■5月12日/J1第20節 川崎フロンターレーベガルタ仙台(等々力) 川崎フロンターレが、苦しみながらも史上最高の独走…
■5月12日/J1第20節 川崎フロンターレーベガルタ仙台(等々力)
川崎フロンターレが、苦しみながらも史上最高の独走に王手をかけた。等々力競技場に迎えたベガルタ仙台と2-2で引き分け、サポーターの前で開幕からの無敗記録を「15」に、また、シーズンをまたいだ無敗連続記録を「21」に伸ばした。次節の札幌戦で、J1史上最高の連続無敗記録にチャレンジすることとなる。
この試合で、川崎は小林悠の得点で開始3分に先制しながら、74分に追いつかれる。それでも三笘薫の裏抜けゴールで83分に勝ち越したかに思えたが、試合終了間際に仙台FWマルティノスのスーパーゴールで追いつかれ、引き分けとなってしまった。しかも、終盤には仙台にチャンスを何度も作られ、敗戦の可能性すらあった際どい試合だった。
川崎の今季の戦績は、仙台戦も入れて13勝3分0敗の無敗。国内では昨季に引き続き圧倒的な強さを見せている。今季勝てなかったのは、A神戸、H広島、H仙台の3戦だけで、すべての試合で得点を奪っている。16試合で41得点と1試合平均ゴール数は「2.56」。その攻撃力もJで圧倒的だ。
仙台戦で勝利を逃した理由として、鬼木達監督は「得点したあと、そこで2点目、3点目を取れなかったこと」と、「自分たちのサッカーにほど遠いくらいのミスがあった」ことの2点を挙げている。
■一時的に4-4-2を使ったことはあるが
この試合では、たしかに川崎にパスミスが多かった。正確には、パスの出し手と受け手の呼吸が合わずにボールを失うケースが見られた、というべきかもしれない。特に山根視来の部分でボールをロストすることが多かったが、山根はこのチームで替えの利かない選手の一人で、ここまで全試合フル出場している。今年は日本代表にも初めて選出されて試合に出ており、疲労が溜まっていると考えるのが妥当だ。
仙台は中2日でアウェイ連戦、川崎は中3日。今後もこのような展開は間違いなくあり得る。リズムを作れずに得点を奪えない時間が長期化すれば、逆に、相手チームがその前がかりになった部分を突いてくる可能性もある。
そして、仙台戦で浮き彫りになったのが、川崎の土壇場で相手を跳ね返す力と、さらに勝ち越すパワープレーの必要性だ。川崎は名古屋戦や広島戦の途中で4-4-2を一時的に用いたことがあったものの、基本形は4-3-3。中盤の「3」はアンカー+2インサイドハーフという構成だ。守備固めをするときの布陣、あるいは、終盤にパワープレーで点をもぎ取るという経験はしていない。逆に言えばそれほど強いということだが、慣れない環境で慣れない相手と戦うACLでは、必ずしもリーグのように無双できるとは限らない。
仙台戦でも、勝ち越しを狙う場面や追加点を奪いにいく場面で、そうした力強さを見せることはできなかった。人とボールが動くサッカー以外のもう一つのオプションを、ACLまでに用意しておくことが必要かもしれない。
■ACLはウズベキスタンで集中開催
川崎フロンターレのアジアでの戦いは、ウズベキスタンで集中開催される予定だ。6月25日から7月11日までの約2週間で、初見の相手と連続して対戦する。相手もなりふり構わず勝負に徹してくる中で、絶対的な自信を持つ“川崎のサッカー”を披露できるとは限らない。
奇しくも、次節のホーム札幌戦は昨年、川崎が完敗を喫したカードである。マンマークで対策を練ってきた札幌を相手に、川崎は1得点も奪うことができずに2失点して敗れた。ピッチでボールを回すことができない中で、いいところなく敗れた試合だ。
王者・川崎といえど、自分たちのコンディションと相手の状態でゲームの行方は左右される。川崎が国内最強クラブからアジア最強クラブになるために、そしてその先を見据えるために、仙台以外の国内クラブに手間取っている時間は必要ない。