キャンパー森風美インタビュー後編「冬キャンプの楽しみ方」冬はキャンプのオフシーズンと思いきや、寒さ対策やリスク管理をしっかりとできればじつは魅力的な季節で、熱心なキャンパーたちの人気も根強い。冬キャンプの魅力とは? ハイレベルな"女子キャン…
キャンパー森風美インタビュー後編
「冬キャンプの楽しみ方」
冬はキャンプのオフシーズンと思いきや、寒さ対策やリスク管理をしっかりとできればじつは魅力的な季節で、熱心なキャンパーたちの人気も根強い。冬キャンプの魅力とは? ハイレベルな"女子キャンパー"としてさまざまなメディアで活躍中の森風美(もり・ふうみ)さんに、冬キャンプの楽しみ方や防寒のおすすめグッズを聞いてみた。 前編から読む>>
冬キャンプの楽しみ方について語った森風美さん
──まず、冬キャンプの魅力を教えてください。
森風美(以下、森) 虫が少ない。空気が澄んでいて、星がきれいに見える。夏に比べるとキャンプ場の利用者が少なくて静か......というのが魅力だと思います。私は季節を問わずいつでもキャンプをしていたいから冬も行くのですが(笑)。冬でもキャンプをすることを諦めたくなくて、行くためにはどうしたらいいのかを考える感じですね。
──どうしたらいいという結論になったのですか?
森 寒いと、耐え忍ぶだけのキャンプになってしまいますが、逆に言うと暖かくさえできれば、冬でも楽しめるということ。夏は涼しくできないけど、冬は暖かくできるから! 本当に初心者で、ギアがほとんどそろっていないなら、冬からキャンプを始めるのはつらすぎるし、危険ですのでやめたほうがいいけれど......。きちんと暖かくするためのグッズを用意すれば、楽しめますよ。
──冬キャンプで気をつけることは何でしょう?
森 とにかく暖かく! 寒さを甘くみてはいけません。適切な服装や寝袋の準備はもちろん、家にある羽毛布団や暖房器具などを持って行けるならしっかり活用してほしいですね。薪ストーブなど火が出る暖房器具を使うなら、火事や一酸化炭素中毒には細心の注意を払ってください。あと、忘れがちなのがスケジューリングの重要性。冬場は日照時間が短いので、あらかじめ日没時間を調べて、キャンプ場への到着や設営にかかる時間のシミュレーションをしておくことが大切です。
──キャンプで「暖をとる」といえば、焚き火ですよね。
森 暖かいのはもちろん、見ていて飽きないし、いい火を育てるのが楽しいんです。薪を組み直しながら、自分の思ったように火の形を変えたり、調理用のおき火にしたり。焚き火が終わりかけのひとときも好きで、炎を楽しんだあと、最後にまたたくメラメラ感を愛でたいんです。あぁ、終わっちゃうなって。線香花火の最後みたいな感じですね。
そんな焚き火を一番満喫できるのが、冬。暑い時期だと、熱くてちょっと距離が必要じゃないですか。冬は炎に近づいて暖かい。幸せです。
.....とはいえ、焚き火だけでは寒さの限界がくるんです! だから、開き直って「外で、中で過ごす」。つまり野外にいてテントの中で過ごす、おこもり時間を充実させるのもひとつの手。心地いい時間を過ごせる、冬キャンプのおすすめグッズをご紹介します。
●冬キャンおすすめグッズ(1)「こたつ」
テント内に置いたこたつに入って自由気ままな時間を過ごす
森 この冬、新たに導入したアイテムでポータブル電源を使って稼働。キャンプ場なのにこたつでゴロゴロしている、その相反する感じは夢のよう。ゲームをしたり漫画を読んだり、みかんを食べたり(私は苦手なので食べないですけど)、家と同じダラダラ感をあえてするのがぜいたく! 私のこたつは天板が60cm×60cmのミニサイズだから、ソロテントにもぴったりです。
●冬キャンおすすめグッズ(2)「湯たんぽ」
冬キャンプで持っていると心強い湯たんぽ。低温やけどには十分注意を
森 寝る時や外でごはんを食べる時に、足やお腹などをピンポイントで温められるのが、湯たんぽのいいところ。極寒だと寝袋に入っていても足先が冷えてくるので、これを足元に入れるのがお気に入りです。直火OKタイプや電気タイプもありますが、私はお湯を注いで使うゴム湯たんぽ派。軽量コンパクトで持ち運びしやすいです。
●冬のおすすめグッズ(3)「電気ブランケット」
電気ブランケットはキャンプ中のさまざまな場面で活躍
森 羽織ったり広げて掛けたりとユーティリティに使える電気ブランケットは、本当に便利。私は、座っている時は腰巻きに。寒い時は下から冷気がくるので、断熱することが大切。マットや座布団などと併用しつつ、お尻まわりをしっかり温めておきます。就寝時は寝袋の下に敷くと、ぬくぬくですよ。
●冬のおすすめグッズ(4)「プロジェクター」
小型のものが便利。テント内で投影してキャンプの夜を充実させよう
森 冬は日が暮れるのが早く、必然的に時間が長くなる夜はヒマになるんです。だから、小さなプロジェクターを使っておこもり時間を楽しみます。おしゃれな映画を見ると言いたいところですが、最近の私はもっぱらユーチューブでのeスポーツを観戦(笑)。スマホで観るより、テントに投影すると雰囲気がいいんですよ! グループキャンプなら、ボードゲームもおすすめです。
●冬のおすすめグッズ(5)「ポータブル電源」
ひとつ持っておくと有用なポータブル電源。災害時の備えにも
森 電源つきのキャンプサイトではなくても電化製品が使えるので、季節を問わず、最近のキャンパーの必需品。冬は電化製品が増えがちなので、活躍度が高まります。もしもの災害用にもなるから、いざというときの備えとキャンプでの実用性を考慮して、ひとつ持っておくといいですよ。
(終わり)
【Profile】
森風美 もり・ふうみ
年間100日はキャンプ場にいるキャンパー。女性向けアウトドアウェブメディア『なちゅガール』の編集長をはじめ、テレビ・雑誌・イベント出演など幅広い分野でキャンプの魅力を発信。著書に『はじめよう!ソロキャンプ』(山と溪谷社)がある。