今季最終戦JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ第3R 女子ゴルフの今季最終戦、国内メジャー・JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ(宮崎CC、6543ヤード、パー72)の第3ラウンド(R)が27日、行われた。23位から出た…

今季最終戦JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ第3R

 女子ゴルフの今季最終戦、国内メジャー・JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ(宮崎CC、6543ヤード、パー72)の第3ラウンド(R)が27日、行われた。23位から出た賞金ランク1位・稲見萌寧(都築電気)は7バーディー、4ボギーの69で通算1アンダーとし、15位に浮上。単独首位から出た賞金ランク2位・古江彩佳(富士通)は73で通算6アンダーとし、単独2位に後退した。賞金女王争いの行方は混沌としてきたが、稲見はシーズンを締めくくる最終Rに向け、「なるべくスコアを伸ばしたいです」と決意を口にした。

 最終18番パー4。稲見は5メートルのパーパットを外すと、3秒ほど動きを止めた。「もったいなかったです」。最終Rに向けて、「1つでも伸ばしておきたい」という思いがあったからだ。

 2019年大会は通算7オーバーで30位(32人出場)、20年大会は通算イーブンパーで15位(37人出場)、今大会は第2Rを終えて通算2オーバー。稲見は、苦手なコースで意を決して攻め続けた。パットはジャストタッチで距離を合わせるスタイルだが、芝目で左右される高麗グリーンに対応するべく強めに打ちだした。そして、前半は2番から3連続バーディー。後半も11番から3連続バーディーを決めた。

「パットは長いのも入りましたし、良かったです。ショットも切り返しで左にうまく体重が乗っていなかったのを修正して、昨日よりはましになりました」

 結果、稲見は同コースで初めての60台のスコアをマークした。ただ、順位は15位。自力で賞金女王を決めるには2位以内、古江が単独2位の場合は、13位以内に入る必要がある。さらに最終Rを66で回って通算7アンダーにしなければ、日本人選手では初のシーズン平均ストローク60台達成者にはなれない。

長いシーズンで2回、心が折れるも「そういう時こそ練習した」

 稲見自身はいずれの意識も口にすることはなく、「(上位を)気にする順位じゃないので」と言った。しかし、「明日もアンダーを出したいです。風が強い予報ですが、なるべくチャンスにつけて伸ばしたいです」とも言った。

 長いシーズンを振り返ると、「2回、心が折れました」と明かした。6月の宮里藍サントリーレディースで2位に4打差の首位スタートながら逆転負けを喫し、翌々週からは2試合連続予選落ち。この時点で1度折れ、もう1度は10月末に腰痛を発症して棄権と欠場を余儀なくされた際だという。しかし、いずれもその後に優勝を飾っており、「そういう時こそ、練習したからだと思います」と言った。

 まだ22歳。だが、賞金女王なるだけの風格はある。最終Rは自分の全てを出し切り、結果を待つつもりだ。

<賞金女王争いの状況>

 1位の稲見と2位の古江との差は、1696万8474円。今大会の優勝賞金は3000万円で、古江が逆転賞金女王に輝くには、最低でも単独2位以上になる必要がある。古江が優勝の場合は、稲見が単独3位(1200万円)以下、古江が単独2位(1800万円)の場合は、稲見が単独14位(96万円)以下になることが条件だ。88年のツアー制度施行後、最終戦で逆転して頂点に立った女王は5人いる。(THE ANSWER編集部)