ついに勝ち点を手にし、再スタートを切った法大。次の相手は首位を走る慶大だ。投手陣は大エースの加藤の穴を大型ルーキー関根、髙橋佑などの若手投手が埋めており、去年よりも安定感をみせれば、打線は柳町、岩見、郡司のクリーンナップを中心とした最強打線…

ついに勝ち点を手にし、再スタートを切った法大。次の相手は首位を走る慶大だ。投手陣は大エースの加藤の穴を大型ルーキー関根、髙橋佑などの若手投手が埋めており、去年よりも安定感をみせれば、打線は柳町、岩見、郡司のクリーンナップを中心とした最強打線を形成されている。宿敵を連勝で沈めた法大は勢いそのまま勝ち点奪取をできるか。先週みせた実力は本物なのか。真価が問われる一戦となる。

展望

連勝で勝ち点を奪い、再スタートを切った法大。次の相手は現在首位に立つ慶大だ。

 慶大の最大の魅力は何と言っても打線。開幕スタメンの全野手が規定打席に達しており、チーム打率.288は早大に次いで2位と好調だ。 中でも警戒されるのはトップクラスの破壊力を誇るクリーンナップ。  3番の柳町達は大学入学後に外野手転向すると1年春からベストナインを獲得し、中心選手に成長。5番の郡司裕也は1年秋に正捕手に定着すると今季は打率4割、2本塁打と2年生ながら打線の中心を担っている。1番警戒すべきは4番の岩見雅紀だろう。3年時に左翼に定着すると今季は6試合で3発と好調を維持している。立大4回戦では田中誠也から満塁弾を放ち、1イニング10得点の猛攻を締めくくった。この中軸の前に走者を出塁させないことが絶対条件となり、上位を任される天野康大、瀬尾翼には注意が必要だ。また二遊間は倉田直幸、照屋塁主将が鉄壁の布陣を敷いており、倉田は郡司と並びリーグ2位タイの打率4割とこちらも警戒が必要だ。  投手陣はリーグ通算26勝を挙げた大エース加藤拓也(広島)が抜け、投手陣の弱体化が不安視されていた。開幕前、照屋主将は「誰が出てきても試合を作って勝てる布陣」と語っていたが単なるリップサービスではなかった。開幕投手を務めた関根智輝は防御率はリーグ3位の1.80とルーキー離れの成績を残してる。高校時代、東東京4強に導いた都立の星は140キロ台の直球を武器に六大学の猛者たちを相手に奪三振ショーをみせている。2戦目を任されてる高橋祐樹も、昨年ルーキーながら7試合に登板した経験を基に今季は躍動。主戦投手として3試合登板で2勝を挙げ、慶大の快進撃を支えている。法大は立大戦で、若手投手に2試合連続完投を許してるだけに、積極的な攻撃が必要になるだろう。

 明大戦の勝ち点奪取に大きく貢献した法大投手陣。現在、リーグ防御率の上位に名を連ねており、投壊に終わった昨年からは想像もつかなかっただろう。長谷川裕也(経4)は明大1回戦で先発し、7回1失点の好投で法大の今季初勝利に大きく貢献し、自身もリーグ戦初勝利を挙げた。抜群の制球力と打者のタイミングをずらす投球術で、強力打線に挑む。故障で出遅れていた菅野秀哉(キャ3)も明大2回戦で先発に復帰し、今季初勝利を挙げ完全復活。救援に回った熊谷拓也(キャ4)は2試合連続で2回完全投球と守護神として君臨しており、勝利の方程式は確立されつつある。  また、チーム打率1割台と苦しんだ打線も復調の兆しをみせつつある。大西千洋(営3)が明大戦の2試合で5安打を放つと中山翔太(人3)も明大2回戦でマルチ安打。主将、森龍馬(キャ4)がリーグ戦1号を放てば、相馬優人(営2),舩曳海(キャ2)が勝負強さをみせている。川口凌(人3)にも久々の安打が出たが、不振に苦しむ小林満平(法3)は未だ復調の兆しも見えない。明大戦では犠打失敗や併殺を繰り返し、2回戦では途中交代になってしまった。ついに打率2割を切ったが、勝ち点奪取には昨春打率リーグ2位の打棒が不可欠。屈辱を味わった背番号7の奮起を期待したいところだ。

 宿敵相手についに目を覚ましたオレンジ軍団。だが、首位を走る「陸の王者」は投打で他大を圧倒しており、一筋縄ではいかないだろう。それでも、勝利を知った法大にもう死角はないはすだ。2カード連続の勝ち点奪取へ。オレンジの春はまだ始まったばかりだ。(渡辺拓海)

ネクストブレイク

 鎌倉航 (地獄を味わい逞しくなった女房役 攻守の飛躍を期待される若武者)

「心に勇みある時は悔やむことなし」これは越後の戦国大名、上杉謙信が残した言葉だ。文字通り、何事も勇気をもって立ち向かえば悔やむことはないという意味である。法大戦士たちの中に一人、この言葉を贈りたい選手がいる。その選手とは新潟県出身、今季から正捕手を務めている鎌倉航(法3)だ。

 パワフルな打撃でのオープン戦の活躍で認められ、「7番・捕手」で自身初の開幕スタメンを果たした。しかしチームは引き分けを挟んで開幕から4連敗。鎌倉も思うような打撃が発揮できず、さらに自身の配球ミスが敗戦につながったケースもあった。ミスについて監督は「彼には期待して厳しく育て上げようとしてきましたけど、やっぱり同点の場面は絶対どうにかしないといけない。パスボールの場面も彼なら止められると思う。そういう部分でもしっかりやってほしい」と苦渋の表情で話した。もうこれ以上負けられない。何としてでも連敗をストップさせなければならない状況で、鎌倉は強い気持ちで試合に臨むことを忘れていなかった。

迎えた3カード目は、ここまで首位の明大との対戦。「チャンスで回ってきたら1本打つことと、守備ではリズムよく攻撃に良い流れを持ってくるというのが自分の仕事。そこを意識しながら強い気持ちでやろうと心がけた」。その気持ちは試合で大いに発揮された。第1戦は中継ぎから転向の長谷川裕也(経4)、第2戦では菅野秀哉(キャ3)の両投手の安定した投球を支えた。一方の打撃は確実に走者を進め、適時打を含む2安打を放つ結果でチームの勝ち点奪取に貢献。試合後、鎌倉は「連敗している状況で、まず1勝できたということは本当にチームにとって大きなこと。やるべきことがまだまだできていない部分があるので、細かい戦術の部分も突き詰めていきたいと思います」と、勝ち点1に浮かれることのない謙虚な姿勢を見せた。次戦は慶大戦。強打者ぞろいの中軸を打ち取るべく、彼の好リード、そして打撃ではパンチ力ある一発に期待したいところだ。

「春」が到来した法大。次は若武者・鎌倉の活躍で満開の桜を咲かせたい。(岡崎祐平)

鎌倉航

慶大監督、選手インタビュー @野球部合宿所(横浜市港北区) 3月17日取材

大久保秀昭 監督

ー現在のチーム状態は
 まだ始まったばかりだから、本当に見極めている段階でいいとも言えないし、悪いとも言えないですね。

ーオープン戦で目立っている選手は
誰かというよりは投手全体で、昨年はエースの加藤が大車輪でここ何年かはやってましたけどそれ以外の投手では思っている以上のことは出せているので加藤のレベルは中々出ないけど、彼1人のレベルをみんなで賄うしかないとは思ってます。

ー昨年を振り返って
 去年も一昨年も早稲田や明治に連覇されて悔しさしか残ってないね。勝たなきゃ面白くないです。

ー昨年は2人の1年生野手が台頭しました
 当然リーグ戦経験している選手は多くいるので、その辺が軸になって、センターラインは残ってますけど、一塁などの打つところの4年生が抜けたのでそこをどうやって補っていくかを考えないといけないですね。去年みたいにホームランを連発する慶応らしい魅力的なチームというよりはまとまりのいいチームなのかなと思います。

ー郡司選手が1年生から定位置を確保したのは大きいと思います
 そうですね、よそのチームはキャッチャーで苦労していて早慶が1年生という状況になりましたけど、打てるキャッチャーというのはチームにとってはありがたいですよね。

ー照屋選手が主将に就任しました
 1年のときからリーグ戦を経験してますからね、去年は打撃で苦しみましたけどチームをプレーで引っ張ってほしいですけどね。

ー主将になった経緯は
 僕は学年で決めさせました。学年が選んだキャプテンだったら、しっかりとリーダーシップを発揮して同級生に遠慮なくチームをまとめてほしいなと思います。仲間も選んだ以上は従ってくれるでしょうし。

ー照屋選手はどんなリーダーシップを
 あんまりかな(笑)。いや、リーダーシップの発揮の仕方は言葉とかいろんなタイプがありますから。照屋は言葉でグイグイよりもプレーしながら一人一人に寄り添っていくタイプなのかなと思ってますね。

ー新入生も入部してきましたが
 200人近くいたら多いよね(笑)。そんな中でも本当に近年では珍しく投手に素材がいいのが合格してきたので、ここをしっかりと鍛えながらもしかしたらリーグ戦で投げなきゃいけないかもしれないですね。それぐらい楽しみな素材のものが合格してきました。

ー中でも大西選手は注目されてます
 玉熊(将一,平28年度卒=現明治安田生命)よりは活躍してほしいね(笑)。玉熊くんもいい投手になってたけど、彼に引けをとらないですし、神宮で甲子園のような投球を出せるような素質はあると思いますけどね。

ー開幕戦での登板はあるのでしょうか
 そんなに甘くはないね。逆に慌てないことですね。以前の森田(駿哉,営3)君の例もあるし。使いたい気持ちも当然あるけど、まだ体力的にも達してない思うので。見極めて考えたいと思います。ちゃんと順序を踏めてないなら、任せられないかな。

ー中軸を期待される岩見選手については
 軸になってくのは間違いないです。試合を決める一本とかを打てば波にも乗るしね。年間で10本打ったら上の世界も見えてきますけどね。そんな簡単ではないでしょう。

ー法大の印象は
 毎年、いい素材の選手が入部していると見てます。法政も明治もそうですけど、交代して出てくる選手が名門校の子が多いし、バランス取れたいい選手が多いなと。これは昔からですけどね。その辺は感じます。そういう選手達に負けない、逆に倒してやろうという気持ちが高揚感や楽しみの1つですね。

ー警戒する選手は
 中山きんに君(中山翔太)は岩見とタイプはダブるので、どっちが打つかなとか、大西対大西とかね(笑)。後は一緒にオランダ行った子とか、ちゃんと挨拶してくれる子は楽しみですけどね。

ーリーグ戦に向けて意気込みをお願いします
チーム目標として、就任当時から掲げてるリーグ戦優勝、早稲田に勝つという慶応の使命ですね。去年は1つしか達成されなかったので、多く達成できるように。法政大学に勝たないとその先も無いので、優勝に向けて頑張りたいと思います。

(取材:渡辺拓海)

 大久保秀昭(おおくぼ・ひであき)
1969年7月3日生まれ
神奈川県出身・桐蔭学園
慶大在学時には主将としてリーグ戦春秋連覇を達成。平成4年に卒業後は日本石油(現JX-ENEOS))へ。社会人野球で華々しい活躍を見せたのち、アトランタ五輪では主力として銀メダル獲得に大きく貢献。その後近鉄からドラフト6位に指名され、プロ野球の世界も経験。2006年からはJX-ENEOSの監督を務め、史上最多タイとなる3度の都市対抗野球優勝を果たし、2015年に慶大監督就任。

照屋塁 主将

 ー現在のチーム状態は
 いい感じです(笑)。具体的に言うと去年加藤さんが抜けて、投手陣が不安視されてましたけど、投手全体のレベルも上がって、リーグ戦で戦えるチームになってきたと思います。

ーオープン戦などでの手ごたえは
 投手陣が全体的にいい仕上がりできてるので、後はそれにプラスして、攻撃の方で得点につなげていくことをもっと出来るようにしていきたいです。

ー主将に就任した経緯は
 僕ら4年生で話し合いをしてこの学年での推薦という形で決めました。話し合いが始まってから、なるかなとは感じてましたね。

ー主将に就任した当時の心境は  決まったのは早慶戦の2週間前でしたけど、最初は実感はなくて。早慶戦の後に正式に部長の方から発表されて、実感が湧いてきて、責任を持ってやらないといけないなと感じました。

ーどういった主将像を目指していますか
 チームスローガンである「everything is practice 」を1番体現するキャプテンで、コミュニケーションを部員全員と取れるキャプテンを理想としています。

ー今年のチームカラーは
 全員で戦っていく、メンバーもそうですし、メンバー外も全員が勝つ為に何をするかって行動できるチームです。

ー去年を振り返って
 1位の明治との差は本当に大きいなと感じたので、そこを課題にチームとして埋めていかないといけないと思いました。  個人的には全然思うように結果も出なくてチームに貢献出来ずに迷惑ばっかりだった思いが強いので、今年は何としても勝ちに貢献出来るように頑張っていきたいと思います。

ー今年期待する選手は
 投手陣に期待したいです。去年は加藤さん1人しかいなかったようなチームでしたけど、今年は誰が出てきても試合を作って勝ちにいける布陣になれるのではないかなと思います。

ー優勝に向けて心掛けたいことは
 出塁率を1番に考えていきたいです。守備は無失策で、試合を決めるようなアウトを取りたいなと思ってます。

ー4番の岩見選手への期待することは
 攻撃の方は絶対岩見が軸になってくるので、そこをどう繋げていくかが大事なところだと思います。

 ー法大の印象は
 法政大学は能力の高い選手が多いので、本当にチーム全体としていかないと勝つことは難しいなと思います。

ーリーグ戦に向けて意気込みをお願いします
 今年は何がなんでも優勝できるように頑張りたいと思います。

(取材:渡辺拓海)

天野康大 副将

ー昨季を振り返っていかがですか
基本的に代打という形でずっとベンチから見てることが多くて、ムードメーカーのような役割を担っていたので。今シーズン4年生になった立場でも変わらずにやっていこうと思っています。

ーご自身でここが良かったという部分はありますか
そんなに試合には出ていないので、ベンチでの気の配り方というか、視野を広げて試合に出ている人には見えないところで声をかけたり、そういうところでは良かったと思います。

ー今年の調子はこれまでいかがですか
石垣島のキャンプを通して、順調には来ているかなと感じています。

ーキャンプではどのようなことを重視して取り組まれましたか
スイングの量を増やしました。どうしてもシーズンになってくると疲れてきてしまうので、その中で自分のスイングができるようにと。しんどい中でスイングできるようにスイングを多めにするというのを心がけてやってきました。

ー監督からは練習からどのような声をかけられましたか
監督からは、チームを盛り上げてくれという風に言われているので、できるだけ視野を広く持って鼓舞するようにはしています。

ー開幕までにこうしていきたいということはありますか
欠点といいますか、守備のほうは劣る部分があるので、迷惑をかけないように、安定した守備をしたいです。

ー副将となりましたが、幹部としてどんな仕事をしたいですか
ウチは部員が多いので、神宮に出られる選手もいればずっと応援の選手もいる中で、そこで差が生まれて溝ができないようにしっかり自分がパイプ役になれるように、常に一軍以外の選手に声をかけられるように今は心がけています。

ー天野選手の普段のリラックス法はありますか
僕は風呂が好きなので、長く入っていますね。だいたい湯船につかって、誰かしら風呂に仲間がいるので下級生であろうと皆と喋るようにしています。リラックスかはわからないですけど(笑)

ー目標としている野球選手はいますか
今、阪神で監督をしている金本(知憲)さんですかね。男気といいますか、ああいうところに憧れを感じます。僕、関西人で生まれてからずっと阪神を見てきたので、人間性にとても憧れます。

-自分のプレーのアピールポイントは
野球の実力とかは僕は全然ないので、一つ言うなら「元気」ですかね。チームを盛り上げるというのがアピールというか、自分が唯一できる点かなと思っています。

ー法大投手陣の印象を教えてください
自分の中では、安定していてそんなに崩れない投手が多い印象です。打たれている中でもしっかり試合は作ってくるイメージです。

ー打者陣の印象はいかがでしたか
強いというか、自分のスイングがちゃんとできていて、コツコツ当ててくるイメージとは逆にしっかり振ってくる法政というかイメージですね。

ー慶大野球部の「誇れる」と思うころはどこですか
良いかどうかはわからないですけど、仲が良いというか、グラウンドに立てば上級生と下級生関係なく物が言える環境があって、そこはウチの良いところかなと思いますね。

ー天野選手は今年ラストシーズンとなりますが、どう締めくくりたいと思っていますか
もう「優勝」だけですかね。僕は入学して最初のシーズンで優勝してから、遠ざかっているので、もう一度パレードをしたいです。大久保監督にかわってからまだ優勝できていないので、自分の中で最後の年で優勝したいという風に思っています。

ーご自身の目標としてはいかがですか
たぶん1番を打つことになると思うので、僕が塁に出れば盛り上がると思うので、活気づけられるようにして、そういう1番打者らしいプレイヤーになるというか、そこを目指して頑張りたいです。

(取材:岡崎祐平)

岩見雅紀 外野手

ー昨季を振り返って
明治に負けて2位に終わったので、悔しいシーズンでした。

ー個人的には
やはりどんな結果でも満足できる結果というのはないと思うので、秋も途中離脱もあって、思うところが多いシーズンでした。

ー加藤選手が抜けましたが
確かに加藤さんが抜けて厳しい部分もあるとは思うんですけど、全員がレベルアップしていると思うので、みんなで補えば大丈夫だと思います。

ー今年のチームの雰囲気は
締めるところは締めて、声出すところは出して、楽しむところは楽しんで、勝つために何が必要かわかっているチームだと思います。

ーオフシーズン取り組んだことは
全てにおいてレベルアップです。守備も打撃も走塁も、細かいところも抜け目ないようにやってきました。

ー打撃の際に意識していることは
試合になれば結果を出すことです。

ー法大のイメージは
あまりメンバーが変わっていないので、かなり厄介になるのではないかなと思います。あと、大西千洋の足、中山のパワーは警戒しないといけないですね。そこに投手陣が洗練されてきたら嫌な相手だなと思います。

ー警戒する投手は
菅野ですかね。僕対戦したことないんですけど、ストレートが思った以上に速いらしいので。あとはフォークですね。あと熊谷も警戒しなければらないと思います。

ー最終学年として意識することは
プレーで引っ張ることですね。まあとにかく野球に打ち込むことです。

ー秋のドラフトについて
プロになりたいというのは目標ですが、それは僕の都合なので、リーグ戦ではチームが勝つことだけを考えてやっています。

ー個人的な目標は
リーグ戦の優勝です。自分の成績が悪くても、チームが勝てたらいいので。

ー今季の意気込みを
リーグ戦優勝、早慶戦の勝利、全国制覇を目指しているので、最後笑って終われたらと思っています。

(取材:石川大悟)

郡司裕也 捕手

 -昨年は1年生ながらにレギュラーをつかんだシーズンでしたが、振り返ってみて
 レギュラーとれたところまでは良かったですけど、自分としてはもっとできたかなというところがあって。2つ暴投もしてますし、打率も2割5分にはのらなかったので。もっと数字にこだわってやっていきたいなとは思いました。

-オフの間は何に取り組みましたか
 インコースに詰まらされる場面が多かったので、主にスイングスピードをあげるために、冬場は"2万スイングプロジェクト"っていう、12月期間で2万スイングっていう練習がチームとしてあったんですけど、その2万だけにとどまらずに、最後プラスアルファでさらに振り込みをやっていました。

-オープン戦期間の調子はどうですか
良いとは言えないですけど、悪くもないかなという(笑)。ぼちぼちです。

-オフの間のトレーニングを経て、実際に試合で生かされてることはありますか
振り込んだので、打球が変わってきたということはありますし、長打が打てるようになったというのは大きいですかね。秋のリーグ戦はツーベース1本とホームラン1本で、長打2本だったんですけど、オープン戦は結構長打も打てていたので、そこは成長したかなと思います。

-春季リーグに向けて課題はありますか
課題は二塁送球ですかね。キャッチャーとして。まだ寒いっていうのはあるんですけど、二塁送球が安定しない場面があるので、練習して、しっかりリーグ戦では100%ストライク投げられるようにやっていきます。

-今年は加藤選手が抜けられて、エースとなるのが誰か分からない状況ですが、捕手の視点から見て軸となりそうな投手は誰ですか
軸になってるかは分からないですけど、軸になって欲しいし、軸にならなきゃいけないのは、3年生の菊地(恭志郎)さん。秋も1勝してますし、秋からでてきた選手だと思うんですけど、先発で使うにしろ後からだすにしろ、フル回転して抑えていかなきゃいけないピッチャーだと思います。

-昨年の最終戦の時に"加藤さんという大エースが抜けた来年こそ腕の見せどころ"ということを仰っていましたが、どのように魅せていきたいですか
加藤さんと組んだときは、本当に加藤さんに任せきりというか、僕がリードしているというよりは、もう加藤さんが好きに投げてください、みたいな感じだったんですけど、今年はやはりそうもいかないので、力だけで抑えられるピッチャーはいないので、配球とか、相手のデータをもっと頭にいれなきゃいけないですし、苦手なところとかも、もっと試合のなかで探っていったり、頭をフル回転させていかなきゃいけないなと思っています。

-相手打者の苦手な部分を探るためにノートをつけたりされてますか
 そうですね、ノートはつけてますね。去年のリーグ戦の映像も最近は見てますし、少しずつ、六大学は相手が5校しかいないので、覚えられるかなと思います。

-データを見ている中でこの人は手強そうだなという法大の選手はいますか
特に警戒するのは、やはり中山さんですかね。加藤さんも1発打たれてますし。結構、最初は外の変化球が苦手なのかなという印象だったんですけど、リーチも長くて届いたりするので。色々攻め方を考えているところです。

-チームとしては法大にどのような印象をもたれていますか
今の時点では一番力があると思っていて、新人戦を見る限りでは圧倒してましたし。あの面子が、多分そのままリーグ戦に来ると思うので、力だけでいうと、今六大で一番上じゃないかなと思っています。

-今年の目標を教えて下さい
個人としては、捕手としてベストナインを取れるような活躍をしたいなという思いはあります。

-ベストナインを取る上で、ライバルとなりそうなキャッチャーは誰だと考えますか
誰なんですかね?(笑)よく分からないですけど(笑)。結構キャッチャーはどこも新人というか、あんまり経験のないキャッチャーがどこもいると思うので、特に意識している人は今は無いですけど、それはどこも多分一緒なので。1シーズン出てるか出てないかくらいの差で、横一線だと思うので、頑張ります!

-今季の目標をお願いします
打率は3割後半くらいは打ちたいなと思っていて。打点を稼ぎたいなというのは、特に今年は思っていて。オープン戦では5番を任されることが多いですけど、僕が慶應の敵だとしたら、岩見さんとはあまり勝負しないと思うので、チャンスの場面では。勝負避けて、チャンスで僕にまわってきたり、勝負することが多くなってくると思うので。そうなると打点を稼ぐのが仕事かなと思っています。

-昨年の秋も6打点をあげられていますが
 あんまり覚えてないですけどね(笑)。割とランナーいるところで打ったような気はするんですけど(笑)。

-やはり6打点では少ないと思われますか
10は欲しいですね。

-最後に法大のファンの皆さんに一言お願いします
法政大学さんが強いのは重々承知なんですが、慶應のキャッチャーには僕がいるので、慶應大学には気を付けてください‼

(取材:中西陽香)

柳町達 外野手

ー昨季を振り返っていかがでしたか
最初は3番を打たせていただいてましたけど、あまり自分の調子が上がらずに打順を下げられて、そこからは打てるようになってきたので。下げられる自分の能力の無さというか、弱いところが出てしまったのかなと思ったシーズンだったかなと思います。

ー自分がここができたと思ったことや、逆にここがダメだったという部分はありますか
春に初めてプレーして、意外と自分の力が六大学に通用するという自信もありつつ、まだミスも目立ってしまって自分の弱いところが出たのかなというのを感じました。

ー高校での経験はやはり大学野球でも生かされていますか
高校でも色んな大会とか試合があって、でもやっぱり大学生と高校生は結構違う部分が多いという気はしています。

ー神宮で大声援の中でプレーされて、緊張などはありましたか
意外と緊張は無かったですね。試合中はあんまり緊張しないタイプなので大丈夫でした。

ー今年のこれまでの調子はいかがですか
まずまずという感じで、まだ始まったばかりで冬にバットを振ってきた分はスイングスピードなども上がってきているので、あとは投手と対戦する中で調整していけたら良いと思います。

ー現在、特に重視している練習は
今は体を大きくするというか、そんなに体が大きい方ではないので。あとはスイングスピードを速くしたり、外野の守備で送球の精度を高めることをやっています。

ー監督からは練習を通じてどんなお話をされましたか
監督からは体を大きくするとか、体力的なことをのばせと言われていて、冬の間は重点的にやってきました。

ー開幕に向けてはどういうことを調整したいですか
六大学の投手は球の速い人が多いので、そういう投手に対応できる打撃とか、2ストライクからの打撃が僕の課題なんですけど、そこを埋めていけたら良いなと思います。

ー柳町選手の普段のリラックス法やマイブームは
オフの日とかは温泉に行ってリラックスしたりしてます。マイブームはゲームですかね。PS4のコールオブデューティとかをやっています。

ー目標としている野球選手はいますか
元広島の前田智徳選手の打撃フォームは僕と少し類似点があると思っているので、参考にしています。

ーご自身のアピールポイントはどこだと思いますか
広角に打っていって、長打も単打もうっていけるという打撃ですかね。色んな打撃ができるところに注目してほしいと思います。

ー先輩から教えてもらうこともあると思いますが、先輩はどんな存在ですか
皆さん優しく接してくださるので、やりやすいというか心地よくやらせていただいて、僕も今年から後輩ができたので、自分もそうできたら良いなと思います。

ー慶大野球部の「誇れる」部分はどこだと思いますか
慶應のいいところは、自分たちで考えて、自分の思ったことを口に出したりそういう先輩と後輩のコミュニケーションだったり、意見を出し合ったりできる部分が良いところだなと思います。

ー法大投手陣の印象を教えてください
球速が150㌔近く投げる投手が多いというのが印象的で、球が強いというのは打者陣が嫌なことなので、そういう印象があります。

ー守っていての法大打者陣の印象はどうですか
中山選手とか小林選手とかは長打だったりどんな球にも食らい付いていくという感じなので怖さがあります。

ー今シーズンの目標をお願いします
個人では、打率とかよりは打点を意識して7から10以上は記録できたらなと思います。本塁打も打てれば良いですけど、そんなに打てる打者ではないので、そこまでこだわりはないです。チームは何があっても優勝するということが目標なので、優勝できるように頑張っていきたいです。

(取材:岡崎祐平)