6/3 13:00静岡・エコパ6/25 13:00埼玉・熊谷6/18 13:00東海大G○92-14<p14T11G5/14 13:00帝京大G
明大6/3 13:00静岡・エコパ○45-247T5G5/28 13:00山梨・JITス6/25 13:00明大G○58-1210T4G
早大6/25 13:00埼玉・熊谷●24-454T2G○33ー195T4G5/21 13:00早大G6/11 13:00早大G
東海大6/18 13:00神奈川・小田原5/28 13:00山梨・JITス●19ー333T2G5/14 13:00東洋大G○40-216T5G
東洋大●14-922T0G6/25 13:00明大G5/21 13:00早大G5/14 13:00東洋大G6/18 13:00東洋大G
流通経大5/14 13:00帝京G●12-582T1G6/11 13:00早大G●21-403T3G6/18 13:00東洋大G

※帝京大Gは帝京大百草園グラウンド、静岡・エコパは静岡県エコパスタジアム、熊本・えがおSは熊本県えがお健康スタジアム、山梨・JITスは山梨県JITリサイクルインクスタジアム、早大Gは早大上井草グラウンド、神奈川・小田原は神奈川県小田原市城山陸上競技場、東洋大Gは東洋大川越ラグビーグラウンド、流通経大Gは流通経大第一ラグビー場、埼玉・熊谷は埼玉県・熊谷ラグビー場