3月18日に開幕する第95回記念選抜高校野球大会(センバツ)。出場する36校のなかには、どんな有望選手がいるのか。投手…
3月18日に開幕する第95回記念選抜高校野球大会(センバツ)。出場する36校のなかには、どんな有望選手がいるのか。投手編・打者編に分けて10選手ずつピックアップした。まず投手編では今秋ドラフト会議で上位指名が確実視される逸材から、ひと冬越えての成長に期待したい素材型まで一気に紹介しよう。
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大会ナンバーワン投手の呼び声高い大阪桐蔭のエース・前田悠伍
前田悠伍(大阪桐蔭/180センチ・80キロ/左投左打)
2023年高校生投手の目玉的な存在。1年秋から名門・大阪桐蔭の実質的なエース格に君臨し、昨春センバツの優勝を経験した。球速は常時140キロ前後と圧倒的なものはないが、重力に逆らうような球質でホームベース付近でも球威がある。カーブ、スライダー、チェンジアップ、ツーシームと変化球の精度も高く、コントロールやマウンド度胸も十分。高校生左腕としての実戦力の高さは、史上最強といっても過言ではない。昨夏の甲子園では準々決勝の下関国際戦でリリーフ登板したものの、9回に逆転を許した。高校最終学年で一回りスケールアップした姿を見せられれば、今秋のドラフト重複1位指名必至の存在になるだろう。

投手経験は浅いが、昨年秋に151キロをマークした専大松戸の平野大地
平野大地(専大松戸/181センチ・84キロ/右投右打)
左投手の目玉が前田なら、右投手の目玉はこの投手。昨夏の千葉大会で2年生ながら最速150キロをマークし、一躍全国区にのし上がった。竜ヶ崎リトルで1学年上の赤羽蓮(霞ヶ浦→ソフトバンク育成1位)とバッテリーを組むなど、中学までは捕手としてプレー。投手歴は浅いものの、リリースの瞬間にエネルギーを集約する能力に優れる。昨秋は肋骨を痛めて本調子にはほど遠かったが、100キロ前後のカーブやタテに落ちるスライダーを駆使して関東準優勝に貢献した。万全な状態で迎えられれば自己最速の151キロの更新、さらにセンバツ史上最速となる153キロの更新も見えてくる。

昨年夏の甲子園で日本一の原動力となった仙台育英の高橋煌稀
高橋煌稀(仙台育英/183センチ・85キロ/右投右打)
総合力が高く安定感のある右腕。東北勢初の全国制覇を成し遂げた昨夏の甲子園では4試合に登板し、防御率0.75とチームに大きく貢献した。昨秋もエース格として公式戦33回2/3を投げ、防御率1.34を記録。左ヒザを胸まで上げるダイナミックな始動から、常時140キロ前後の速球は伸びがある。制球力の高さは超高校級で、スライダー、カーブ、フォークなどの変化球も交えて投球に破綻がない。ひと冬越えて本格派投手としての凄味が出てくれば、プロも視界に入ってくる。同じく右腕の湯田統真も昨夏の甲子園を経験した本格派だ。

高橋煌稀とともに仙台育英の投手陣を支える最速147キロ左腕の仁田陽翔
仁田陽翔(仙台育英/175センチ・74キロ/左投左打)
殻を破ってほしい有望サウスポー。指にかかったストレートは爆発力があり、一目でプロの素材とわかる。タテに鋭く落ちるスライダーは空振りが奪えて、大学チームとの練習試合では9者連続を含む17奪三振をマークしたこともある。ただし、昨秋までは好不調の波が激しく、不安定な面が目立った。指にかかったボールをコンスタントに投げられるようになれば、難攻不落の投手になれるはずだ。岩手・大船渡一中出身で、佐々木朗希(ロッテ)の後輩にあたる。同じく左腕の田中優飛はゲームメイク能力が高く、豪華投手陣のなかで今春の甲子園デビューを果たせるか。

長身から投げ下ろすストレートが魅力の東北のエース・ハップス大起
ハッブス大起(東北/188センチ・85キロ/右投右打)
豊かな可能性が眠る大型右腕。アメリカ人の父を持ち、いかにも強力な馬力がありそうな恵まれた肉体を誇る。長身だがスリークオーターの角度から右腕を振り、両コーナーに投げ分ける速球で詰まらせる。昨秋の宮城大会決勝では8割の力感で腕を振る術を覚え、6回無失点の好投で仙台育英に土をつけた。昨秋時点で最速145キロのスピードはまだまだ増速気配がある。東北は仙台育英と同様に継投戦略をとっており、身長184センチの本格派右腕・根岸聖也も潜在能力が高い。

最速149キロを誇る東邦のエース・宮國凌空
宮國凌空(東邦/177センチ・80キロ/右投右打)
沖縄から激戦区・愛知に越境入学して揉まれる速球派右腕。軸足で立ってから左ヒザを深く折って体重移動する投球フォーム。自己最速は149キロだが、大阪桐蔭と対戦した昨秋の明治神宮大会では140キロ台前半に留まり、5回6失点と打ち込まれた。スカウト陣の印象を変えるためにも、今春のセンバツは立ち上がりからインパクトを残したいところだ。元・中日の山北茂利さんを父に持つ山北一颯は控え投手ながら、189センチの長身右腕。同じく140キロ台中盤に達する岡本昇磨とともに、救援陣の層が厚い。

安定感のあるピッチングが光る報徳学園の盛田智矢
盛田智矢(報徳学園/187センチ・82キロ/右投右打)
大器のムードが漂う大型右腕。身長187センチの長身ながらバランスのいい投球フォームで、指にかかったストレートは球速以上の体感スピードがある。一度浮き上がってから曲がり落ちるカーブは、強烈な腕の振りも目くらましになって打者のタイミングを巧みに外す。今後も野球人生を支える相棒になるだろう。大阪桐蔭と大接戦を繰り広げた昨秋の近畿大会決勝では、2番手で3回1/3を投げ無失点と粘投。ひと冬越えてボールに球威が出てくれば、注目度はおのずと増すはずだ。

昨秋はエース、4番、主将として、チームを北信越大会制覇に導いた北陸の友廣陸
友廣陸(北陸/185センチ・78キロ/右投右打)
近い将来に別人のように大化けしても不思議ではない素材型右腕。昨秋時点で常時130キロ台と突出した球速はないものの、キャッチボールを1球見ただけでただ者ではないと察知できる素材感が最大の魅力。まだ線が細く、自身の肉体を制御できていない感があるものの、指にかかったストレートには加速感がある。変化量の大きなカーブ、タテに落ちるフォークを生かし、いずれは武田翔太(ソフトバンク)のような投手に育ってもらいたい大型右腕だ。昨秋はエース・4番・主将の大黒柱として、北信越大会制覇に導いた。

精度の高いスライダーを武器にチームを初のセンバツへと導いた光のエース・升田早人
升田早人(光/181センチ・74キロ/右投右打)
スリムな体型に本格派投手としての資質が詰まった右腕。反射を使ったテイクバックで高いトップをつくり、しなやかに投げ下ろす。昨秋時点で最速141キロと驚く数字はないが、体の芯に力がついてくれば比例して球速が伸びるタイプだろう。本人が自信を持つスライダーは精度が高い。昨秋の中国大会準決勝では高川学園を4安打1失点と抑え、準優勝の原動力に。光をセンバツ初出場に導いた。なお、同校は1985年夏の甲子園で準優勝した宇部商のエースだった田上昌徳さんが投手コーチを務める。

最速148キロの球速を誇る東海大菅生の巨漢右腕・日當直喜
日當直喜(東海大菅生/190センチ・105キロ/右投右打)
実戦での強さを発揮したい巨漢右腕。最速148キロの球速を誇るが、この投手のキモは精度が高いフォークにある。抑え込む試合は速球を見せ球に、要所をフォークで組み立てる。昨秋の公式戦では7試合で防御率0.78と抜群の安定感を見せた。左足のカカトを蹴り上げるような独特な投球フォーム。ひと冬越えて速球でねじ伏せるような強さが出てくれば、プロを狙える存在になりそうだ。尊敬する前監督が解任されて迎える大舞台で、意地を見せられるか。