日本テニスの頂点を争う大会、大正製薬リポビタン 全日本テニス選手権97th(東京/有明、ハード)は大会7日目の28日、男子シングルス準々決勝が行われ、第12シードの伊藤竜馬(橋本総業ホールディングス)が今大会限りで現役を引退する第2シード…

日本テニスの頂点を争う大会、大正製薬リポビタン 全日本テニス選手権97th(東京/有明、ハード)は大会7日目の28日、男子シングルス準々決勝が行われ、第12シードの伊藤竜馬(橋本総業ホールディングス)が今大会限りで現役を引退する第2シードの添田豪(GODAI)を7-6 (7-4), 7-6 (7-5)のストレートで破り、2018年以来4年ぶり7度目のベスト4進出を果たした。
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34歳の伊藤は全日本テニス選手権で2013年に決勝で西岡良仁、2018年は決勝で徳田廉大を破り優勝。2008年、2011年、2012年に準優勝をおさめている。4年ぶり11度目の出場となった今大会、3回戦で第6シードの田沼 諒太(橋本総業ホールディングス)を6-4, 6-3のストレートで破って8強に駒を進めている。
現在38歳、元世界ランク47位の添田は2015年に同大会で準優勝して以来の出場。2008年には決勝で伊藤、2009年には決勝で杉田祐一を破って優勝を飾っている。今大会では3回戦でワイルドカード(主催者推薦)で出場した原﨑朝陽(ノアテニスアカデミー神戸垂水)を6-2,6-4のストレートで下して8強入りを決めた。
添田のラブゲームキープから始まったこの試合、伊藤が第5ゲームで先にブレークに成功。その後は互いにサービスキープが続き、ゲームカウント5-4で伊藤がサービング・フォー・ザ・セットを迎える。しかし、5度のセットポイントを活かせず、添田にブレークバックを許し、タイブレークに突入する。
一進一退の攻防となったタイブレークではポイント4-4の場面で伊藤が唯一のミニブレークに成功。6度目のセットポイントを決めて第1セットを先取する。
第2セットに入ると伊藤が第2ゲームでブレーク奪って3-0とリードするも、第5ゲームで添田にブレークバックを許す。両者サービスキープが続いて迎えた第12ゲームで2度マッチポイントを握るも活かせず、再びタイブレークに突入する。
タイブレークに入ると、1ポイント目でミニブレークを許すも伊藤は5ポイントを連取して逆転。添田の反撃を制してベスト4進出を決めた。
試合後の会見で伊藤は「今日は添田選手との対戦で僕が勝てば(添田選手の)最後ということで、朝起きた時から色んなことを思い出しました。だけど全力でやるしかないな、という思いでコートに立って今日はお互いに150%出せたんじゃないかなと。お互いが引き出し合えてすごい良い試合だったと思うので、最後に添田選手の引退試合を僕ができてすごい良かったなと思いました」とコメント。
「マッチポイントを握ると、ちょっと『うるっ』ときたり。色んな対戦があったな、という思いになったり。最後まで試合をやらないといけないという自分の葛藤もありました。でも(添田選手も)ゾーンに入って、打っても打ってもエースを取られたり拾ってきたので、こっちもしっかり戦わなければという思いで取られても落ち着いてプレーをしました。イーブンになっても最後のタイブレークは絶対に取ろうと思って、そこの気持ちの切り替え、落ち着きが良かったと思います」
「僕がエントリー(出場)するなら添田選手と僕が対戦するのがベストだろう、というのはお互いに感じていたと思うので。お互いに決勝に行ける保証は無かったですし、準々決勝での対戦は少し早かったですけど対戦できて良かったと思います」
この試合の勝因については「『終わらせるなら僕だろう』という気持ちがあったから最後押し切れたというのはありますし、添田選手自身もそれは感じていたかもしれないです。(添田選手が)声を出して最後まで諦めない姿を見たからこそ、僕も最後までガッツ出していこうと思ったので、最後は気持ちで押せたのがポイントでした」と明かしている。
勝利した伊藤は準決勝で第4シードの関口周一(Team REC)と対戦する。

記者会見に臨む伊藤[画像:tennis365.net]