■6月22日/天皇杯3回戦  川崎フロンターレ 0ー1 東京Ⅴ(等々力) 川崎イレブンの焦りを表すかのように、等々力のピ…

■6月22日/天皇杯3回戦  川崎フロンターレ 0ー1 東京Ⅴ(等々力)

 川崎イレブンの焦りを表すかのように、等々力のピッチを濡らす雨脚は強くなっていった。J2東京Vに前半39分にゴールを許した川崎は、逆転を目指して打てる手はすべて打った。しかし、6月20日午後8時53分、試合を告げるホイッスルが鳴り響いた。昨年同様に、天皇杯制覇の目標は等々力で散ったのだった。

 スターティングメンバー9人を変更して挑んだ。前の試合からは中3日。次の試合までは中2日。選手のコンディションを考えれば、けっして“カップ戦仕様”というわけではなかった。ピッチの上で齟齬が生じることをある程度受け入れる前提でのメンバー構成ではあった。

 はたして、序盤から連携面でのミスが相次いだ。そればかりか、個人的な技術ミスも少なくなかった。特に、右サイドバックに入った松井蓮之、中盤でプレーした瀬古樹小塚和季というリーグ戦でなかなか出番がない3人の部分で、リズムを崩したことは、結果的に大きかった。

 松井は攻撃面で積極的な姿を見せ、最終ラインからゴール前まで上がってシュートを放つなどチャンスに絡んだが、一方で、ボールを失ったあとの戻りの遅さや戻る場所、そして、つなぎの部分で粗さが目立った。瀬古は不用意なボールロストが散見され、失点の場面では味方からのバックパスから離れるように動き、相手にゴールチャンスを与えてしまった。小塚はボールロストに加え、ジョアン・シミッチとプレーが多々被ってリズムを生み出すことができなかった。抜擢された3人の試合勘が見えた試合となった。

■指揮官が攻撃で感じたいくつもの課題

 6月18日のJ1リーグ・札幌戦では内容と5得点を奪う結果で“川崎らしさ”を取り戻した、かに見えた。その試合から引き続き先発メンバーに名前を連ねたのは、GKチョン・ソンリョンとDF車屋紳太郎の2人だけ。とはいえ、レアンドロ・ダミアンやマルシーニョらがピッチに立っており、フレッシュな選手で構成されていたため多くのゴールが期待できた。

 しかし、結果的には“齟齬”の方が大きかった。試合後、開口一番、「負けに対する悔しさしかない」と話した鬼木達監督は、「前半のスタートのところでイージーミスが散見された」と悔やんだが、実際、それは采配にも表れていた。ハーフタイムという早い段階で、3人(宮城天、瀬古、小塚)の交代を決断したからだ。しかも、代わりに入った橘田健人脇坂泰斗遠野大弥の3人はハーフタイムのウォーミングアップをしないで中に引き上げていたことから、前半のうちに交代は決めていたと思われる。

 他方、攻撃面での課題も口にした。「前進できるタイミングで前進する、(シュートを)打てるタイミングで打つ、背後に行けるタイミングで行くとか、そうしたことをやれればまた違った展開になった」と振り返り、さらに、「前線で時間を作る部分がなかった」「2トップで段差を作りたかった」「全員で共有して攻撃のスイッチを入れたかった」など、多くのことがピッチ上でうまくできなかったようだ。

■鬼木監督「意味のない敗戦になる」

 Jリーグ2連覇を果たし、今季は3連覇を狙う絶対王者が、天皇杯で下剋上を許し3回戦で敗退することとなった。直近の札幌戦では大勝したものの、その前の3試合では2敗1分と不調に陥っていた。この負けは、メンタル的にチームに大きな影を落とす可能性もある。

 ただ、指揮官は「失ったものも大きいが、それ以上にここから飛躍するしかない」と言い切り、「次に向けていかないと意味のない敗戦になる」と前を向いた。

「磐田戦につなげたい」

 鬼木監督がこう話す次なるリーグ戦は、等々力で行われる。ピッチで失いかけた自信は、ピッチで取り戻すしかない。

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