蹴球放浪家・後藤健生の取材は、多岐にわたる。対象は人間のみならず、「物体」 にも及ぶのだ。日本の才能のみならず、ブラジ…
蹴球放浪家・後藤健生の取材は、多岐にわたる。対象は人間のみならず、「物体」 にも及ぶのだ。日本の才能のみならず、ブラジルのカカ、アルゼンチンのサビオラらが出場した2001年の現U-20ワールドカップは、ピッチ外でも蹴球放浪家に衝撃を与えた。
■収集家がいたサッカーの入場券
この「蹴球放浪記」では、毎回ビジュアルとして各大会の入場券やADカードをご紹介しています。
昔の入場券は、デザイン的にとても美しいものでした。
たとえば、連載の第1回(「いちばん美しいチケット」の巻)でもご紹介した1974年の西ドイツ・ワールドカップの入場券。試合の開催日、開催都市、席種(カテゴリー)がそれぞれのカラーで表示されています。そして、それらのカラーが組み合わされて印刷されているので、入場券の一枚一枚がそれぞれ違う色柄になっているのです。
だから、昔はヨーロッパでは入場券の収集というのは立派な趣味で、スタジアムの外には「使用済みの入場券が欲しい」という人がいっぱい立っていました。
■失われた記念品としての価値
ところが、今から25年くらい前になるとコンピュータ発券が普及してきます。
台紙にコンピュータで印字された券面です。開催日やスタジアム、カテゴリーは文字で表示されているだけなので、台紙はすべて同じデザインになってしまいました(決勝戦だけ違うデザインという大会もありましたが)。いくら台紙のデザインが美しかったとしても、すべて同じデザインでは飽きてしまいますよね。
まあ、それでも大会やクラブ毎に違うデザインの台紙を使っているので、今でも入場券の収集をしている人はたくさんいます。
しかし、コンビニなどで発券する入場券の場合は、台紙は各コンビニのものなので、サッカーの試合でも野球の試合でもコンサートでも、まったく同じものになってしまいます。これでは記念品として収集する気持ちにはなれません。
さらに、最近になると入場券は電子化されることも多くなりました。つまり「紙の」入場券は存在せず、スマホのQRコードを示したり、送られてきたQRコードをプリントアウトして使うわけです。
たしかに便利は便利なのですが、もうこうなってしまうと“記念品”としての価値はなくなってしまいます。いずれ、「入場券」というものは消滅してしまうのかもしれません。
■2001年のアルゼンチンにて
2001年にアルゼンチンでワールドユース選手権(現、Uー20ワールドカップ)が開催されました。
ホセ・ペケルマン監督の下、ハビエル・サビオラやマキシ・ロドリゲス、アンドレス・ダレッサンドロ、ニコラス・ブルディッソ、ファブリシオ・コロッチーニなどのアルゼンチン代表が開催国優勝を果たしました。森崎和幸、浩司の兄弟や山瀬功治、石川直宏、駒野友一などの日本代表は最終戦で後に名GKとなるペトル・チェフが守るチェコから3点を奪って快勝しましたが、その前にオーストラリア、アンゴラに敗れており、すでにグループリーグ敗退が決まっていました。
その他の国でも、ブラジルのカカやフランスのジブリル・シセ、オランダのアリエン・ロッベンなどが出場しており、2001年大会は比較的レベルの高い大会だったように思います。