暁星国際を6-0で撃破、名将の後受けた榎本監督「プレッシャーでした」 全国高校総体(インターハイ)サッカーの千葉県大会は…
暁星国際を6-0で撃破、名将の後受けた榎本監督「プレッシャーでした」
全国高校総体(インターハイ)サッカーの千葉県大会は20日に決勝戦を行い、流通経大柏が6-0で暁星国際を破って4年ぶり15回目の全国大会出場を決めた。流通経大柏は、プレミアリーグチャンピオンシップ、高校選手権などの全国大会で優勝経験を持つ名門だが、創部当初からチームを率いて強豪に引き上げた本田裕一郎前監督が19年シーズン終了時に退任。榎本雅大ヘッドコーチが監督に就任した昨季からの新体制では初の全国出場となる。榎本監督は「ホッとした。プレッシャーでした」と笑顔を見せた。
榎本監督は、伝統のハイプレス戦術を受け継ぎつつ、攻撃面では異なる特徴のチームを作っている。以前よりもハイボールが減ったのは、明らかな違いだ。この日は、ロングスローも1本も使わず、サイドに人数をかけ、連係で局面を打開するスタイルで攻め込んだ。最初は左、次に右とサイドを変えずに押し込んで何度もCKを獲得。前半32分、右CKからDF長谷部陽也(2年)がヘディングをたたき込んで先制すると、波に乗った。
1分後には右MF小林恭太(3年)のシュートのこぼれ球をFW石川裕雅(3年)が押し込んで追加点。さらに、その3分後にゲームメーカーのMF松本洋太(3年)が技ありシュートを決めて3点目。右からのアタックで相手を崩し続けた。攻撃参加を繰り返したU-18日本代表候補のDF大川佳風(2年)は「準決勝は入り方が悪かったけど、簡単にボールを失わないということや、競り合いの後のセカンドボールを回収することができて、この試合は全員が距離感よくつながることができていた」と手応えを示した。
攻撃面は、特に個人技のある松本が中央でパス交換に関わるようになってから、相手が守備の的を絞れなくなった印象だ。松本は「今大会は、不用意なパスを減らし、なるべく同サイドで攻めて、自分たちの時間が来たら相手を見て変えていくという感じ。今日は、早い時間で点が入って、やりやすかった」と手応えを語った。エースFW川畑優翔(3年)や松本、渋谷が選手間の判断で立ち位置を変えるなど柔軟性もある。迫力を欠く部分もあるが、新たなスタイルはしっかりと定着している。
攻撃面で新体制の特長を見せつつ、前体制から受け継いだ守備でも強化にこだわりを見せていた。初の全国大会出場を狙う暁星国際は、左MF木村幸太(3年)のドリブルで押し返して、サイドチェンジからアタックを仕掛けたが、ハイサイドから中央には侵入できずに苦しんだ。
シュート数でも19対1と圧倒
流通経大柏がこだわっていたのは、被シュートゼロ。この日、公式記録に残された暁星国際のシュートは1本のみ。流通経大柏は、前線から球際へ激しくプレッシャーをかけて相手の攻撃の選択肢を削り取った。新体制での初年度となった昨季、冬の高校選手権では県大会の決勝戦でライバルの市立船橋に敗戦。接戦だったがミドルシュートを決められて破られた。その反省を生かし、隙をなくした戦い方だった。
3点リードの後半は、自陣からパスをつなぐ暁星国際に対し、プレッシャーをかけて前進を許さず、ハーフコートゲームに近い状態まで押し込んだ。その中から途中出場のFW堀川大夢(2年)が2得点、最後に主将のMF渋谷諒太(3年)が左CKからヘディングシュートを突き刺して6点目を奪う完ぺきな試合展開。シュート数19対1という圧倒的な内容だった。ディフェンスリーダーのDF田口空我(3年)は「圧倒して勝つ。シュートゼロ、無失点を意識して全国でもやっていきたい。こだわることで、全員がボールを奪いに行けたり、ゴール前で粘れるようになってきたりしている」と胸を張った。
しかし、ここで満足するわけにはいかない。MF小林は「全国大会は初めてだけど、目標は日本一。まだスタートラインに立っただけ」と話した。5月のプレミアリーグEASTでは、青森山田に0-3で敗れた。主将の渋谷は「自分たちが青森山田を倒して日本一にならないといけないと選手全員で話している。
0-3で負けた日から(悔しさを)忘れている選手はいないと思う」とプレミアリーグを無敗で突っ走る強敵を超えての日本一を目標に掲げた。インターハイ全国大会の男子サッカーは、8月14日から22日まで福井県で開催される(無観客開催)。千葉の名門が、夏の覇権を奪いに行く。(平野 貴也 / Takaya Hirano)