森保一監督が率いるサッカー日本代表が、2022カタールワールドカップ出場を懸けて臨んだアジア最終予選の初戦は、ホームで0…

森保一監督が率いるサッカー日本代表が、2022カタールワールドカップ出場を懸けて臨んだアジア最終予選の初戦は、ホームで0−1という敗戦となった。2大会連続で初戦を落とした日本代表は、6チームホームアンドアウェーの総当たり全10戦を戦い抜き、ワールドカップ出場を手にすることはできるのかーー。取材歴50年を超える大住良之、後藤健生のサッカージャーナリストが縦横無尽に語り尽くす!

後藤「前半は危ないところがほとんどないような試合で、こっちが慎重すぎて点が入らなかった感じ。それで、いずれは1点を取って勝つんだろうなと思っていたけどね。それが、後半にゲームが動き出してからおかしくなっちゃった」

大住「あのVARで救われたあとは精彩がなかったね」

―51分に、日本のペナエルティエリア内でオマーンのクロスが長友佑都の手に当たった、という判定で、PKの判定。VARチェックで判定が変更されてPKが取り消されました。

後藤「VARがきっかけで日本にスイッチが入るのかなって思っていたら、逆にオマーンにスイッチが入っちゃった。向こうがだんだんと自信をもってきた」

大住「そうなんだよ。本当はあれで“よっしゃ儲けもの”って雰囲気にしなくちゃいけないのに、逆だったからね」

後藤「今日の前半のような試合だと、どういう風にスイッチが入るかが問題になってくる。

 最も良いのは選手が考えてなにかしらの形でスイッチを入れる、もしくは監督が選手を入れ替えたりシステムを変化させてスイッチを入れる。それができない場合は、偶然にトル点が入った、点を取られちゃった、あるいは誰かが退場になった、そういったきっかけでゲームが動くことがある。

 それで今回は、あのVARがきっかけになるかなと思ったら、日本にとっては何にもならなくて、逆にオマーンのきっかけになってしまった」

大住「あの直後にはたしかに良い攻めがあったんだよね。酒井宏樹のクロスに、長友が飛び込んでヘディングしたやつ。あれを決められるのが強いチームなんだよ。ああいうできごとがあった直後に、点を入れることができる」

後藤「しかも、ハンドでPKを取られかけた長友が決められていたら、それこそ絵に描いたような展開だったよ」

大住「そう。そのへんがなんか元気がないというか、覇気がないというか」

■「今回は負け方が大問題」「シュート数でも負けてる」

―試合の冒頭からハツラツとしていませんでしたね?

後藤「やられちゃった守備にも問題があったけど、今回はなんといっても点が取れなかったことが問題。たしかにサッカーというのは、いくら攻めても点が取れない時はある、それで0-1で負けてしまうことだってある。キーパーが当たりまくってチャンスがたくさんあったのに決められなかったとか、ポストやバーを叩いてしまったとか、そういうのは仕方ない。

 けど、今回はそうじゃない。良い攻めができずに負けてしまったんだから、それは大問題だよ」

大住「記録用紙を見ればわかるんだけど、シュートの数だってオマーンのほうが多いんだよね。日本は9本、オマーンは12本。ボール支配率こそ日本は60.6%って書いてあるんだけど、オマーンがいったんボールを持つと、なかなか取り返せなかったしね。

 日本が一生懸命にプレスをかけているのに、オマーンはそれをかいくぐって展開もしていた。それから個人的なプレーも、“うまくやってやろう”というのが嚙み合っていた。最後の点を取られた時なんか、20番のサラー・サイド・アルヤヒアエイが囲まれていたのに、そこを外して、味方のワン・ツーで抜けだしていたし」

後藤「あの時間帯は、日本の左サイドで何回もやられていたね」

大住「そう。つまり何が言いたいかというと、攻撃ができなかった、そしてシュートを打つ形ができなかった。それじゃあ勝てないし、0-0の引き分けで御の字のような試合になるよねってこと」

後藤「僕も後半30分くらいからは、“今日は無事に引き分けで終わりかな”って見ていたんだけどね。向こうも引き分けで喜ぶだろうけど、まあ仕方ないかって」

大住「そうそう。もしかしたら埼玉スタジアム2002で試合をやっていたら、なんか劇的なゴールがあったかもしれない」

後藤「ははは」

大住「山口蛍が決めるとかさ、久保竜彦が決めてくれるとか」

後藤「ははは。じゃあ、監督はジーコに代えよう」

■「鎌田は名前が出ないくらいよくなかった」

―試合に変化をつける役目は柴崎、鎌田大地で、元気を与えるのは吉田麻也の仕事かな、と思って見ていたのですが。

大住「今まで名前が出てこなかったけど、鎌田大地もよくなかったね」

後藤「名前が出なかったくらい良くなかった」

大住「ミスも多かったし。6月くらいまでの鎌田とは、なんか違う気がしたよね」

後藤「柴崎岳は錆びついちゃってるかな……」

大住「よく走ってはいたけどね」

後藤「うん。けど、田中碧だったらな……」

大住「それは言わない約束でしょ」

後藤「言っちゃダメだった?けど、今からでも田中を呼ぼう。カタールならドイツから近いんだから」

―田中なら、もっと前に入っていく事もやってくれたような気はしますね。

大住「前につけるプレーが上手いからね」

後藤「田中と遠藤航は、ずっとオリンピックで一緒にプレーをしていたからね。コンビネーションができているから2人でもっとできるだろうし」

大住「やっぱりサッカーは、いかに前につけるかなんだよね。前につけて、そこで相手がドタバタする、そういうのがなければ崩せない」

後藤「そこで、前で収めてくれる唯一の選手として大迫勇也が使われているのに、今回の試合では全然できなかったね」

大住「大迫がターゲットにされていることや、相手は日本のやり方をよく知っているんだよ。大迫がポストプレーをやって、そこから展開する。だから、“大迫には絶対に渡すな”、“フリーでやらせるな”っていう指令で相手は動いた。それはもうすごかったよね?」

後藤「すごいけどさ、オマーンの守備にやられてそれでダメでした、ではワールドカップで戦えないよ」

大住「そりゃそうだ。けど、その時に鎌田がうまい動きをしてさ、大迫が受けにきたところを逆を取って鎌田が受ける、そんな動きができていたらもっと変わるんだけどね。そういうのも無かった」

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