第74回全日本バレーボール高校選手権第1日(5日、青森西0-2熊本信愛女学院、東京体育館)全力で戦った。名門・熊本信愛女…

第74回全日本バレーボール高校選手権第1日(5日、青森西0-2熊本信愛女学院、東京体育館)全力で戦った。名門・熊本信愛女学院相手に力及ばなかったが、青森西の選手は急逝した監督の教え通り駆け回った。

「(監督の教えを)しっかり出し切れました」

先発でただ一人の3年生、沢野花梨(かりん)主将の言葉に思いがこもった。

2013年から率いてきた木村大地監督が昨年12月13日、46歳で死去。病名は非公表だが秋頃から体調を崩し、10月31日の春高青森県予選後に入院していた。11月中旬、大会プログラム用写真撮影で学校に姿を現した監督に「任せたぞ」と声をかけられた沢野。「あれが最後の言葉だった」。

当初は「受け入れられなかった」沢野らだが、他校の監督が練習を見てくれるなど周囲に支えられ、「先生がいてくれたことを残すためにも自分たちがやらなきゃ」と気持ちを振り絞った。

試合中、苦しいときはベンチの遺影に目をやった。「顔を見たら落ち着けといってくれると思って」と沢野。劣勢でも選手たちは笑顔を絶やさなかった。「笑顔でプレーしろ」。それは監督が言い続けた教えだった。(只木信昭)