3月15日、「2017 WORLD BASEBALL CLASSIC™」(以下、WBC)の2次ラウンド・プールEの最終戦が東京ドームで行われ、侍ジャパンは今大会躍進を続けてきたイスラエルに8対3で破り、プールE1位で準決勝進出を決めた。写真…

3月15日、「2017 WORLD BASEBALL CLASSIC™」(以下、WBC)の2次ラウンド・プールEの最終戦が東京ドームで行われ、侍ジャパンは今大会躍進を続けてきたイスラエルに8対3で破り、プールE1位で準決勝進出を決めた。

写真提供=Getty Images

★千賀、平野がこの日も

この日の結果次第(延長無しの5失点以上の敗戦)では順位決定プレーオフに持ち込まれる可能性もあった侍ジャパンだったが、今大会初先発に抜擢された千賀滉大投手(ソフトバンク)が試合の流れを作る。

初回の先頭打者こそ安打を許したものの、以降は無安打に抑え、5回1安打無失点とイスラエル打線を封じ込めた。6回からマウンドを譲り受けた平野佳寿投手(オリックス)も、この日も生まれた菊池涼介内野手の好守(一、二塁間の打球をダイビングキャッチし、難しい体勢のまま正確な送球)などもあり三者凡退に抑えた。

すると、この守備で生まれたリズムが6回裏、無得点が続いていた侍ジャパン打線に乗り移る。

先頭打者の筒香嘉智外野手(横浜DeNA)が甘く入ったストレートを振り抜くと、打球はバックスクリーン右横深くに飛び込む先制本塁打となった。さらに侍ジャパンは、その後も打線が繋がり、松田宣浩内野手(ソフトバンク)、小林誠司捕手(巨人)、菊池のタイムリーでこの回一挙5得点を奪った。

さらには8回にも、坂本勇人内野手(巨人)と松田のタイムリーで3点を追加し、ダメ押し。最終回は抑えの牧田和久投手(西武)が3点を失うも、最後は見逃し三振を奪い試合終了。

侍ジャパンが1次ラウンドに続き、2次ラウンドも3連勝を挙げ、準決勝進出を決めた。

準決勝はアメリカ・ロサンゼルスのドジャースタジアムで3月21日に行われる。相手は現在、ドミニカ共和国、アメリカ、プエルトリコ、ベネズエラの4カ国で争われているプールFの2位国。

小久保裕紀監督は「まともにいけば、なかなか勝てない相手です」と警戒し、「その中で調子や現地の環境に合っているかどうかを見極めながら選手起用していきたいです。まずは準決勝に向けてしっかり準備をしたいです」と抱負を冷静に語った。

世界一奪還まであと2勝。侍ジャパンの快進撃は海の向こうアメリカでも続くのか。その戦いぶりに、より大きな注目と期待をしたい。

◎イスラエル・ウェインスタイン監督

「27個目のアウトが取られるまで全力で戦えたことを誇りに思います。今大会の結果が、イスラエルの

野球の未来を明るくしてくれることを願います」

◎千賀滉大投手(ソフトバンク)

「とにかくゼロに抑えたい一心でした。フォークは良くありませんでしたが、その中で(小林)誠司さんがストレートと変化球を生かした良いリードをしてくれました」

◎筒香嘉智外野手

「千賀と平野さんに良い流れを作っていただいたので、あの本塁打が打てました。チームが勝てればそれで良いので、準決勝に向けて最高の準備をしていきたいです」

文=高木遊