前川右京 (まえがわ・うきょう)●守備 外野手●身長・体重 177cm・90kg●生年月日2003年5月18日●所属 智辯学園高●球歴 一身田中(津ボーイズ)→智辯学園高●出身地 三重県●投打 左左【写真提供=共同通信】運命のドラフト会議を…
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智辯学園の長距離砲といえば巨人の岡本和真内野手が浮かぶ。岡本の打球は滞空時間の長い高く上がるイメージ。対して前川はライナー性の弾道が多い。それがスタンドに届く。
今春の近畿大会で両翼100メートルの滋賀県の皇子山球場で右翼に本塁打を放った。
小坂将商監督は「岡本より飛ばす力がある。過去に見てきた左打者ではナンバーワン。球をつぶして飛ばす」と評する。これまで金属バットが10本ほど、ヒビが入って使い物にならなくなったとか。
1年生の春から5番レフトでレギュラー。1年の夏の県大会で4番に座る。打率.308、5打点を残した。
2019年、甲子園ではデビュー戦、八戸学院光星戦で2打席連続のタイムリーを放つも敗戦。直後の秋の県大会で打率.587、7ホームランと爆発。近畿大会1回戦でライトとセンター越えに2打席連発した。
2年秋は近畿大会で3番に入り優勝。決勝の大阪桐蔭戦でライトに特大のホームランを打った。
「生涯最高の当たり」と自画自賛。
ただ、今年のセンバツはベスト8に進出したが自身は単打の2安打のみにとどまった。
夏の奈良県大会は1番バッターに。「力みが取れた」と打率.643をマークした。そして、今年の夏は好調を持続。プロ注目、相手チームの警戒がある中で結果を残した。6試合で打率.455、2本塁打、7打点。
本塁打は2本とも高校生離れした打球だった。まず横浜戦ではライナーでバックスクリーン左に突き刺し、日本航空戦は「左投手から打てて収穫。体が開かず打てた」と右中間に自ら納得の当たり。勝負を避けられがちだったが、「1球で仕留められるように練習してきた。誰よりもスイングをしてきたつもり」という。岡本から譲り受けた木製バットを1日1200スイングした日もあったという。そんな努力を見せられただろう。
大会も雨で順延されたが、決勝までの長い期間、調子を維持した対応力も見せた。決勝では低めのボールにもコンパクトに振っての3安打は見事。
本人は「まだインパクトの時に力が入ってしまうので、岡本選手みたいな柔らかいバッティングもできるようにしたい」と目標を掲げた。
現在の体重は中学3年夏から約25キロ増の88キロに。これは兄の助言だという。
セ・リーグスカウトが成長を評価する。
「気負っていた春から修正していた。スイング軌道が水平になってミート率が上がっている。間を取れるようになってボールを呼び込めている。ボールとバットのインパクトの角度がいい。左投手も気にしないし、守りでは外野の好返球もあった」
高校通算37本塁打。オリックスの吉田正尚のようなタイプと言われる。