■7月10日/J1第22節 横浜Fマリノス - アビスパ福岡(ニッパツスタジアム) 中断前最後の試合で快勝を収め、マリ…
■7月10日/J1第22節 横浜Fマリノス - アビスパ福岡(ニッパツスタジアム)
中断前最後の試合で快勝を収め、マリノスが6連勝!
ニッパツスタジアムに迎えたアビスパ福岡に対して22分にオウンゴールで先制すると、28分にはオナイウ阿道が追加点を奪う。後半に得点を積み重ねることはできなかったものの、福岡の攻撃を見事にシャットアウト。今季の無失点試合数を「10」に伸ばした。
中断前の試合を、複数得点&無失点で終えることに成功したトリコロール軍団。これでリーグ戦は5連勝となり、アンジェ・ポステコグルー監督の退任後のリーグ戦はすべて白星の4連勝となった。
とはいえ、前半で2点差がつけることに成功したものの福岡の士気は下がらず、むしろ、後半に盛り返して追いつこうと前傾姿勢を貫いた。そのため、90分間を通して白熱の1対1が随所で繰り広げられ、集まったサポーターにとっては見ごたえのあるゲームとなった。
しかし、その1対1でヒヤリとした場面もあった。35分の場面だ。福岡のDFエミル・サロモンソンが横浜のペナルティエリア内で強烈なシュートを放つと、それがDFチアゴ・マルチンスの頭部を直撃。次の瞬間、このブラジル人ディフェンダーは体の力が抜けたように倒れてしまったのだ。サロモンソンがシュートを撃った勢いそのままに前進し、ちょうどマルチンスの横にいたため体を支えることができたが、もしサロモンソンがいなければ、そのまま地面に体を叩きつけるような場面だった。
■力なくピッチに倒れ込む
倒れた背番号13の周りにすぐに選手が集まるほど事態は深刻で、天野純はベンチに向かってすぐさま交代を要求したほどだ。脳震とうの疑いがあるため、マルチンスを移動させることは避けて試合は中断された。
ベンチも交代の準備に移った。数分して自ら立ち上がったマルチンスは、一度ピッチの外に出る。試合が再開され、コーナーキックへと移ったが、マルチンスは早く戻せ、と言わんばかりにピッチを指さして声を出す。医療スタッフが力づくでピッチから離そうとしたほど、プレーへの執念を見せた。
医療スタッフの前で片足ずつ立って脳震とうの可能性を探り、“無事”が分かるとすぐにピッチに戻ろうとした。しかし、一度ベンチまで戻らされる。すると今度は、自ら片足立ちをして“問題なし”を強くアピール。そこでやっとピッチに戻ることが許されると、猛ダッシュで2度目のコーナーキックの守備ポジションに入った。
スタジアムで悲鳴すら生まれたアクシデントにもかかわらず、闘争心は少しも削がれていない。むしろ、ピッチから出たことで、より気持ちを強くしたかのようだった。この気迫に、チーム全員が気持ちを振るい立たされたはずだ。
指揮官は試合後、「選手の命を第一に考えないといけません」と前置きしたうえで、「あの状況の中、ドクターの確認のもと“やれる”という判断を総合的にし」たことを明かした。ハーフタイムにもあらゆるテストを行ったうえでのフル出場だったという。
■試合後に明かした本音
マリノスの今季の無失点試合はこれで10を数えた。リーグ戦フル出場を果たしているマルチンスの力と闘争心とキャプテンシーが大きいことは言うまでもない。だからこそ、この試合に出たとしても、「今後は経過を見てメディカルが対応することになります」(松永監督)と言う。
当の本人は、「衝撃は強かったのですが、ぶつかったのがボールだったのでクラっと倒れはしたのですが、その後、頭がクラクラしませんでしたし、痛みもありませんでした」と状況を説明。そして、「セットプレーで危ない時間帯だったので、早くピッチに戻りたかったのが本音です」と、またしても闘争心をのぞかせた。
これでJリーグは中断期間に入るため、マルチンスに焦りを抱かせることなく、時間をかけてコンディションを注視していくことができる。
そして、チームは2位をしっかりキープ。首位・川崎フロンターレをさらに猛追することに成功している。今夏には宮市亮が新戦力に加わるなど、追撃の手を緩める気配はない。8月の再開後、さらなる躍進をどう見せるのか。逆襲の体勢は整った。