GW最終日の神宮球場。タテジマ戦士を応援するため、野球少年から往年のファンまで幅広い観客が1塁側スタンドに集まった。初回に東大が1点を先制するも、3回以降に立大打線が爆発。3回から9回まで毎回得点の14安打11得点で、東大相手に2連勝し貴重な勝ち点1を獲得した。

ガッツポーズは見せずとも、この日の彼は躍動感に満ち溢れていた。先発の手塚(コ2=福島)は初回にあっさりと先制を許す苦しい立ち上がりも、2回以降に見違えた投球を披露する。変化球を多投した初回とは配球を変えたのか、最速143㌔の直球を武器に相手打者から次々と三振の山を築く。勝負球では明らかに腕の振りが変わるため、球速以上に速く感じる直球。他の変化球とも相性がピッタリと合った。

圧巻だったのは打線が同点に追いついた直後の4回。次の1点が重要となる展開に、東大クリーナップと対峙した「19」は先頭の2番・杉本(3年金沢泉丘)を直球中心の配球で押し込み遊ゴロに仕留める。続く3番主将・山田(4年=桐朋)には一転、変化球を多投して三振。こうなれば相手打者は困惑し続ける一方であった。主砲の4番・田口(4年=西大和学園)は力のないフライに打ち取られる。相手中軸をあっさりと抑え、この日の東大打線との勝負は決着した。終わってみれば毎回奪三振の7回9奪三振1失点。先発投手として、十二分に役割を果たした。

手塚の好投に応えたこの日の立大打線。打撃不振に苦しんでいた主将・熊谷(コ4=仙台育英)にタイムリーが生まれるなど、6回までに二桁安打を達成。それだけに、ここまで無安打の男が黙っているはずがなかった。「4番としての役割を果たす」。満員のスタンドから第一応援歌が流れる7回。先頭の笠松(コ4=大阪桐蔭)がゆっくりと打席に入る。「しっかりと振りぬくことができた」と語った3球目は、弾丸ライナーであっという間にレフトスタンドに突き刺さった。今季初本塁打。この本塁打で立大は先発全員安打とし、点差は6点。勝負がついたといっても過言ではなかった。

3安打猛打賞の寺山(社3=神戸国際大附)。逆転タイムリーの熊谷。この日のヒーローたちから、4番が完全に主役の座を奪い取る。後攻のため、最後の攻撃となる可能性のある8回。2死ながら満塁のチャンスにまたしても笠松に打席が回ってくる。相手投手も明らかに警戒した変化球中心の配球。しかし、その警戒をも超えるのがこの日の彼であった。2球目。変化球を狙い打ちした打球は、外野手が一歩も追うことなく大きな弧を描いて左中間スタンドに落ちた。2本塁打5打点。まさに主砲といえる頼もしい活躍で東大投手陣にとどめを刺した。

最終回。守護神・中川(コ1=桐光学園)が4球で3者凡退に打ち取り試合終了。2日間合計29安打29得点は、立大打線の実力を他大学に存分に見せつけた形となった。優勝争いが激化する次週。「また新たなスタートだと思って」(溝口監督)。いよいよ、立大にとって21世紀初となる栄冠をかけた優勝争いが佳境を迎えるーー。

(5月7日 川村健裕)


◆コメント◆
溝口監督

「ゲームとして2勝できたことはよかったと思いますが、勝ったからよいものの今日の試合はミスが続発していたので次の早大戦に向けて、引き締めてやっていかないといけないなと思っています。残りを勝ち切るためには、皆で守り切ることであったり、いやな走塁をする、無駄な四死球をなくすことなど、そういったことをやりきること、チーム一丸となってやることだと思います。今週はたくさんのファンの皆様が来てくださいました。ここまでは何とか食いついてきているので、ここ数年あと一歩という思いをしてもらっているので、今年こそは皆さんを喜ばせる戦いをしたいと思っていますが、本当にここから厳しい戦いが続くので、何とか踏ん張っていきたいです。」

逆転打を放った主将・熊谷#10
 「今日は最初危なかったのですが、勝てて良かったです。(手塚投手について)結構コースに投げていたので後ろで守りやすかったですし、キャッチャーとも意思疎通ができていたので良かったと思います。自分のバッティングは気持ちで打ちました。全然打ててなかったので、チームのみんなに打たせてもらったかなって感じです。(来週に向けて)警戒することは特にないのですが、自分たちができることを精一杯やって勝ちに繋げていきたいです。まずは早大と明大に勝たないと優勝争いには見えてこないので本当に1戦1戦全力で戦っていきたいなと思います。」

2本塁打5打点をあげた笠松#3
 「(3打席目まで無安打であったことについて)今までの自分であればそこで気持ちが切れて終わってしまっていたと思います。早大戦は個人的には4番としての役割を果たすことと、チームとしては早稲田戦へ向けて4日しかないですが、調整していきたいと思います。」

全4打席で出塁を果たした寺山#29
 「(2本目のヒットは同点の適時打となったが)強く振ることをいまは考えています。チームとして、ここからが勝負だと思います。改めて、GWでファンの方に感謝しています。自分たちはプレーでしか恩返しができないので、日ごろから恩返しできるように、練習を頑張っていこうと思います。」

先発で好投した手塚#19
 「いつも通りの投球ができました。低めに投げられてよかったです。甘くならないように意識した結果良いところに決まっているのだと思います。一人で戦えるようなチームではないので、みんなで一丸となって戦っていきたいと思います。」

手塚