現在であれば、サッカーのワールドカップは日本中の人が知っている。だが、かつてはマニアしか知らない時代もあった。その当時…

 現在であれば、サッカーのワールドカップは日本中の人が知っている。だが、かつてはマニアしか知らない時代もあった。その当時から、蹴球放浪家・後藤健生は大会観戦に出向いていた。まだ、花粉症も知られていない時代から…。

■原因が分かればスッキリ?

 僕が、自分のくしゃみや鼻水の原因が花粉によるアレルギーであることを知ったのは、新聞で「最近、そういう症状の人が多くなっている」という記事を読んだ時のことでした。

 記事によれば、この「病気」はヨーロッパやアメリカでは昔から知られていて、初夏の干し草(英語でHay)を刈る頃に症状が出るので「Hay Fever(干し草熱?)」と呼ばれているとのことでした。

 もちろん、欧米にはスギはありませんから、それぞれの地域にある別の植物の花粉が原因です。

「ああ、そうか! そういう症状なのだ」

 原因さえ分かれば、もう心配はありません。もちろん、症状は続くので辛いのは辛いのですが、原因不明で心配する必要はなくなりました。

 ただ、当時はまだ一般に知られている「病気」ではないので、会う人にいちいち「これは、こういう原因で起こるアレルギー症状なのであって、感染する心配はないのでどうぞご安心ください」と説明をしなければならなかったのです。

■ワールドカップとは何か?

 そういえば、当時はワールドカップのこともいちいち説明しなければいけませんでした。

 たとえば、2か月間南米に行って帰国した時、空港(※)の入国審査や税関で旅行の目的を尋ねられます。そうすると、「サッカーには『ワールドカップ』というプロ選手も出場する世界選手権大会があって、オリンピック並みの人気がある大会なのです。その大会がアルゼンチンであったので、それを観戦に行っていたのです……」と(※成田空港開港前だったので1978年5月に羽田空港から出発。帰国したのは成田空港でした)。

 入団審査や税関だけでなく、知人や友人に「2か月もどこに行っていたの?」と聞かれるたびに、面倒くさい説明をしなければなりません。

■時代の変化を感じる瞬間

 現在は、いい時代になりましたね。

 何も言わなくても「あ、おたくも花粉症ですか」と分かっていただけるでしょうし、ワールドカップのことは誰でも知っています。

 空港の税関でも「ワールドカップの取材に行っていた」と言うと、逆に税関の人から「あの試合のあのプレーはどうだったのか?」とか、大会のことを聞かれるような時代になりました。

 日本も7大会連続でワールドカップに出場し、過去6度の大会で3度もラウンド16に勝ち残った立派な「フットボール・ネーション」になったのですから当然ですが。

 ちなみに、僕の花粉症は10年ほど前からほとんど症状が出なくなりました。シーズン中に数回、くしゃみや鼻水に悩まされるだけです。特に治療を行ったわけではないので、治った原因は不明です。年齢のせいでしょうか?

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