開幕2連敗の嫌なムードを、エースの投球が振り払った。東京六大学秋季リーグ戦が2日、神宮球場で行われ、早大は23-1で東…

 開幕2連敗の嫌なムードを、エースの投球が振り払った。東京六大学秋季リーグ戦が2日、神宮球場で行われ、早大は23-1で東大に大勝、今季初勝利を挙げた。先発した徳山壮磨投手(4年)は、6回1/3を投げ5安打8奪三振。7回途中にふくらはぎがつり降板したが、最速149キロの直球を軸に東大打線を抑え込んだ。

 自身も納得の投球だった。「変化球でカウントを取れたのもそうですし、決めるところでストレートをしっかり投げ切れたのが良かった」と笑顔を見せる。プロ志望届を提出し、この日が10月11日のドラフト会議前最後の先発。それでも「そこまで意識はしていませんでした。勝てたことが一番」。チームのことを第一に考える右腕は、淡々と振り返る。

 大阪桐蔭高時代はエースとしてチームを選抜優勝に導き、早大でも1年春からリーグ戦に登板。その秋の右肩故障からもリハビリを経て復活し、3年春には最優秀防御率のタイトルを獲得した。

 早大のエースナンバー「11」を背負った最終学年はエースとして大車輪の活躍が期待されたものの、春はフォームを崩し苦しんだ。上半身と下半身のバランスが合わず、ボールがシュート回転。持ち味でもある低めから伸びるストレートが影を潜めていた。小宮山悟監督も春には「自分の中である程度完成したものを持っている。その選手がそれを忘れて、もがいている状況だった」と頭を抱えていた。

 

早稲田のエースとして、ラストシーズンに臨む【写真:中戸川知世】


 この秋初登板となった9月20日、立大2回戦でも結果は残せなかった。先発して7回を投げ10安打5失点。「準備してきたつもりでしたが、結果がこうなってしまって、チームのみんなに申し訳ないです」とうつむいていた。それでも、春よりもボールにはスピンがかかり、平均140キロ台後半の直球を投げ込めるようになっていた。夏場にフォームの軸がブレていたのを修正し、持ち味は戻りつつある。

 1年春から投げ続けたリーグ戦も、残るは7試合。「自分のやってきたことが間違いじゃないんだってずっと思ってやってきた。神宮球場を噛み締めながらじゃないですけど、真剣勝負できるのはこの秋が最後。とにかくぶつかって、自分の力を出し切って、その中でチームに貢献したい。飛ばして投げたいなと思います」と意気込みを口にする。

 春はチームも5位に終わる悔しさを味わった。秋はエースとしても、チームとしても“見返す”ラストシーズンにする。

(Full-Count 上野明洸)