2度目の挑戦が、スタートした。 昨季限りでジネディーヌ・ジダン前監督が退任したレアル・マドリードは、後任としてカルロ…
2度目の挑戦が、スタートした。
昨季限りでジネディーヌ・ジダン前監督が退任したレアル・マドリードは、後任としてカルロ・アンチェロッティが新監督の座に就いた。2013年から2015年までチームを率いたイタリア人指揮官に、セカンドチャンスが与えられた格好だ。
■伸び悩んでいたアセンシオの配置転換
前線では、アンチェロッティが率いるレアル・マドリードにおける特徴が見られた。さらに変化が起きそうなのが中盤の構成だ。
開幕節のアラベス戦で、アンチェロッティ監督は試合終盤にマルコ・アセンシオを投入。第2節でも後半から彼をピッチに送り出した。特筆すべきは、その位置だった。イタリア人指揮官はアセンシオを右インサイドハーフに配置したのである。
アセンシオは2016年夏にR・マドリードに加入した。当時のマジョルカで期待のヤングプレーヤーとして注目を浴び始めたアセンシオを、移籍金390万ユーロ(約5億円)でR・マドリードが確保した。
エスパニョールへの1年間のレンタルを経てR・マドリードに復帰したアセンシオは、ジョーカー的な存在として欠かせない選手になった。クリスティアーノ・ロナウドが去って以降は、絶対的な主力になることが期待された。しかしながら、負傷による長期離脱の影響もあったためか、少し伸び悩んでいた。
■チーム事情にも合致する「インサイドハーフのアセンシオ」
アセンシオの特徴は、パンチの効いたミドルシュートと推進力のあるドリブルだ。一方で、ベイルのようなスピードや、ヴィニシウスのような突破力は持ち合わせていない。そのアセンシオを生かせるポジションは、ジダン前監督が使っていたウィングではなく、インサイドハーフなのである。
今季、ウィングのポジションでは、アザールやベイルの復活が期待されている。そして、ヴィニシウスやロドリゴといった若きアタッカーを育てながら、アンチェロッティ監督は戦っていくつもりだろう。加えて、キリアン・ムバッペ(パリ・サンジェルマン)獲得の噂が絶えない。前線にはスピードとパワー、さらに決定力を兼ね備えた選手が、必要とされているのだ。
アセンシオは、R・マドリード加入以降、公式戦195試合に出場して37得点を記録している。そもそも、それほど得点力のある選手ではないのである。
ただ、先述したように、彼は強烈なミドルシュートでゴラッソを沈められる。そのためには、サイドに置かれてカットインしてシュートを放つより、ある程度距離のあるところからシュートを打つ機会が多い方がいい。また、ミドルゾーンでは、アタッキングゾーンよりスペースがあり、マークも緩くなる。
アセンシオをインサイドハーフに置くのは、選手の特徴を生かすために、さらにはチーム事情に顧みても合致している。
この夏、マルティン・ウーデゴールのアーセナル移籍が決まった際、アンチェロッティ監督は「彼のポジションには8人の選手がいる」と語っていた。カゼミーロ、モドリッチ、トニ・クロースの盤石の中盤に、バルベルデという若手の台頭があり、そこにアセンシオやダビド・アラバをコンバートしながら加えていくのであれば、新生R・マドリードの戦術の深みは増すはずだ。