2021年9月19日、東京六大学野球秋季リーグが開幕。第2試合では春季優勝の慶大が東大に15対1で圧勝した。開会式で選手宣誓をした福井。「試合に影響が無いように」と2週間前に原稿を書き上げ、野球部先輩のNHKアナウンサー・小原和樹氏に添削…

 2021年9月19日、東京六大学野球秋季リーグが開幕。第2試合では春季優勝の慶大が東大に15対1で圧勝した。

開会式で選手宣誓をした福井。「試合に影響が無いように」と2週間前に原稿を書き上げ、野球部先輩のNHKアナウンサー・小原和樹氏に添削を頼むほどの周到な準備で大役を全うした

 全日本大学野球選手権でも日本一に輝いた慶大打線が序盤から東大投手陣を攻め立てた。先頭の渡部遼人(4年・桐光学園)と2番・福井章吾(4年・大阪桐蔭)の連打でチャンスを作ると、その後相手投手のパスボールで先制に成功した。

すると、2回から5回までに毎回得点を奪うなど、終わってみれば合計15得点を挙げた。渡部は3安打、福井は三塁打や二塁打も放って3安打3打点、3番の廣瀬隆太(2年・慶應義塾)が2安打1本塁打4打点と、4番の正木智也(4年・慶應義塾)は 3三振2四球に終わったが、春とは違う打順を組んだ打線が大いに機能した。

 投げては先発の森田晃介(4年・慶應義塾)が6回4安打1失点にまとめ、7・8回はリーグ戦初登板の笠井建吾(4年・明和)が140キロ台後半の力強いストレートで無安打に抑えるなど東大打線に反撃をほとんど許さなかった。

 堀井哲也監督は「相手のミスなどもありましたが理想的に点が取れました」と試合後に振り返り、正木についても「彼にはみんなが打てない時に打ってくれればいいですから」と心配をしていない様子だった。
 
 一方、東大は井手峻監督が「守りを固めようとやってきたのですが・・・」と嘆いたように、守備が大きく乱れ完敗。春季最終戦の法大戦で4年ぶりの白星を挙げたが、秋季は幸先の良いスタートを切れなかった。

「ストレートを磨いてきて、今日は差し込むこともできたので、やってきた成果が出せました」と話した森田

■慶應義塾大vs東京大1回戦
慶大 141430101=15
東大 000100000=1
【慶】○森田、笠井、生井-福井
【東】●井澤、古賀、小宗、松岡由、西山-松岡泰
本塁打:慶大・廣瀬(2回2ラン)

◎福井章吾主将(4年・大阪桐蔭)
「(新打順について)1番と3から5番を繋ぐ役割として相手にとって嫌なことをしていきたいと思っています。(開幕が延期されたが)コントロールできることをコントロールしようと堀井監督もお話されていましたし、春はリーグも選手権も最初の試合が良い内容ではなかったので、1試合目の1球目や1歩目を大事にしてきました」

7回からリーグ戦初登板した笠井は豪速球で観客を沸かせた

文・写真=高木遊