第1回に登場するのは、マネジャーの2人。石井むつみ主務(文4=埼玉・浦和一女)と小林慎太郎(基理2=東京・早大学院)だ…

 第1回に登場するのは、マネジャーの2人。石井むつみ主務(文4=埼玉・浦和一女)と小林慎太郎(基理2=東京・早大学院)だ。マネジャーの日常的な活動や早慶レガッタ開催に懸ける思いなど、さまざまな話を伺った。

お互いの印象

学年が違う二人だが、リラックスした雰囲気で対談は行われた(左から小林慎、石井主務)

――それぞれ自己紹介をお願いします

小林慎 基幹理工学部新2年、マネジャーをしております小林慎太郎と申します。お願いします。

石井 文学部の新4年生で主務を務めています、石井むつみです。お願いします。

――次にお互いについてお聞きしたいのですが、普段はどういう人ですか

石井 結構、女子と話すのが苦手な感じで大人しい感じに見えるんですけど、インカレのエイトを見ている時にすごく熱く、実況しながらじゃないけど、早大に「もっと頑張れ」みたいな応援しているのを見て、すごい熱い子だと思いました。それもあって早慶戦で大きい役を任せているのですが、そういう漕艇部への熱意みたいな、内に秘めてる熱いところが私はいいなと思っています。

小林慎 日頃から仕事のこなし方がすごいなと思っています。マネジャーの中で一番リーダーとして、自分であれもこれもやってみたいな感じになっちゃう人もいますが、(石井主務は)みんなに仕事を適切な割り振り方をして、みんなで頑張るというようなことをうまくやってくれています。自分としても仕事を割り振られて、自分の能力が出せるように仕事を割り振ってくれるので、助かるなと思います。

石井 良かった。なんか強要してるみたいですけどそうじゃないです(笑)。そういうところも意識しながらやっている部分ではあります。結構自分一人で抱えちゃうというか、後輩忙しいだろうなとか思いつつ仕事を振るのはなかなか難しいですが、マネジャーも後輩が積極的に「あれやりたいです」、「これやります」と言ってくれる子たちが多いので、じゃあ「ぜひやってよ」みたいな感じですごく頼りがいがあるので、任せられている部分もあるかなと思います。

――お二人が入部した経緯や、マネジャーとして活動するに至った経緯を教えてください

石井 私から言おうか。

小林慎 はい。

石井 私は高校生のときはボート部で、選手として活動していました。大学に入ってからはもうボートはやめようと思っていて、正直早スポに入ろうと思っていた時もありました。スポーツを見ることが好きで、文学部でもあるから記事を書くとかもいいなと思っていましたが、ちょうどコロナで私たちの代は新歓とかも全然なくて、サークルに参加する体験ができませんでした。体育会は活動を許してもらえるところもあったので、今からもできるし、顧問の先生が早大の出身だったということもあり、交流があってその時の印象というか、大学の漕艇部の雰囲気を感じていてすごくいいなとは思っていました。大学でボートに一度入りましたが、ちょっと漕手は無理だなと感じ、マネジャーとして今度は支えるポジションというか、早慶戦の準備やモーターボートの運転など、自分が高校生のときに思い描いていたビデオを撮ったりドリンクを作ったりだけじゃない、いろんな可能性を秘めているポジションだったので次はマネジャーで頑張ろうかなと思って入りました。

小林慎 僕は(早大)学院出身でボートをやっていて、高校3年間も土日は戸田に来て練習していて、身近に漕艇部、大学漕艇部の存在がありました。高3の時に大学生で何やろうかなと思った時に、サークルはあんまり向いてないなと思って、ボートを続けようかなと思いました。その時に学院の先輩でマネジャーをやっている人も何人かいたし、普通のマネジャーじゃなくて早慶戦でいろいろ運営に携わることができると聞いて、ボート部が身近な存在にあったから、ここでしかできない経験だなと思って入ることにしました。

――お二人とも競技経験がありますが、競技経験が今生きていることはありますか

小林慎 選手の辛さが分かる、あとは単純に、見てておもしろいです。

石井 競技経験が生きているところ…。マネジャーはボートの楽しさを広めるじゃないですが、知らない人に伝える役割もあるかなと思うので、その上でボートの面白さとか、選手がどこが大変でどんな練習をしているんだよみたいなことを、分かりやすく伝えることにも役立っているのかなと思います。

「来年のことの方が心配です(笑)」(小林慎)


考えながら話す小林慎

――普段マネジャーとしてどのような仕事をされていますか

石井 私は主に会計の仕事をやっています。この部活はいろいろなOBの方々や大学からの補助をいただいています。毎日収支を作ったり、1年に1回の総会でこういう用途でお金を使わせていただきましたという書類を作ったりしています。日々お金の動きを管理しているのが一番大きいかなと思います。あとは自分が何か新しいことに取り組むというよりかは、後輩たちにどんどんやってもらうという感じで、進捗確認が多いかなと思います。

小林慎 僕は食事を主に担当しています。朝食と夕食が選手に提供されるのですが、メニューから週に3回くらい買い出しをして、そのメモを作ったり、献立を出したりとかそういうことを主にやっています。他にはマネジャーはみんなそうですが、午前にコースでビデオを撮ったり、土日で川に行くときはモーターを運転したり、モーターに乗ってビデオを撮ったり、そういうことをやっています。

――早慶戦ではどのような仕事を担当されていますか

石井 幹事校と非幹事校というのがあって、今年は慶應が幹事校で主導する方なので、私はその慶大の新3年生の子に昨年私がやっていた業務を引き継いで、その子に動いてもらうというような仕事をしています。具体的に何をやっているかというと、テントを張ったり、当日の備品を発注したり、船を戸田から隅田川まで持っていくので、その運搬のスケジュールを立てて運送会社さんと打ち合わせしたり、ということをやっています。1つ欠けると早慶戦が成り立たない、重大任務を今やってもらっているという感じです。それを補佐しつつ、全体を見つつという感じです。

小林慎 僕は慶應の主務の人の下について、総務という仕事をやっています。まずは、区役所の方に挨拶したり、消防署や警察署にも挨拶をしたりしました。隅田川のコースは、4つぐらいの区をまたいでいるので、区役所などへ協力申請や助成金の申請みたいなことをやっています。

石井 私たちは他のマネジャーと比べて、幹部ポジションみたいなところにつかせてもらっています。総務と施設は 隅田川は普段競技ボートが漕ぐようなコースではなくて、ただの川なので、まずはそこを使わせてくださいというお願いをまたいでいる区の方たちにしています。その安全確保のために消防や警察も呼び、なんとか今年もやらせてくださいとお願いしに行って、会場をまず整えるというのが一番の仕事かなというのは思っています。慎太郎(小林)は今新2年生で、本当は新3年生はこの役をやる必要がありましたが、部の関係があってやってもらっています。主務になる人がやるような仕事を見習いで今動いていて、気が早いけど来年はトップで頑張ってね。

小林慎 来年のことの方が心配です(笑)。

石井 来年は幹事校が早大になり、しかも上がいないので。うちの3年生、1つ下の代が一人留学に行っているのと、もう一人は学連という戸田の大会を運営するスタッフみたいな役職の理事長になっているので、人が足りなくて下の代にお願いしています。かなり大変なんですが、私は彼は漕艇部と早慶戦への熱意を持っていると思って、この子ならやってくれるだろうっていう風に、同期みんなと今留学行っている子と考えて、やってもらったという経緯があるので大丈夫だと思います。

――早慶戦に向けての準備はいつごろから始められましたか

小林慎 昨年の9月が一番最初です。

石井 そうだね、インカレで先輩が引退したと思ったらすぐに準備というか、OBの方と話し合いが始まって、そこから日程調整したり、資金を集めたりし始めました。うちは会場がなく観客からチケットを取らないので、地元の企業や戸田のお店の方にお金をいただいてパンフレットを作り、広告収入を得ています。その準備を半年くらいかけてやっています。

――早慶戦の準備をするうえで、最も苦労したことは何ですか

小林慎 区役所に申請することはもちろんやったことないので、ちょっと違うだけでもすぐ修正になってしまい、その度に修正して、ミスをすると助成金が取れなくなってしまういうので、ミスをしないようにっていうのが一番です。

石井 慶大の子にやってもらっているので、私は直接何かをやってるという感じはないですが、一番はやっぱり慶大との連携です。慶大のマネジャーや大人との連携がすごく大変だなと思っています。隣に慶大の艇庫があるのですぐ行けますが、組織のつくりが全然違っていて、こっちは今忙しいけど向こうは大丈夫、その逆もしかりなので、そこをうまくやりながら進めていかないとねとお互い言いながらやっています。

――マネジャーをやっていて達成感を感じるのはどういう時ですか

石井 昨年の早慶戦はすごく達成感を感じました。幹事校として会場設定など1つ途切れたら、私のせいでレースができなくなる、6カ月近くマネジャーが頑張ってきたのを台無しにしてしまう、選手も入部のきっかけは早慶戦で漕ぐことという子たちもたくさんいて、その子たちの夢を壊してしまうことになるので、すごくプレッシャーに感じて毎日やっていました。それをちゃんと最後までやりきって、誰もけがなく無事にレースを終えて最終的に早稲田が対校で勝ってくれたので、それはすごくうれしかったし、やってて良かったなと思いました。

小林慎 今年早慶戦が終わってみて、どう感じるかっていう感じなんですけど、勝ってくれることが一番です。

今年の早慶戦の見どころ

笑顔で話す石井

――今年久しぶりに有観客開催となりますが、そこに関してはいかがですか

石井 新歓で早慶レガッタツアーなどがあると思いますが、私が1年生の時は早慶レガッタが中止になり、その次の年は無観客開催、規模縮小でその次もそんなに呼べないという状況でした。やっと今年有観客をうたうことができて、「みんなで来ていいよ」、「応援しに来て」と呼べるのはすごくうれしいなと思います。私がギリギリ4年生の代で、そこまで到達というか戻すことができてうれしいなと思うと同時に、有観客になると全く分からないことも出てくるので、観客席はどうなのか、来賓の方はどうやって呼ぶんだろうというそこからになります。古い資料をあさりながら、先輩に連絡して教えてもらったりしています。今は楽しみっていう気持ちもありますが、果たして早慶レガッタ今年できるかなっていうのが、この後2週間くらいしかないですが、ちょっと不安に思いつつ焦りながら頑張らないとなという思いでいます。

小林慎 僕が最初に早慶レガッタを見たのが高1の時で、それが最後の有観客なのですが、そこから高2の時も中止になって無観客の試合をよく見てきたので、やっと自分が初めて見た早慶戦に戻ると思うとすごくうれしいです。早慶レガッタで一番盛り上がるのは対校のゴール付近の桜橋のところなので、そこが今年も盛り上がっているのをよく見られればいいなと思います。見られるか分からないですけど(笑)。

石井 私たちも裏方仕事があるから、一番のゴール見られないとかあるからね(笑)。

小林慎 そうですね、見られるか分からないですけど、そうなってくれればいいなと思います。

石井 満席になるといいね。

――今年特に力を入れていることや例年とは違うことなど、準備段階でアピールしたいことはありますか

石井 2つあります。1つが昨年もやっていましたが、タイアップ企画というので浅草の地元のお店と協力して取り組んでいることで、早慶レガッタのチラシを持って行ったら、半額になる、割引してもらえるというキャンペーンです。本当にゼロからお店の方にそういう企画やりたいんですけど、協力してもらえませんかという風に呼びかけて今やっているところです。それによって、浅草の街も今までは結構早慶レガッタを「あ、やってたんだ」みたいな感じで終わっちゃうことが多かったんですけど、周りにせっかく浅草のたくさんの人がいる中でやるので、伝統ある大会で私たちは使わせてもらっているのでそれを恩返しできるように、何か街を盛り上げられないかなという思いで始まった企画なのでそこはアピールできるかなと思います。もう1つは今、うるおい広場というところで応援部や、早慶でクラブをもっているキッズチアを呼んで、パフォーマンスをして盛り上げる、そしてそれを早慶レガッタにつなげるようなことを企画しています。それもさっき言ったように街を盛り上げながら人を呼ぶというか、ぜひとも楽しんでもらえればなというので今頑張っている企画です。競技面で言うと、女子は、一昨年がエイトで昨年がクォドルプルという種目でしたが、今年は舵手つきフォアという今までにやったことがない種目を隅田川でやるのですごく楽しみだなと思います。男子の対校エイトと第二エイトのメンバーも、昨年と一昨年は1つ上の代が強かったのでずっとそのメンバーが乗っていたのですが、そこが一気に抜けたので隅田川の対校を経験しているのが2人ぐらいしかいないです。隅田川を経験しているのは何人かいますが、そういうのもあって慶大も同じ状況で、私にとってフレッシュな顔ぶれがそろうので本当にどうなるかマネジャーとしても分からないなと感じています。両者の実力が分からないので、そこは私たちも楽しみです。詳しくは選手に聞いてください(笑)。

――注目選手はいますか

石井 一緒に住んでるからこそ(小林慎を指名する動き)。

小林慎 対校だと小山知起(創理2=東京・早実)です。彼はまだ新2年生ですがもともと野球をやっていて、(ボート競技を)始めて1年ぐらいで対校に上がりました。パワーが桁違いにあるので、それを隅田川で発揮してほしいなと思います。

石井 結構すごいよね。未経験でそこまで上がるのはすごいと思うし、日々の向き合い方、競技との向き合い方も私はすごいなと思っています。自分で自炊してちゃんと栄養管理してるし、理系で忙しい中勉強と両立しながらここまで来てるので、頑張ってるね。イチオシです(笑)。

――最後に早慶戦への意気込みをお願いします

石井 意気込みか…。

小林慎 無事に大会を終えられるように、残り数週間しかないですが自分の与えられた仕事をしっかりやりきって、最後は選手をしっかりサポートできるように頑張りたいと思います。

石井 残りほんとに少しですが、まだできるかどうかも私の中では怪しい状況で、ちょっと大変です。後輩や同期のマネジャーは半年間夜遅くまで残って、頑張ってきて作り上げてきたし、選手もこれに懸ける思いはすごく大きいと思うのでその人たちの思いを最後に笑って実現というか、終われるように頑張っていきたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 齋藤汰朗、堀内まさみ、横松さくら)


色紙に思いや意気込みを書いていただきました

◆石井むつみ(いしい・むつみ)(※写真右)

 埼玉・浦和一女高出身。文学部4年。マネジャーそれぞれに仕事を割り振り、全体を統括する石井主務。「桜橋で最高の笑顔を」咲かせるために、全力を尽くします!

◆小林慎太郎(こばやし・しんたろう)

 東京・早大学院高出身。基幹理工学部2年。早慶レガッタの運営面では、2年生ながら大役を任されている小林慎マネジャー。「なんやかんや耐える」の精神で、必ず成功へと導きます!