サメのイメージといえば、海にひそむ危険生物。おそろしい効果音とともに近づき、大きな口を開けて人間にかぶりつく!ついつい…
サメのイメージといえば、海にひそむ危険生物。おそろしい効果音とともに近づき、大きな口を開けて人間にかぶりつく!ついつい大ヒット映画「ジョーズ」を思い浮かべてしまいがちだが、昨季まで2年連続最下位チームにかみつかれたパ・リーグ5球団も驚いているに違いない。
セパ交流戦で11年ぶり2度目の優勝に輝いたオリックス。リーグ戦再開後も勢いは止まらず、20日楽天戦で8連勝を飾り、楽天と並んで7年ぶりとなるリーグ首位に立った。チームを率いるのは就任1年目の中嶋聡監督(52)。球界では親しみをこめた「サメ」の愛称で知られている。
サメと呼ばれる理由は諸説あるが、1つは細い目で顔が似ていること。もう1つは現役時代に捕手として、投手や選手とよくコミュニケーションをとるために後ろをついて回る姿が「コバンザメ」のようだった、という話もある。球界関係者は「顔は怖いが、話すとおもしろい」と声をそろえる。
秋田の無名校・鷹巣農林高校(現北鷹〈ほくよう〉高校)から1986年ドラフト3位で阪急に入団。強肩を武器に出場機会を増やし、オリックス、西武、横浜、日本ハムと渡り歩いて8度のリーグ優勝(うち日本一2度)を経験。1軍実働29年は工藤公康、山本昌と並んでプロ野球最長記録だ。
サメのように体も強い。90年9月20日の日本ハム戦で、投手・星野伸之の投げたスローカーブを素手で直接キャッチしたエピソードがある。プロで使用する硬球は大きな石のようなもので、当たるとかなり痛い。捕球後、投手よりもかなり速い球速で返球し「恥ずかしいからミットで捕球して」と星野にお願いされたという。
バッテリーで積極的にコミュニケーションをとり、投手としっかり話し合う。現役時代のスタイルは、指導者になっても変わらない。日本ハムでは07年からコーチを兼任し、18年からオリックスに復帰。2軍監督を経て昨季途中から1軍監督代行、今季から新監督として6年連続Bクラスに低迷するチーム再建を託された。
96年にイチローらとリーグ優勝して以来、オリックスは12球団でもっとも優勝から遠ざかっている。対話路線と若手の積極起用で歯車がかみ合い、14年以来の首位に立った中嶋監督は「どうやって食らいつくか。それしか考えてません」と気の緩みはない。長く深い海に沈んでいた「サメ」が、26年ぶりVへ急浮上してきた。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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