3月3日、侍ジャパンは京セラドーム大阪で阪神と強化試合を行い、2対4で敗れた。3月7日の「2017 WORLD BASEBALL CLASSIC™」(以下、WBC)の1次ラウンド開幕まで残りわずかとなった中で、先発・武田翔太投手(ソフトバン…

3月3日、侍ジャパンは京セラドーム大阪で阪神と強化試合を行い、2対4で敗れた。

3月7日の「2017 WORLD BASEBALL CLASSIC™」(以下、WBC)の1次ラウンド開幕まで残りわずかとなった中で、先発・武田翔太投手(ソフトバンク)のピッチングは、本番までに課題を残す形となった。「変化球の精度が悪く、真っすぐ一本になってしまいました」と武田が振り返ったように、ストレートとボールがはっきりしており、球数は2イニングで53球を数えた。そして、カウントを悪くしてからのストレートを痛打され、3失点を喫するなど次回登板となるWBC本番までの修正が必要となるピッチング内容だった。

打線も序盤は、阪神・メッセンジャーのキレ・制球力抜群の投球の前に、3回まで山田哲人内野手(ヤクルト)の1安打のみに終わり、投手陣を援護できず流れを相手に渡す展開に。その後は投手陣が踏ん張り反撃を待つと、打線は、7回に中田翔内野手(日本ハム)のソロ本塁打がようやく飛び出し1点を奪うと、8回には内野ゴロの間にさらに1点を返し、阪神を追い上げる展開に。その裏、秋吉亮(東京ヤクルト)が2本のヒットから1点を失い再び2点差とされると最終回は打線が3者凡退で、4対2で試合終了となった。

写真提供=Getty Images

今日の侍ジャパンは試合に敗れたなかで、いくつか明るい兆しも見られた。メッセンジャーが登板した3回までに唯一安打を放った山田は、安打後すかさず二盗を敢行するなど、積極的に次の塁を狙う意識を前面に出していた。また、この日からチームに合流した青木宣親外野手(アストロズ)が第二打席で初ヒットを放つと、8回の無死一、二塁のチャンスでは、二塁間深くにつなぎのゴロを放ち一死二、三塁とチャンスを広げ追撃の1点を取るなど、青木が入ったことによる打線のつながりも見られた。この進塁打に関しては小久保裕紀監督も「“バントのサインが出ない中でどういう打撃をするのか”見ていた中で、しっかり進塁打を打ってくれました」と、その姿勢を賞賛した。

1次ラウンドは球数制限が65球と少なくないため、各国状態の良い投手が次々と投入されてくることが想定される。侍ジャパンの勝利のためには積極的な攻撃と意識の高い打撃や走塁が必要となってくる。

試合後、小久保監督も「2番手以降のピッチャーは良かった」と語り、打撃陣では、青木や中田、山田を今日の収穫としてあげたように、個々の選手の状態は上向きになってきている。いよいよ準備期間も、5日のオリックス戦で最終章を迎え、7日のWBC開幕となるキューバ戦の大一番に挑む。