■7月10日/J1第22節 横浜F・マリノス - アビスパ福岡(ニッパツスタジアム) 中断前最後の試合で快勝を収め、マリ…

■7月10日/J1第22節 横浜F・マリノス - アビスパ福岡(ニッパツスタジアム)

 中断前最後の試合で快勝を収め、マリノスが6連勝!
 ニッパツスタジアムに迎えたアビスパ福岡に対して22分にオウンゴールで先制すると、28分にはオナイウ阿道が追加点を奪う。後半に得点を積み重ねることはできなかったものの、福岡の攻撃を見事にシャットアウト。今季の無失点試合数を「10」に伸ばした。

 試合を序盤から支配したのは、「錨」のユニフォームだ。出場停止のマルコス・ジュニオールに代わってトップ下に入った天野純と、東京五輪のためにチームを離れた前田大然に代わってウイングに入った仲川輝人がチャンスを立て続けに作る。

 7分に天野のシュートのこぼれ球を仲川が狙いすましてゴールを狙うも相手GKがキャッチ。14分には、天野が足裏で触ったボールが、相手の最終ラインの裏に出る。これをフリーで回収した仲川がそのまま持ち込んでシュートを放ったが、今度は相手GKが好セーブを見せる。得点の匂いを感じさせる決定機だった。

 その勢いのまま、22分に先制点を得る。天野が右サイドから上げたクロスを福岡の守備陣が処理しきれず、そのままゴールイン。チームにとってホーム通算800ゴール目となったこの試合の先制点を、オウンゴールで得たのだ。

 その勢いのままに28分にはオナイウがヘディング弾を決める。右サイドから、今度はエウベルが上げたクロスをゴール前でフリーで受け、見事にネットに突き刺したのだ。

■選手とスタッフを離れて見ていた指揮官

 その後も攻め続けた横浜F・マリノスが放ったシュートは前半だけで7本、後半には9本を数えた。福岡が90分間で放ったシュート数に前半だけで達する猛攻ぶりだった。

 アンジェ・ポステコグルー前監督が掲げた“アタッキングフットボール”をこの試合でも体現し、結果の面でも“ボス”退任後のリーグ戦で、福岡戦も含めた4試合すべてに白星を飾ることに成功。シーズン途中での監督退任という激震を見事に乗り切っている。

 この試合に関していえば、松永英機暫定監督が試合後、「中断前のラストゲームで“この試合をモノにしよう”と臨みました」と福岡戦への心理状況を明らかにしたが、それに選手が応えてみせたことになる。

 一方で、ピッチに向かって指示を出していたのは、実は、ジョン・ハッチンソンヘッドコーチだ。常にピッチのギリギリまで足を進め、選手に対して細かく指示。ベンチに座ってメモを取りながら戦況を見つめていた松永暫定監督とは対照的で、指揮官がヘッドコーチより前に出たのは数えるほどだった。

 2人の関係性をより強く物語った場面が2つある。1つは、飲水タイムだ。ベンチに選手が集まる飲水タイムでは、通常、指揮官から選手に戦術や修正といった指示が出される。この試合でもそれが見られたが、選手に対して身振り手振りを使って指示を出していたのはヘッドコーチだった。その間、松永監督は選手とスタッフの集まりからやや離れてその様子を見守っていた。

■医療スタッフが真っ先に報告したのは…

 横浜F・マリノスのことを知らない人がその光景を見れば、松永監督が指揮官だとは気が付かないはずだ。まるで一人ぼっちのような距離感だった。他チームでも飲水タイムにコーチに指示を任せることはあるが、これほど顕著に監督が離れていることはない。異例の関係と言えるだろう。

 そしてもう一つの場面が、選手の負傷時だ。選手の治療に当たった医療スタッフがベンチに戻ってきて報告をするのがハッチンソンヘッドコーチだったのだ。

 とはいえ、マリノスの勝利を告げるホイッスルが鳴ると、2人は強く抱き合って喜んでいた。偉大な前監督の退任を乗り切ろうとするイメージと想いが共有できているからこその場面だった。

 そして、チームの過渡期に奮闘しているのはこの2人だけではない。ピッチでキャプテンマークを巻いた選手が見せたある場面での気迫も、勝利を呼び込んだ大きな要因となっていた。

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