まず登場するのは、大村晃央(社1=静岡・飛龍)と園田陽司(スポ1=福岡・博多)。デビュー戦となった東日本学生選手権の団…

 まず登場するのは、大村晃央(社1=静岡・飛龍)と園田陽司(スポ1=福岡・博多)。デビュー戦となった東日本学生選手権の団体戦で、ともに大学初勝利を飾った。期待のルーキー2人に、大学での生活やインカレへの意気込みを語っていただいた。

※この取材は10月23日に行われたものです。

「居心地が本当にいい」(大村)


稽古中の大村

――よろしくお願いします。まず初めに2人の対談ということで、お互いの人物像を紹介していただけますか

園田 こちらは静岡・飛龍出身の大村です。生徒会長を務めていた彼は、しゃべりがうまいです。MCなど司会をする面ではピカ一で、まとめ上手だと思います。

大村 こちらは博多高出身の園田です。軽量の部類で結果を残してきていて、大学に入ってからもすごいと思います。あとは『筋肉』ですね。彼を一言で表すと、筋肉です。筋トレで構成されています。

園田 (笑)

大村 筋トレとプロテインで園田の全てが構成されています(笑)

ーーそんな園田選手自身にとって、自慢の筋肉はどこでしょうか

園田 やっぱり腕になりますね。

大村 エグい太さです。

――お二人は、大学入学以前から名前を聞いていたなどはありましたか 

園田 大学の入試説明会でお互いのことを知った感じですね。室伏監督が説明してくださるときに、ZOOM上だったんですが。

大村 8月中だったと思います。

――では入学してから初めて対面した時、これからの同期に対してどんな第一印象を持ちましたか

園田 でかいなと。身長はあまり変わらないのですが、横にでかいので。

大村 その時は今よりも10キロ以上ありました。逆に自分は、博多のヤンキーが来たかと(笑)。筋肉がゴリゴリだったので、怖かったらどうしようかと思いました。

――また早大入学を決めた背景を伺ってもよろしいですか

大村 土屋先輩(和也、スポ2=静岡・飛龍)が居ることは関係なしに、初めからスポーツ科学を学びたいという理由で早稲田を目指していました。ですが実際に3年生になるとコロナで大会がなくなり、さらにスポーツ科学部に落ちてしまって、なんとか社会科学部に入りました。

園田 高1の終わりごろに、軽量級で日本2位になって、その時に監督に声をかけてもらったことがきっかけです。決め手としては、これまで人数が少ないチームで相撲をしてきていて、早大はこれまで自分がやってきた環境と似ていながらも強いチームなので、そこで切磋琢磨できたらなということで決めました。それから筋トレが好きなので。栄養学などスポーツ科学を学べば、筋トレに応用できるなということも、理由の1つです。

大村 いいこと言うなぁ。

――園田選手は高1の時に、結果を残していたんですね

園田 高1の3月で2位になって、来年優勝しようとしていたんですが、コロナがやってきてその大会から中止となり。そこからも大会は出てないですね。高1のところで結果を残せていなければ、早大進学も意識することはなかったと思います。

――大村選手は当初はスポーツ科学部を希望していたんですね

大村 それでも社会科学部は楽しいので、入ってよかったなって思います。

――大村選手と同じ飛龍高校で先輩の土屋選手が早大相撲部に居ます

大村 とても存在が大きいです。きっかけだけは先輩と関係ありませんが、早大を決める大きな理由の1つですし、受験にあたり相談にも乗っていただきました。

――ここまで入部から半年ほど経ちますが、現在の早大相撲部の魅力を教えてください

大村 他の相撲部と比べると、上級生との距離が近いことが挙げられます。居心地が本当にいいです。

園田 同じく距離が近いことと、自分たちでやっていく練習スタイルであるので、自分に向いていることがあります。高校の時は上からやれと言われ、やらされるような形だったのですが、今は自分のしたいペースで気楽にできています。

大村 自分のペースで取り組めることはいいよね。自由を重んじてくださっています。

ーー早大相撲部を支えてくださる、やくみつるさんや、安治川親方ともつながりがある相撲部ですが、実際に交流などされましたか

園田 やくみつるさんが、我々全員の似顔絵を描いてくださることがありました。普通は描いてもらえないので、とても嬉しかったです。

「行こうと思った時にすぐ行ける」(園田)


稽古中の園田

ーーここまでをもう少し振り返っていただきたいのですが、特にどんなことに苦労しましたか

大村 入学前の話になってしまうのですが、スポーツ科学部に落ちて、残り社会科学部に合格するしかないという時が厳しかったですね。もうこれ落としたら後がない、という状況で。毎日小論文を書いて、100本以上は書きました。もうあの頃には戻りたくないですね。

――そんな苦労を経ての合格は一段と嬉しかったですか

大村 安心ですね、ホッとしました(笑)

ーー園田選手も受験に苦労がありましたか

園田 文章力が自分にはなくて、面接もあるのですが、それが本当に苦戦しました。ひたすら小論文と面接の練習をしました。

――では入部以降では、どんな大変なことがありましたか

大村 あまりないですね。朝起きることが苦手で、高校の時は大変だったんですが、今は朝9時前に起床でいいので最高です(笑)。

園田 僕もあまりないのですが、ずっと実家暮らしだったので、いきなりの寮生活に初めは苦労しました。でもそれくらいだと思います。

――一方で、相撲部に入ってから特に楽しかったことや満足度の高いことはどんなことでしょうか

園田 試合はそんなに満足度は高くないですね。

大村 でも毎日楽しいですね。仕事があっても楽しいですし、やることがなくても楽しいです。

園田 筋トレが好きなので、ここは秒で筋トレに行くことができます。寮の目の前の建物に、ジムがあるので、行こうと思った時にすぐ行けるのが最高です!

――どれくらいの頻度で筋トレはしているのですか 

園田 毎日です。大学の授業がある時もですね。一日の中では多い時に2回で、平均的には1回だと思います。

――大学生活の方はいかがですか 

園田 野球部やウエイトリフティング部などスポーツ推薦で入った人が周りに多くて、スポーツをしている人とけっこう仲良くなっています。

大村 社会科学部はなかなか友達ができないんですよね。この相撲部で見ると自分は大きくはないですが、一般人と比べるとでかいので、なかなかしゃべりかけてくれないんですよね。困っています!

園田 それはあります! 女子からはやっぱり距離置かれがちなんですよね。

――ならではの悩みであったりしますよね。この記事を読んで、お二人がとっても優しい人柄であることが伝わればいいなと思います! またオフの時間ではどんなことをされていますか。園田選手は筋トレ以外もお願いします!

園田 筋トレを除くと、授業の課題と、寝ることが好きなので、音楽聞きながら寝たりしていますね。リラックスしていることが多いと思います。

大村 土曜日も授業があって、それが終わったらお昼寝をしています。あとは時間があれば先輩と一緒に遊んでいますね。

――先ほどあまり満足度は高くないとありましたが、夏にあった試合の方も振り返りたいと思います。まず7月に東日本学生選手権で団体戦がありました

園田 自分は元々メンバーに選ばれてなかったのですが、先輩のケガがあり、自分が入ることになりました。大学生になってから、周りが自分より実力ある人ばかりなので、試合で緊張することなく気楽に臨めたことはよかったと思います。緊張は全然なかったですね。

大村 いや僕は、初めの試合だけは本当に緊張しました。でも1勝してからは、緊張せずに相撲を取れるようになりました。

――また園田選手は9月に東日本学生個人体重別選手権(東日本)と全国学生個人体重別選手権に出場されました

園田 やったというほどの成績ではないので、あまり特別には思わないですね。東日本で3位になったことは嬉しいですけど、全国のベスト8に関しては全然です。もっと上に行きたかったです。

大村選手も東日本に出場されました

大村 楽しかったです。何も緊張せずに臨めました。そして同級生、園田の活躍に感化されました!

「取っていて楽しく、見ていて楽しい相撲を」(大村)


土俵を掃く2人

――インカレに向けても伺っていきますが、高校時代などこれまで全国大会への出場経験はありますか

園田 高校の時に何試合か出させてもらっていて、高1のデビュー戦が全国大会でした。小学校、中学校時代は九州地区止まりだったのですが、高校から全国に出させてもらっています。そこそこの経験があるぐらいです。

――やはり全国の舞台になると燃えるものがありますか

園田 高校の時は、全国になると緊張しましたね。今回は補欠なのですが団体戦での全国大会になるので、どれくらい気持ちの変化があるかはわかりません。

――大村選手も全国大会への出場経験がありますか 

大村 小、中学校の時は出ていたのですが、高校では先輩が強くて、1、2年とメンバーに入れませんでした。出られるはずであった高3になると、コロナで大会がなくなってしまいました。中3以来の全国大会になりますね。

――これからの4年間で達成したいインカレでの目標などはありますか

園田 自分は体重別の方に標準を当てていて、個人でインカレで上位に入れるビジョンは湧かないですね。インカレでは団体戦でベスト4には入りたいですね。

大村 自分も個人戦では楽しんで挑んで、団体戦ではメダルを取りたいですね。

園田 9月の体重別の方で、タイトルを取りたいと思っていますね。インカレは団体戦で頑張る、という感じです。

――その体重別では、お二人は同じ階級になりますか

園田 階級は違いますね、10キロほど自分の方が軽いです。

――将来的に同じ階級で争うこともあるかもしれませんね

園田 それは嫌ですね、練習で全く勝ててないので。

大村 いやいや本番に強い園田に、さらっとやられそうで怖いです(笑)。園田が階級を上げてきたら、自分が下げますね!

――先ほどと重なる部分もありますが、今大会での目標を教えてください

園田 補欠なので、試合に出られたらそこでチームに貢献することはもちろん、試合のアップ手伝いなどみんなのサポートをして、戦いやすい場を作っていきたいです。

大村 自分も同じく補欠なので、出るとなったら全力でやり、そして僕は雰囲気からチームを盛り上げていけたらなと思います。緊張をほぐしていきます。

雰囲気も大事になりますよね。今回は出場数は限られてしまうと思いますが、ご自身が目指す相撲はどんな相撲でしょうか

大村 取っていて楽しく、見ていて楽しい相撲を、大事にしています。押しを大切にしながら、変則的な動きも磨いていきたいなと思います。楽しいことが一番ですね。

園田 理想形はあまりないのですが、前に出ることをずっとやってきているので、居反りなどもかっこいいと思うのですが、押し相撲ですかね。

――今大会は、二見主将を送り出す試合にもなります。二見主将はどんな先輩ですか 

園田 とても優しく接してくれます。3つも学年が離れていますが、親しみやすい先輩です。

大村 話しやすくて、めちゃめちゃ優しいです。今の相撲部の良い雰囲気は、二見さんから優しさがにじみ出ているからだと思います。

――また3年、2年の先輩はどんな先輩方でしょうか

園田 全員が親しみやすい先輩ですね。

大村 うん、本当にそうです。

またマネージャー方はどんな方ですか 

園田 親しみやすいです。

大村 それしか言ってないな(笑)。

園田 ご飯の面も助かっていますが、事務系のこともすべて担当して下さっているので、本当にありがたいです。

――相撲部全員が親しみやすいですよね! 取材日の翌日にLIVE配信を予定するなど、相撲部でも新たに発信する機会を設けています

大村 新しいことに取り組むことは好きなので、楽しくやれていますね。これからもみんなで楽しみながら、やっていきたいです。

――では改めて、今回のインカレに向けて意気込みをお願いします

園田 団体戦では試合に出られる機会があれば全力で、また個人戦では爪痕を残せるように、頑張ります!

大村 個人戦では楽しんで、団体戦では応援頑張ります!

――ありがとうございました!


個性が光る2人

(取材・編集 樋本岳)

◆大村晃央(社1=静岡・飛龍)(※写真左)

2002(平14)年4月24日生まれ。165センチ。114キロ。静岡・飛龍高出身。社会科学部1年。色紙には「和み」という文字が。その言葉通り、周囲を癒す笑顔が印象的でした。元生徒会長だという大村選手の見事な司会進行は、相撲部のライブ配信からご覧いただけます。

◆園田陽司(スポ1=福岡・博多)(※写真右)

2003(平15)年3月14日生まれ。160センチ。77キロ。福岡・博多高出身。スポーツ科学部1年。1年生ながら、全国体重別選手権でベスト8入りを果たしました。ストイックに筋トレに励む園田選手。ベンチプレスはなんと150キロ上げることができるそうです。