元世界女王のシモナ・ハレプ(ルーマニア)が「WTA1000 シンシナティ」(アメリカ・シンシナティ/8月16日~8月22…

元世界女王のシモナ・ハレプ(ルーマニア)が「WTA1000 シンシナティ」(アメリカ・シンシナティ/8月16日~8月22日/ハードコート)の初戦を突破し、5月以来となる勝利をあげた。WTA(女子プロテニス協会)公式サイトなど複数のメディアが報じている。【実際の動画】久々の勝利を決め、胸の前で十字を切るハレプ

ハレプは5月に行われた「WTA1000 ローマ」で負ったふくらはぎの怪我に悩まされ、先週の「WTA1000 モントリオール」でようやく復帰したものの、およそ3ヶ月ぶりとなったその試合ではフルセットの末に世界ランキング28位のダニエル・コリンズ(アメリカ)に敗れて初戦敗退を喫していた。離脱期間中にハレプは「全仏オープン」「ウィンブルドン」「東京オリンピック」などを逃し、8月9日付けの世界ランキングでは13位となって7年ぶりにトップ10から陥落している。

そんなハレプは第12シードとして「WTA1000 シンシナティ」に出場し、初戦で世界44位のマグダ・リネッテ(ポーランド)と対戦。2時間10分に及んだ試合の中でハレプは太ももの怪我、雨による中断、そして手強い相手をすべて克服し、6-4、3-6、6-1で5月以来の白星を手にした。勝利が決まった直後、ハレプは胸の前で十字を切り、天を仰いだ。

この試合、まだ本調子ではないハレプは第1セットを取ったものの、第2セットではリネッテに主導権を握られる。ゲームカウント1-4となったところでハレプは右太ももに痛みを感じたためメディカルタイムアウトを取り、再開後に2-4となった時点で今度は雨によって試合は1時間ほど中断。その後リネッテが第2セットをモノにしたが、第3セットでは一変してリネッテのグラウンドストロークやリターンでの失敗が続き、ハレプは最初の3つのサービスゲームで迎えた7つのブレークポイントを凌ぐことができた。リネッテは自身のサービスゲームでもミスが目立ち、瞬く間に勝負が決まった。

ハレプは「個人的には競り合った試合だったし、二人とも良いプレーをしていたと思うわ。雨による中断のおかげでエネルギーを回復できて、第3セットでは肉体的にも精神的にも強くなれた」と試合後にコメントしている。「WTA1000 シンシナティ」で2015年、2017年、2018年に準優勝しているハレプは、この試合で26本のウィナーと26本のアンフォーストエラーを記録。プレーが安定しない中、11本のサービスエースのおかげで何度もピンチを迎えながらも持ちこたえることができた。

試合中の怪我についてハレプは「ただ筋肉が収縮していただけで、雨で中断している間に理学療法士と治療を行うことができたわ」と話し、「だいぶ良くなったから、明日は最高のパフォーマンスを発揮したい」と意気込みを見せた。2回戦では「WTA1000 モントリオール」で準決勝にまで進み、キャリア最高のシーズンを送っている世界30位のジェシカ・ペグラ(アメリカ)と初めて対戦する。

試合後の記者会見で今後の目標を聞かれたハレプはこう答えている。「今の一番のゴールは、怪我をせずにできるだけプレーを続けること。家でいくら練習を重ねても本番での経験にはかなわないから、できるだけ多くの試合に出場したいと思っているわ。自信をつけるには試合に出続ける必要があるし、それがこの先の勝利につながればいい」

なお、第3シードとして「WTA1000 シンシナティ」の女子ダブルスに出場している青山修子(日本/近藤乳業)/柴原瑛菜(日本/橋本総業ホールディングス)組は、初戦でエレナ・オスタペンコ(ラトビア)/ジル・タイヒマン(スイス)組を6-3、6-3とストレートで下し、準々決勝に駒を進めている。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「WTA1000 シンシナティ」でのハレプ

(Photo by Dylan Buell/Getty Images)