■FW豊田に加え、守備陣も次々獲得した栃木 サガン鳥栖から元日本代表のFW豊田陽平を完全移籍で獲得したのに加えて、栃木…

■FW豊田に加え、守備陣も次々獲得した栃木

 サガン鳥栖から元日本代表のFW豊田陽平を完全移籍で獲得したのに加えて、栃木は守備陣もテコ入れしている。5月中旬にJ1のアビスパ福岡からCB三國ケネディエブスを補強し、6月下旬には東京五輪世代のGKオビ・パウエル・オビンナ横浜F・マリノスから期限付き移籍で迎えた。オビンナは昨シーズンに続いての期限付き移籍となる。

 さらにJ1の大分トリニータから、DF黒崎隼人も期限付き移籍で加入した。19年、20年と栃木に在籍した24歳は、右サイドバックを主戦場とする。20年シーズンに26試合出場を記録した黒崎の“復帰”は、田坂監督にとって頼もしいはずだ。

 10位でフィニッシュした20年シーズンの栃木は、失点がリーグ最少3位タイの「39」だった。失点を1試合平均1点以下に抑えた守備力が、チームのストロングポイントなっていた。

 しかし今シーズンは、22試合で29失点を喫している。三國とオビンナに続いて黒崎も獲得したのは、守備の安定を攻撃力アップへつなげたいからだろう。

 今節は新潟に0対3で完敗した。J3降格圏の19位の群馬とは、勝点3差となっている。新戦力が合流できる次節の甲府戦で、栃木はこれまでと違う姿を見せられるか。

■京都にはJ3得点ランク2位のFWが加入

 J1昇格争いを演じるチームでは、チョウ・キジェ監督率いる2位京都がJ3の福島ユナイテッドFCの得点源を獲得した。ナイジェリア生まれのオリグバッジョ・イスマイラだ。

 1998年8月生まれの22歳は、19年4月に福島の一員となり、同年は19試合出場で4得点をあげ、20年シーズンは33試合に出場で13ゴールを記録した。今シーズンは福島でのラストマッチとなった11日のFC今治戦で2得点を叩き出し、得点ランキング2位の8ゴールをマークしていた。5月にはJ3リーグの月間MVPに選出された。

 イスマイラは「シーズン途中で離れることになり申し訳なく思うが、もっと自分の力を示すために、上のステージでプレーしたいと思った」と率直な思いを明かした。

 京都の前線では、ピーター・ウタカが大黒柱となっている。イスマイラと同じナイジェリア出身のエースは、今シーズンも好調を維持している。2シャドーのポジションでは、キャプテンの松田天馬宮吉拓実中川寛斗荒木大吾らがしのぎを削っている。福島では絶対的なレギュラーだったイスマイラだが、京都ではポジションをつかみ取っていく立場だ。

 いずれにしても、パワーとスピードを兼ね備えたこの男の加入で、攻撃のオプションが増えたのは間違いない。イスマイラの新たな冒険が、間もなくスタートする。

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