開催まで2カ月を切った東京五輪をめぐり、中止を求める声が強まっている。世論調査では、およそ8割が今夏の開催に反対。新型…
開催まで2カ月を切った東京五輪をめぐり、中止を求める声が強まっている。世論調査では、およそ8割が今夏の開催に反対。新型コロナウイルスの感染拡大に収束の兆しが見えないためだ。野村総合研究所は五輪中止による経済的な損失は1億8108億円と試算したが、強行の代償も莫大なものになりそうだ。
試算したのは、野村総研の木内登英氏。東京都が2017年に公表した大会の直接的な経済効果1兆9790億円をもとに、海外客の受け入れ断念などの影響を加味した。国内客を受け入れて開催した場合、運営費で1兆2070億円、チケット販売で900億円、関連グッズやテレビの買い替えで2910億円などの経済効果が発生するものの、中止すればすべてパーになるという。もっとも、損失額は昨年度の名目GDPの0・33%。「景気の方向性を左右するほどの規模ではない」とし、五輪強行によって新たに緊急事態宣言が発令される事態を招けば、「経済損失の方が大きくなる」と指摘。昨年4~5月の緊急事態宣言は約6兆4000億円、今年1~3月の2回目は約6兆3000億円の損失につながったという。
今月16日までのデータをもとに都内の感染状況を推計した東大大学院経済学研究科の仲田泰祐准教授らのグループは、五輪開催による人流増加に警鐘を鳴らしている。仲田准教授らのシミュレーションは10都道府県に拡大した緊急事態宣言が6月中旬まで延長され、ワクチン接種は1日60万本ペースで進むと仮定。大会期間中に選手や関係者ら10万5000人が入国し、このうち半数がワクチンの接種を終えていると想定した。
その結果、五輪関係者などが直接原因となって増える都内の新規感染者数は1日平均で15人程度。しかし、観戦などで外出機会が増えたり、経済活動が活発になって人流が6%増加すると、10月第2週には新規感染者数が1601人となり、中止の場合と比べて781人増えるという。英国株よりも感染力が強いインド株などの影響は加味されていない。
米国務省は24日、米国民に対して日本への渡航中止を勧告する渡航情報を発出。CDC(米疾病対策センター)からの勧告が主な理由だとしている。世界が警戒する中、五輪を舞台に感染爆発が起きれば取り返しのつかない事態になりそうだが・・・。
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