ジャパネット杯「春の高校バレー」第74回全日本バレーボール高等学校選手権は、男女の準決勝が無観客で行われ、女子はノーシー…
ジャパネット杯「春の高校バレー」第74回全日本バレーボール高等学校選手権は、男女の準決勝が無観客で行われ、女子はノーシードの古川学園(宮城)が、インターハイ女王の下北沢成徳(東京)を3-1で破り、2年ぶりに決勝進出。1999年以来23年ぶりの優勝に王手をかけた。ドミニカ共和国からの留学生、タピア・アロンドラ(2年)が、身長195センチの高さで圧倒した。9日の決勝で2連覇を狙う就実(岡山)と対戦する。
鉄壁の盾にも、最強の矛にもなった。今大会最長身195センチの2年生エース、タピアが準決勝で大暴れ。インターハイ女王の下北沢成徳を相手に、レシーバーをはじく破壊力抜群のスパイクや、エースを封じ込めるブロックで両チーム最多の31得点を挙げた。23年ぶりの日本一に王手をかけ、流暢(りゅうちょう)な日本語で喜んだ。
「3年生が最後の大会だから、全部出してやろうと思ってやった。勝てて本当にうれしい」
第2セットを落とし、1-1で迎えた第3セット。ドミニカ共和国からの留学生に、スイッチが入った。「絶対に負けない」。最高到達点315センチの高さを武器にブロックの上から強打を連発。流れを引き寄せた。将来の日本代表候補と期待される下北沢成徳のミドルブロッカー、古川愛梨(2年)が目の前に立ちはだかる中、高さだけでなく、センターからライトに走りながら低く速いトスを打つブロードでも翻弄。器用さも発揮して、勝利につなげた。
身長は東京五輪の日本代表で最も高い荒木絵里香(引退)の186センチを上回る。昨秋のU18世界選手権に母国のドミニカ共和国代表として出場した逸材だ。「日本でバレーをやりたい」という熱い思いを抱いていたタピアに、岡崎典生監督(53)が声をかけ、古川学園に進学した。2019年12月に来日。キューバからの留学生、バルデス・メリーサ(現PFU)を擁して準優勝した20年大会は観客席で観戦した。先輩たちが悔し涙を流す姿を見ていたからこそ、「古川学園の目標は日本一」と頂点への思いは強い。
異国の地でバレー留学。本気な姿は仲間にも伝わる。同じ2年生でセッターの熊谷仁依奈(にいな)主将は、タピアについて「一切、手を抜かない」と証言する。チームのムードメーカーで、「皆が暗くなったときには笑顔で声をかけてくれる。プレーだけじゃないから、安心してトスを上げられる」と絶大な信頼を寄せる。精神面でも大黒柱になっている。
9日の決勝では1999年以来の優勝を懸けて前回女王の就実と激突する。「自分の仕事をしっかりやりたい。(決勝では)50点取りたいです。絶対」。最強のエースが、コートに君臨する。(武田千怜)
■タピア・アロンドラ 2004年5月19日生まれ、17歳。ドミニカ共和国出身。13歳でバレーボールを始めた。19年12月に来日し、留学生として古川学園に進学。昨秋には母国ドミニカ共和国のU18代表で世界選手権に出場した実績を持つ。古川学園では2年時から主力。ミドルブロッカー。195センチ。最高到達点は315センチ。