5日に東京体育館で開幕した「ジャパネット杯 春の高校バレー」として行われる第74回全日本バレーボール高等学校選手権大会で…
5日に東京体育館で開幕した「ジャパネット杯 春の高校バレー」として行われる第74回全日本バレーボール高等学校選手権大会で、女子の青森西は指揮官不在で1回戦に臨んだ。チームを5大会連続出場に導いた木村大地監督=享年(46)=が昨年12月に急逝。選手たちは笑顔の遺影に見守られながら戦った。試合には敗れたが、沢野花梨主将(3年)は「力は出し切った」と語った。
「任せたぞ」。沢野が恩師にかけられた最後の言葉だ。体調不良を訴えた木村監督は全国大会に向けたチームの写真撮影に参加後の昨年11月に入院。そのまま帰らぬ人となった。「きょう1日は泣いてもいい。明日から春高に向けて頑張ろう」。訃報を伝えた中村卓也コーチは涙ぐむ選手たちにそう声をかけた。
だが、30分後には練習を始めていた。夏の高校総体後、ネットを男子の高さにしたスパイク練習を導入するなど、工夫を凝らして鍛えてくれた指揮官に報いるため、選手たちは必死だった。「他校の先生方も指導に来てくれた。悔しがっている暇はない」。唯一の3年生の沢野も後輩を励まし、この日に備えてきた。
1回戦の相手は強豪・熊本信愛女学院。青森県協会の斎藤達人理事長が監督代行を務める中、チームは粘り強く戦ったが勝利には届かなかった。タイムアウトの際、「笑顔で! 先生見てるよ!」と仲間を鼓舞した沢野は「頑張りました。3年間ありがとうございました」と天から見守った恩師に伝えた。(奥村信哉)