注目の牝馬クラシック第2弾、GIオークス(5月23日/東京・芝2400m)が間近に迫ってきた。 第1弾のGI桜花賞(4…

 注目の牝馬クラシック第2弾、GIオークス(5月23日/東京・芝2400m)が間近に迫ってきた。

 第1弾のGI桜花賞(4月11日/阪神・芝1600m)は、2歳女王ソダシ(牝3歳/父クロフネ)が万全のレース運びで快勝。宿敵サトノレイナスを下して、5戦無敗で一冠目を手にした。



無敗で桜花賞を制したソダシ

 また、オークスの最終切符を巡っての争いは、リステッド競走の忘れな草賞(4月11日/阪神・芝2000m)をステラリア(牝3歳/父キズナ)が勝利。GIIフローラS(4月25日/東京・芝2000m)はクールキャット(牝3歳/父スクリーンヒーロー)が、リステッド競走のスイートピーS(5月2日/東京・芝1800m)はタガノパッション(牝3歳/父キングカメハメハ)が勝って、それぞれ大一番へと駒を進めた。

 今回はそのオークスを前にして、3歳牝馬の『Sportivaオリジナル番付(※)』を発表したい。なお、GI日本ダービー(5月30日/東京・芝2400m)に向かうことになったサトノレイナスは、今回のランキング対象からは外している。
※『Sportivaオリジナル番付』とは、デイリー馬三郎の吉田順一記者、日刊スポーツの木南友輔記者、独特なデータを駆使するパソコン競馬ライターの市丸博司氏、フリーライターの土屋真光氏、Sportiva編集部競馬班の5者それぞれが、今回はオークスに出走予定の3歳牝馬の実力・能力を分析しランク付け。さらに、そのランキングの1位を5点、2位を4点、3位を3点、4位を2点、5位を1点として、総合ポイントを集計したもの。



 1位は、ソダシ。サトノレイナスの路線変更によって、ついに満点となる25ポイントを獲得した。オークスでは、完全に「1強」ムードの様相だ。

吉田順一氏(デイリー馬三郎)
「血統背景やつなぎ、クッション度を鑑みれば、ダートでこそ活躍しているタイプ。ただ、芝自体がダメというわけではなく、流れやポジショニング、勝負強さによって、芝でも5連勝を飾っています。

 もちろん、そうした結果を生み出したのは"厩舎力"が成せる業でもあります。ゆったりしたローテーションと在厩調整によって、白毛馬の硬度の低い爪のケアもうまく行き届いています。

 中5週で挑むオークスは、レコード決着となった桜花賞の反動が気になるところですが、なんとレース4日後の木曜日には、軽めながら坂路で調整。その回復の早さには驚かされました。さらにその後も、坂路で好時計を計測。反動どころか、攻めの調教を積んできている点は強調材料となります。

 距離が延びて、緩急がつけばつくほど、思わぬ馬に出し抜かれることも考えられますが、そこはポジショニングのよさと、タフな残り5ハロンを底力勝負に持ち込むことによって、自ずと結果はついてくると思います」

木南友輔氏(日刊スポーツ)
「GI阪神ジュベナイルフィリーズ(12月13日/阪神・芝1600m)に続いて、桜花賞も勝利。サトノレイナスの強襲を封じたゴール前は本当に見事でした。

 もはや注目すべきは、『クロフネ産駒のオークス制覇なるか』という一点。東京・芝2400mのオークスでも、これまでのように好位から抜け出して最後まで押し切れるかどうか。伸びのあるストライドで、坂路ではラストで切れる馬ですが、はたして......」

市丸博司氏(パソコン競馬ライター)
「ソダシにとって、オークスでは最大の敵となるサトノレイナスがいなくなったことが何より大きいです。他の桜花賞組とは勝負づけが済んでいて、フローラS、スイートピーS組の指数(※市丸氏が独自に編み出したデータ指数)も、伸びませんでしたから。2年連続で無敗の二冠馬が誕生する可能性は高いと見ています。

 過去、桜花賞勝ち馬のオークスの成績も優秀。ここ10年の結果を見ても、8頭が出走して3勝、2着1回、4着2回。明らかに距離に限界があったレッツゴードンキ、レーヌミノルを除けば、すべて4着以内に来ています。

 ソダシも近親には中・長距離をこなす馬が多く、距離延長で負けるとは考えにくいところ。オークスでも中心的な存在となるのは間違いないでしょう」



 2位は、桜花賞で4着だったアカイトリノムスメ(牝3歳/父ディープインパクト)。前回3位から浮上した。同厩のサトノレイナスに代わって、オークスで躍動できるか、注目される。

吉田氏
「桜花賞ではしっかりと発馬を決めて、好位からの立ち回り。勝ち馬のソダシと横並びのポジションでしたが、メイケイエールのマクりによって、途中でポジションが一列下がってしまったのが誤算でした。

 それでも、馬込みで我慢が利いて、直線では徐々に加速。豪快な差し脚が光ったサトノレイナスには伸び負けしたものの、一度離されたソダシや3着ファインルージュ(牝3歳/父キズナ)に際どく詰め寄った脚は評価していいでしょう。折り合いがつき、追ってから味のある末脚からもオークスは向きそうな印象があります」

市丸氏
「ここまで5戦すべてマイル戦を使って3勝。桜花賞でも3着にクビ差の4着と健闘しました。

 母は三冠牝馬のアパパネ。兄たちの成績がもうひとつなのがどうかと思っていましたが、牝馬ということで、何かプラスアルファーがあるのかもしれません。現時点で"打倒ソダシ"の一番手となるのは、やはりこの馬ではないでしょうか」

 3位は、桜花賞3着のファインルージュ。その結果を受けて、圏外から一気にランクインを果たした。

市丸氏
「指数では2位のファインルージュ。ただ、近親に短距離馬やマイラーが多く、母パシオンルージュも短距離馬でした。桜花賞の結果から、無視できる存在ではないのですが、オークスでは過大な期待は禁物かもしれません。父はダービー馬のキズナですし、能力的には芝2400mもこなせる可能性がありますが......」

本誌競馬班
「桜花賞3着の結果を素直に評価します。距離延長への不安が若干あるものの、地力上位は確かでしょう」

 4位は、ユーバーレーベン(牝3歳/父ゴールドシップ)。前回はランク外に落ちたものの、再ランクインとなった。GIIIフラワーC(3月20日/中山・芝1800m)で3着に敗れて桜花賞を回避。フローラSに臨むもまたも3着と、やや物足りないイメージがある。それでも、阪神JFではソダシ、サトノレイナスに迫る3着と奮闘。距離適性も考慮され、再浮上した格好だ。

木南氏
「フローラSでは3着でしたが、後方から伸びて、悪くない負け方だったと思います。GIIチューリップ賞(3月6日/阪神・芝1600m)を疝痛(せんつう)で回避。そこから立て直して、フラワーC3着、フローラS3着と、ともに上々の内容でした。あとは、鞍上のミルコ・デムーロ騎手の手綱さばきに期待が寄せられます」

 ソダシの「1強」状態にあって、2位以下は大激戦。おかげで、4頭もの馬が5位タイでランクインした。ステラリア、ククナ(牝3歳/父キングカメハメハ)、クールキャット、アールドヴィーヴル(牝3歳/父キングカメハメハ)である。

木南氏
「ステラリアは、昨秋の1勝クラス・ベゴニア賞(11月29日/東京・芝1600m)で2着と好走して、オークス候補になると思っていました。6着に終わったGIIIクイーンC(2月13日/東京・芝1600m)でも大外を伸びて、"負けて強し"の競馬をしていました。ここは、チャンス大と見ています」

土屋真光氏(フリーライター)
「ククナは、母が桜花賞2着、オークス3着のクルミナル。その血をそのまま受け継いで、この馬も勝ちきれないところがあります。しかし、前走の桜花賞では、ポツンと最後方から直線では進路を探りながら6着まで追い上げました。

 距離が延びれば、追走も楽になって、もう少し前目での競馬も可能でしょう。再び終(しま)いの脚にかけるとしても、長い府中の直線を味方につければ、上位進出のチャンスが巡ってくるかもしれません」

市丸氏
「勝利した前走のフローラSでは、強烈な瞬発力を発揮したクールキャット。府中では2勝しており、無視できない存在でしょう。年明け4戦目というのは懸念材料となりますが、一戦ごとの成長を感じます」

吉田氏
「アールドヴィーヴルは、18kg減のクイーンCを考慮して、桜花賞への直行を決断しましたが、その本番でも再び6kg減。そうした馬体重の減少は不安材料ですが、馬体自体は細く見せず、適度なテンションでしっかりと歩けていたのは好感が持てました。

 ただ、ローテーション+再度の関東遠征、そして中間の調整過程を踏まえれば、上積みは正直疑問。上位グループとの差をつめて逆転する、というのは簡単ではなさそう。オークスの舞台は合うタイプゆえ、それでどこまでやれるか、といったところでしょうか」

 昨年のデアリングタクトに続いて、ソダシが無敗のオークス馬に輝くのか。あるいは、距離が延びて台頭する馬が現れるのか。決戦のゲートインはまもなくである。