【プレミアリーグ第9節 マンチェスター・ユナイテッドvsリバプール 2021年10月24日(日本時間24:30キックオフ…

プレミアリーグ第9節 マンチェスター・ユナイテッドvsリバプール 2021年10月24日(日本時間24:30キックオフ)】

 キックオフ時の熱は、一気に冷めた。前半の出来だけでも明暗はくっきり分かれていたが、後半開始から15分で、実質的に試合は終了した。

 試合に幕を引いたのは、ポール・ポグバだ。59分の自陣での守備で、スライディングタックルがファウルを取られた。当初の判定は警告だったが、VARの結果、レッドカードが提示された。5点を追うチームが10人になった。後半開始から交代出場していた選手が、わずか15分間のプレーで、皮肉な形で試合の行方を決定づけることとなった。

 ポグバのプレーに、弁護の余地はない。だが、マンチェスター・ユナイテッドというチームとしての未熟さを象徴したシーンであるとも言えるのだ。

■蚊帳の外に置かれたB・フェルナンデス

 試合開始から10分間、両チームのテンションは異常なほどだった。7万3000人を超える観客の声援にかき立てられるように、パスも選手の動きも驚くようなペースで展開されていた。開始4分のリバプールの先制点も、激戦の単なる予兆でしかないと思われた。事実、最初のビッグチャンスを迎えていたのはユナイテッドだ。先制点を奪われる1分前、左サイドからの展開で、ブルーノ・フェルナンデスのゴール前でのシュートにつなげていた。

 だが、ハイテンションの攻防が落ち着くと、差が見えてきた。

 2点を追う状況になった22分、リバプール陣でボールを長いことボールを回したユナイテッドのプレーは、結局サイドバックのルーク・ショーのミドルシュートで終わった。ボールがない位置での動きなど、連係は見られなかった。

 開始3分で、象徴的なプレーがあった。ユナイテッドの攻めは手詰まりとなったが、球際での奪い合いでフレッジにボールがこぼれた瞬間、クリスティアーノ・ロナウドマーカス・ラッシュフォードはすかさず前線へとダッシュした。このプレーが、先述したB・フェルナンデスのシュートにつながったのだ。

 フレッジからボールが出てくると、ユナイテッドの選手には分かっていた。だが、それしか策がなかった。

 左サイドでラッシュフォードが縦に抜けても、最後のプレーにつながらない。逆サイドのメイソン・グリーンウッドのアーリークロスは精度を欠いた。本来ならば違いをつくり出す役割のB・フェルナンデスは、守備では顔を出すものの、攻めでは蚊帳の外に置かれてしまった。

■C・ロナウドのいら立ちが誘発した警告

 そうして3点ビハインドで突入した前半アディショナルタイム、一気にチームは崩れた。

 ようやく相手のハイラインの裏を取れたC・ロナウドだったがシュートを決め切れず、DFが倒れ込みながら腹部でキープしたボールに蹴りを食らわせた。判定はもちろんイエローカード。

 このFKが自陣に送り込まれると、フレッジがラフな守備で警告頂戴の列に続く。さらにこのFKの流れから、致命的と言える4ゴール目を献上したのだ。

 後半開始からポグバを入れて反撃に移ったユナイテッドだが、開始1分でB・フェルナンデスが受けた警告が、流れが変わっていないことを示していた。C・ロナウドのいら立ちが誘発した危うい熱に浮かされるように、ポグバはピッチを去ったのだ。

 引く場面、前からプレスをかける場面と、守備においても意思統一がなされているリバプールとは、大きな差があった。その違いが、本拠地での0-5という屈辱となって表出した。

■試合結果
マンチェスター・ユナイテッド 0-5 リバプール

■得点
5分 ナビ・ケイタ(リバプール)
13分 ディオゴ・ジョタ(リバプール)
38分 モハメド・サラー(リバプール)
45+5分 モハメド・サラー(リバプール)
50分 モハメド・サラー(リバプール)

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