2022年はワールドカップイヤーである。夢のような時間がまたやって来るが、誤った方向へ進む危険性も浮上している。サッカ…
2022年はワールドカップイヤーである。夢のような時間がまたやって来るが、誤った方向へ進む危険性も浮上している。サッカーとワールドカップの未来を、サッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。
■カップ戦があるならリーグ戦があってもいい
ワールドカップを2年に一度開催することよりも、FIFAはもっとやることがあるのではないだろうか?
たとえば、「ワールドカップ」が存在するなら、「ワールドリーグ」があってもいいのではないだろうか?
サッカーの大会というのは、実力ナンバーワンを懸けて争うリーグ戦と、その協会が管轄するすべてのクラブに挑戦権が与えられるオープンなカップ戦が存在する。強豪同士が1年かけてホームアンドアウェー方式で争われるリーグ戦の勝者こそが、実力ナンバーワンであり、一方、カップ戦では弱小チームが王者を倒すジャイアントキリングが人々を楽しませる。
そして、「ワールドカップ」は予選やグループリーグではリーグ戦方式が採用されているが、現行方式ではラウンド16以降はノックアウト方式で優勝を争うカップ戦なのだ。
カップ戦が存在するのなら、世界のナショナルチームの実力ナンバーワンを決めるリーグ戦を組織してもいいのではないか。
交通手段が発展した現在であれば、不可能ではないはずだ。もちろん、代表チームの日程というのは非常にタイトなものになっているので、試合数を多くすることはできないだろうが、たとえば8チームのリーグ戦を行うとうすれば、ホームアンドアウェーで各チームが14試合を戦えばいい。リーグ戦を2年かけて行うとすれば、1年間当たり7試合である。
■ワールドカップとのリンク
移動の問題はあるが、現在でもアジアや南米の選手たちの多くはヨーロッパのクラブに所属しており、母国での代表戦の度に長距離移動を強いられている(日本代表やオーストラリア代表は、その移動問題に苦しんでいる)。たとえば、南米相手のアウェーゲームは2連戦として、ブラジルとアルゼンチンと戦うようにすれば、南米遠征は一度だけで済むはずだ。
ヨーロッパ各国の代表選手は、アジアや南米の選手のような長距離移動を強いられることはほとんどないが(ヨーロッパ大陸内での試合がほとんどだから)、彼らにも南米遠征やアジア遠征を経験してもらうことに問題はないはずだし、ヨーロッパの国の代表チームにとっても、タイプの違う他大陸の代表との試合を経験することは、けっして無駄ではないはずだ。
ワールドカップでラウンド16に進んだ国をディビジョン1として、8チームずつの2つのリーグに分けてホームアンドアウェーを開催。1位のチーム同士で優勝を争うような形式でワールドリーグは開催できるのではないか。そして、ディビジョン1のチームは自動的に次期ワールドカップの出場権を獲得できるようにすれば、試合数増大の問題は解決できるので、16チームによるリーグ戦だって可能かもしれない。
カップ戦であるワールドカップは、FIFA加盟国すべてに門戸を開かなければいけないので、大陸別予選の勝者がディビジョン2(つまり、ワールドカップ本大会でラウンド16に進めなかったチーム)に挑戦する権利を与える……。
■埼玉スタジアムで「日本対ブラジル」の真剣勝負も!?
集中大会であるワールドカップと違ってFIFAが収入を総取りすることはできないが、FIFAの総収入が増えることは間違いないし、ワールドリーグ参加国は入場料収入などの収入を得ることができる。
そして、ヨーロッパ大陸以外の国にとっては、ヨーロッパの強豪とホームアンドアウェーで真剣勝負をするという、強化のためのまたとない機会が得られるのである。埼玉スタジアムで日本対スペイン、日本対ブラジルといった真剣勝負が見られれば、こんなに楽しいことはない。
しかも、ワールドリーグを開催するだけなら、オリンピックなど他の大会との競合問題も解決できるし、ワールドカップの「2年に一度」開催よりも、ワールドリーグ開催の方がずっと魅力的だと思うのだが……。
まあ、これは初夢のような話なのですが……。