2020-21シーズンを終え、移籍市場を専門に取り扱うポータルサイトとして有名な「トランスファーマルクト」が市場価格を更…
2020-21シーズンを終え、移籍市場を専門に取り扱うポータルサイトとして有名な「トランスファーマルクト」が市場価格を更新した。同サイトで日本人選手のデータ・アナリストを務めるトビアス・ドライマン氏に依頼し、2020-21シーズン全体を通して評価が最も上がった上位3選手と、評価を大きく下げてしまった3選手について、今夏の動向を含めて解説してもらった。
※評価は、2020-21シーズン開幕前の2020年7月時点での市場価格と、シーズン終了後の2021年6月の最新の市場価格の「差額」を基準に行なっている。
直近では、アタランタとトッテナムが移籍先候補として挙がっており、チャンピオンズリーグ(CL)でプレーする可能性も小さくはない。冨安の22歳という年齢で、CLの舞台で活躍できれば、評価はさらに上昇するはずだ。
<評価を下げたワースト3>
1位 中島翔哉(ポルト)
市場価格350万ユーロ(約4億5850万円)
下降額1250万ユーロ(約16億3750万円)
2018年の時点では、中島翔哉は海外でプレーする日本人として最も興味深い選手になると見られていた。ポルティモネンセでの評価の急上昇により、一時は最も市場価格の高い日本代表選手にまでなっていた。
ところが、この後のカタールのアル・ドゥハイルへの移籍が急ブレーキとなる。この移籍は、サッカー選手としてのキャリアが停滞するだけではなかった。
アル・ドゥハイルの後はポルトへ移籍したが、この時ポルトから別のチームへ中島が移籍する際、移籍金の50%がアル・ドゥハイルに入るようになっていた。当時設定された移籍金は8000万ユーロ。だが、このカタールのクラブにとって、このバイアウトの条項は、結果的に大損をもたらす投資となった。中島の市場価格は落ち、見込んでいた4000万ユーロが入ってくる様子はない。
結果的に、中島はカタールで贅沢な生活がしたかっただけではないか、という評価がつきまとった。さらに、ポルティモネンセ時代に見せていたゴール前の危険なプレーも鳴りを潜め、ポルトからUAEのアル・アインにレンタル移籍で放出されてしまう。
そのアル・アインでは、2試合に出場した後、大きな怪我でシーズンを棒に振ってしまった。これらの条件を考慮に入れると、かつてのフォームに戻るまでの時間は予測がつかない。そのため、他の海外日本人選手と比べて、大きく差をつけて市場価格を下げることとなった。
2位 武藤嘉紀(ニューカッスル)
市場価格250万ユーロ(約3億2750万円)
下降額300万ユーロ(約3億9300万円)
武藤嘉紀は、大きな期待を背負ってブンデスリーガのマインツからプレミアリーグのニューカッスルへと移籍した。ところが、この元FC東京のストライカーは、プレミアリーグで苦しみ、定位置を確保できなかった。
プレースタイルが異なるスペインのラ・リーガへのレンタル移籍によって、復調が期待されていた。ところが、エイバルはシーズンを通して残留争いに飲み込まれてしまい、最終的に最下位で降格。
移籍した武藤は、望みどおりに出場時間を与えられた。ところが、時間が経つにつれて、FWとして不可欠なゴール前での決定力に欠けていることが露呈する。結局、パートナーを組んでいた主将のキケ・ガルシアが、12得点でチームのトップスコアラーとして牽引する姿の陰に隠れてしまった。
エイバルで試みた武藤のアプローチは良かったものの、不調を引きずるチーム全体を上向かせるには不十分だった。ニューカッスルに戻ったとしても、武藤の居場所には疑問符がつけられる。カラム・ウィルソンと24歳のジョエリントンの2人が、センターフォワードのポジションを確保しているからだ。
現在の状況でニューカッスルが考えるとすれば、今夏のうちに武藤を売却し、できるだけ多くの移籍金を得ることだろう。
3位 大迫勇也(ブレーメン)
市場価格100万ユーロ(約1億3100万円)
下降額250万ユーロ(約3億2750万円)
日本代表では押しも押されもせぬ存在感を発揮する大迫勇也だが、ブンデスリーガではその価値を示すのに苦しんでいる。この31歳のアタッカーは、十分なクオリティを備えているが、昨季のブレーメンでその能力を示すことができなかった。
シーズンを通して無得点、1アシストでは物足りない。たとえ2列目での起用だとしても、アタッカーとして評価を上げるのは難しい。
ブレーメンが2部に降格した責任は、当然ながら大迫だけにあるわけではない。だが、昨季も時折見せたような輝くプレーは、来季の2部で見られそうにない。ブレーメンとの契約は2021-22シーズンまでだが、クラブが大迫を放出したがっているのは、すでに公然のこととなっている。
大迫がポジションを確保する日本代表とは違い、ブレーメンでは大迫を中心にチームが動くわけではない。そして、それは他のクラブでも同じだ。ブレーメンが希望どおりの移籍金を支払う放出先を見つけるのは、難しい仕事となるだろう。
<トランスファーマルクトが発表している日本人選手の市場価格(上位10人)>
1位/鎌田大地(フランクフルト)/2500万ユーロ
2位/冨安健洋(ボローニャ)/2000万ユーロ
3位/久保建英(レアル・マドリード)/1500万ユーロ
4位/南野拓実(リバプール)/1200万ユーロ
5位/遠藤航(シュツットガルト)/1000万ユーロ
6位/伊東純也(ゲンク)/800万ユーロ
7位/堂安律(PSV)700万ユーロ
8位/酒井宏樹(浦和)/400万ユーロ
9位/中島翔哉(ポルト)/350万ユーロ
9位/鈴木優磨(シント・トロイデン)/350万ユーロ
9位/板倉滉(マンチェスター・シティ)/350万ユーロ