最後の打者をキャッチャーフライに打ち取り、笑顔で吠えた。この日も、スコアボードに0を並べた。東京六大学秋季リーグは18…

 最後の打者をキャッチャーフライに打ち取り、笑顔で吠えた。この日も、スコアボードに0を並べた。東京六大学秋季リーグは18日、神宮球場で第5週の2試合を行い、早大は第1試合で明大に3-0で勝利。11日の「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」で楽天から6位指名を受けた西垣雅矢投手(4年)が、9回142球を投げ8安打11奪三振。今季2度目の完封勝利を挙げた。

 変化球中心で、直球をアクセントにしながら、明大打線に得点を許さなかった。この快投で、9月19日の立大1回戦の6回から、実に30イニング連続無失点だ。先発した直近3試合ではいずれも9回無失点の投球を披露している。「ある程度思ったところにボールをコントロールできていた。しっかり相手バッターを見ながら投げることができました。フォークと要所の真っすぐが良かった」と充実感を漂わせる。さらに1年秋以来となる、無四球完封のおまけつきだった。

 プロの世界で、精密なコントロールで鳴らした小宮山悟監督も、右腕を称えた。「ここまで点を取られないとは思っていなかった。プロに出しても恥ずかしくないレベルのピッチャーにはなったと思っています」とまで言わしめた。

 

最後の打者をキャッチャーフライに打ち取り、笑顔を見せる【写真:小林靖】

 

 春は5位に沈んだ早大。徳山壮磨投手(4年)に続く2戦目の先発を務める西垣は、1勝も挙げられず0勝3敗に終わった。夏を経て、秋の初戦となった9月19日の立大1回戦に先発するも、7回3失点で負け投手となった。

「立大戦で140キロ後半が出ても、打たれるということが分かったので、その中で何か変えないといけないなと思って……」

 改めてフォームの力みをなくし、コントロールを身に付けようと取り組んだ。カウント球としても勝負球としても使えるスライダー、フォークなど、変化球を主体にした投球で活路を開いた。

 今季初完封を記録した3日の東大2回戦後には「夏に球が速くなって、自分は球が速いピッチャーだと勘違いしていました……」と口にし、隣の小宮山監督を失笑させた。夏場にはウエートトレーニングの成果もあり、オープン戦で初めて球速150キロを計測。それに甘えてしまっていた。秋の活躍は、もう一度自分の投球スタイルを見つめ直した結果だ。

 指揮官は「150キロが出て、本人も相当大きな自信になったと思うんです。速いボールを投げられるピッチャーだけれど、上手に相手のバッターを見ながら、タイミングをずらしたりするコツみたいなものを掴んで、オープン戦でいい形で投げ続けていた」と右腕の成長に目を見張っていた。

 残るは30日からの早慶戦だ。早大は現在4勝2敗2分け、勝ち点5で立大を追う2位。他校の結果次第では、優勝決定戦となる可能性もある。「ここまでいい形で試合ができているんですけど、早慶戦に勝たないと意味が無いと思っているので、泥臭く練習していきたいです」。1年春から毎シーズン投げてきた神宮のマウンド。“伝統の一戦”で、4年間の集大成を披露する。

 

(Full-Count 上野明洸)