川崎フロンターレの背中を強力に押す、超強力な助っ人が現れた。斬新すぎる史上最長始球式が、逆転優勝のラストピースとなるか…

 川崎フロンターレの背中を強力に押す、超強力な助っ人が現れた。斬新すぎる史上最長始球式が、逆転優勝のラストピースとなるかもしれない。

 今シーズンのJ1も、残すは最終節だけとなっている。首位に立つのは横浜F・マリノス。3連覇を狙う川崎は勝点2差で追っており、優勝の可能性はこの2チームに絞られている。一時は横浜FMが川崎を突き放し、数試合を残して優勝を決める可能性があった。だが、そのたびに横浜FMがつまずき、川崎も粘り強く勝利を重ねることで「待った」がかかっていた。

 そんなレースも、今週末には決着がつく。神奈川で隣り合う街をホームとするどちらかのチームが、トップでゴールに飛び込むのだ。そんな中で3連覇のチャンスをものにしたい川崎に、強力な援軍が現れた。その人物は、「男だろ!」と川崎の背を押すのだ。

 先週末のJ1第33節、ヴィッセル神戸との試合が行われる等々力陸上競技場で、始球式が行われた。そしてそれは、Jリーグ史上最も長いとおそらく思われる始球式だった。そこに駆けつけたのは、義足ランナーの高桑早生選手や競歩の鈴木雄介選手、東京五輪にも出場した卜部蘭選手など、陸上競技会が誇る豪華な顔ぶれだ。

 その中でも話題になったのが、場内アナウンスいわく、「フロンターレとユニフォームが似ているだけで来てくれた」駿河台大学駅伝部の選手たちと地元が川崎の元青山学院大学駅伝部の神林勇太選手と元チームメイトの神野大地選手、元東洋大学駅伝部で柏原竜二さん、そして、それを後ろから追走する伴走カーに乗る、駒澤大学の大八木弘明監督である。

 大八木監督と言えば、何度も箱根駅伝を制した名将。ただし、ファンから愛されるのは強いチームをつくるからだけではない。「漢」だからだ。箱根駅伝でも、伴走カーからの各監督からの選手への声かけは名物となっている。「高校3年生の都大路を思い出せ! ここがお前の花道だ!」などと大声で選手の気持ちを奮い立たせ、足を運ばせる。

 昨年、伴走カーから名言が生まれた。発したのは、大八木監督である。名将は叫んだ。「男だろ!」。このシンプルかつ深すぎる一言が、箱根駅伝の名言集に刻まれたのだ。

■川崎は男になれるか

 箱根路ではなく等々力で、大八木監督はメガホンを握った。

「おい、お前ら。今日は勝つんだろ! J1優勝するんだろ!?」。

 興が乗ってきた大八木監督は、正月におなじみの表情を見せる。

「さあ、お前たち行け! 行け! ここから行け!」

 そして、あの一言が出た。

「男だろ!!!」

 川崎はこの日、神戸を相手に2-1で勝利。男っぷりを見せつけた。

 サッカーを見るには専用球技場が良いと思われがちだが、陸上競技場だからこそ勝点3を引き寄せたのかもしれない。クラブがツイッターで公開した動画には、関心と感謝の声があふれる。

「普通、サッカーの試合にとっては「邪魔」な陸上のトラックを逆手に取って始球式に使う川崎フロンターレの発想が柔軟過ぎる」
「サッカーと陸上のコラボ。今、自分達がおかれた状況も使って、お互いが盛り上がる。素晴らしい」

 11月1日、J1最終節。川崎は漢になれるか。

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